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緊急企画「社会的距離〈Social Distance〉を超えて」〜連載開始にあたって


新型コロナウイルス(COVID-19)は私たちの世界を一変させました。

学校から子どもたちが消え、盛り場から喧騒が消え、空港に発着する旅客機はない――わずか2か月前には想像もできなかった、SFのような現実があります。

私たちは今後も、対面の接触を避け、人が集う場を減らし、できる限り移動せず家にとどまること――社会的距離戦略〈Social distancing〉とよばれる対応を求められています。それは感染爆発による最悪の事態を避けるため、今とりうる最善の道だとされます。

しかし、こうした行動の変容を全国民が強いられるなかでも、その負荷がすべての人に一様にかかっているわけではありません。
むしろ、私たちの社会に元からあった矛盾や分断――貧者と富者の差、母子家庭や外国籍住民の困難、説明責任や透明性に背を向ける政治、特定の人々への差別や敵視など――が、この危機によってあらためて露呈したとも言えるのではないでしょうか。

社会的距離〈Social distance〉とはもともと、こうした社会の中の分断や格差、相互の無理解をあらわす用語であったとされます。
社会が結束してウイルスの脅威に立ち向かうために、そこから見落とされ・見捨てられる人があってはなりません。
私たちは感染爆発から生命を守るための社会的距離戦略を実践すると同時に、制約されたコミュニケーション環境の下でも、社会の分断を埋めるための努力を求められているのではないでしょうか。

そのような思いから、このnoteにおいて、緊急寄稿企画「社会的距離〈Social Distance〉を超えて 〜 分断に抗う知」をスタートします。
さまざまな専門分野の識者、あるいは医療・福祉・教育の現場で働く方々など、編集部員がそれぞれに、いま書いてほしいと思った方に寄稿いただきます。
更新は不定期になりますが、週1〜2本のペースで公開をめざします。
どうぞご期待ください。

大月書店 編集部一同

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