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教員の勉強を始めるきっかけとなった最初の一冊

昨日のnoteで自分が初めて教員をやった時の思い出を書きました。

この時、初心者教員だった自分は己の無力さを知り存分に落ち込みました。そしてそこから初めてまともな教員の勉強を始めることになります。

「子供たちに申し訳ない」
「自分のせいで子供が悪くなっていく」
「学級が崩れるのは自分のせいだ」

教員が勉強するきっかけ、原動力なんてこんなものです。めっちゃポジティブな人はもっと高みを目指すような意識高い理由で勉強するのかもしれませんが、凡人の自分は上に書いた行動理念が全てでした。どうにかして子供の人生に迷惑をかけない教員になりたかった。それだけでした。


アホみたいに本を読みました。お金はいくらでもありましたから(昨日のnote参照)。そんな本の大量購入人生において、最初の一冊となった本がこれです。

この一冊が自分の教員としての生き方を決めたようなものです。「本を読む教員」という生き方を。これはTOSSという研究団体を主宰する向山洋一という小学校教員がかなり昔に書いた文章をまとめた本です。シリーズものの第1巻であり、この本の内容に手応えを感じると、シリーズの他の本も探してみたくなります。

しかし、向山洋一全集は100巻を超える大カテゴリ。真剣に追おうと思うといつの間にか家の中が本だらけになっているというわけです。


TOSSの流儀には賛否両論があります(これは教員の世界にいるとどこかで耳にする)。自分も100%TOSSの思想に賛同するかというとそうでもなく、実際はTOSSと仮説実験授業を半分ずつかじった半端者です。


ですが、自分は「教員としての基礎を最も学べる本はどれですか?」と聞かれれば、「向山洋一全集の若い番号を読んだら良いよ」と自信を持って即答します。それほどに、この本は具体的で、論理的で、情熱に溢れているからです。

そして何より、「誰でも」「明日から」実践できることを大前提に書かれているからです。


実際、自分の教員人生の20代前半は、このシリーズを自分なりに理解して実践し続けたからこそ生き残ってこれたと思っています。本を読み、実践し、手応えを感じればそれを自分の知識技術として覚える。手応えを感じなければ反省して理由を考察する。そんな毎日でした。傍にはいつも本がありました。


いきなり本を読めと言われても、学生や駆け出し教員には難しい話だと思います。なぜならまだ「必要感」がないから。そのもう少しあと、教員をやっていてどうにもうまく行かず焦りと不安と申し訳なさが心に生まれた頃に、この本を手にとってみてください。教員としての果てしない勉強の第一歩となってくれると思います。


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