見出し画像

ドラマ

以前、オフィスをドラマの撮影に使わせてくれないかという話があった。ある民放で長らく続くシリーズもので、妻もファンだったこともあって、快諾し、テレビ制作会社の方に見学いただいた。結果をわくわくして待っていたんだけど、残念ながらNGになってしまう。どうやら設定が、詐欺グループの親玉である悪徳弁護士の事務所で、そのイメージに合わないということらしい。もっと黒光りする革張りのソファとか、脳天をかち割りそうなガラスの灰皿とかがないといけなかった。間近で俳優さんを見ることができるかもしれないと楽しみにしていたんだけど(ジャニーズも出演してたので一部のメンバーが浮足立ってた)、なかなか思ったようにはいかないものだ。

しかし、日本のドラマって刑事や医者をテーマとするものが多くて、経営者モノって少ないような気がする。まあ、それもむべなるかなってところで、ほかの経営者はわからないけど、僕の場合は事件性のある日常を送っているわけではない。しかし刑事だったり、弁護士だったり、医者だったりすれば、目の前に血なまぐさい案件が転がっていても不思議ではない(もちろん人や専門分野によると思いますが)。とても絵にしやすいし、視聴者もドキドキするだろう。ただ経営者といっても、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズの伝記などは、けっこうドラマチックだ。露悪的ともいおうか、彼らの人間らしさが全面に出ていて好感が持てる。一方、日本の名経営者とされる松下幸之助や稲盛和夫の物語は、記している人があまり煽っていないからなのか、良いドラマの作り手に恵まれていないのか、人格的に超越している感があって面白くない。なんだか道徳の教科書みたいなのだ。これが日本とアメリカの経営気質の違いなのかもしれないけど、単純な僕としては、相手を叩きのめすようなバトルを楽しみたい。そういった意味で、10年前に放送されたNHKドラマ「ハゲタカ」はファンドvsメガバンクvs企業の対立構図が見れて、とてもおもしろかった。

というわけで、金融や経営については、もっぱらアメリカのドラマや映画を観て楽しんでいる。最近話題になったドラマ「シリコンバレー」や、弁護士ドラマの「スーツ」、映画だと球団経営の「マネーボール」から80年代の名作「ウォールストリート」まで、ビジネスシーンを彩る映画にめぐまれているのがハリウッドだ。特にウォールストリートで描かれるゴードン・ゲッコーは悪役なんだけど格好良くて、“greed is good”から始まるスピーチには震えた。

急に寒くなってきたので、この3連休は家でまったりとビジネス系映画を観て過ごすのも、粋なものかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?