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さようなら大塚咲

2018年、AV人権倫理機構が作品販売停止申請の受付を開始した。

そのニュースを聞いて、私はほっとしたのだった。

女優の人権が守られるようになったことが嬉しかったし、私もいずれは…と思った。

2年前、撮り下ろしと勘違させるようなパッケージで過去作品をまとめた大塚咲名義の新作が出た。
復帰したように思われて嫌な思いをしたし、sns上でも混乱を招いた。

先日、大塚咲名義のアダルトグッズの新商品が出されていた。

どちらも、私に連絡もなく作られたものだ。

私自身のことなのに、私は何も知らない。

私は私の権利を守ることが出来ない。

こんなに悲しいのに、大塚咲は私のものではないのだ。

だから、停止申請をだそうと思う。

そして、私は大塚咲を止めようと思う。

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大塚咲という名前で生きてきた。

この名前には2つの役割があった。

1つはAV女優として有名になること。もう1つはアーティストとして活躍すること。


私の人生は前半と後半に別れている。

それは15歳のあの日を境に私の人生が別のものになってしまったことを意味する。

大塚咲という名前は、その後半に自分で付けた名前だ。


大塚咲という名前の私は「後悔はしているか?」という質問を頻繁にされる。

その言葉の真意がいつも私に突き刺さる。

後悔はしていない。しかし、私にあの日が起きなければ?


この大塚咲という名前は男性によって消費されてきた。

消費されることを理解した上で、自分の存在をしらしめるという方法で社会に怒りをぶつけた。

大塚咲は私にとって怒りの具現化である。


この名前には私の女性としての怒りがつまっている。

15歳のあの日の怒り、幼少期から感じている'女だから'と我慢を強いられる絶望。

私の怒りとは、悲しみである。




大塚咲は私にとって、モンスターだ。

彼女は私を突き動かしてきた。

怒りや悲しみという負の感情は復讐心となりモンスターになった。


大塚咲はAV業界にとって、ただの商品だ。

彼らは好き勝手に彼女を使い回し、彼女の権利を無視する。

彼女は生きていることを無視された商品だ。


私は大塚咲の人生を取り返したかった。

彼女をテーマに作品を作ることで、私は彼女を自分のものに出来ると考えた。

だから私は彼女の人生をなぞった。


私はニ次使用で汚されていく彼女を見続けたくなかった。

これ以上、インターネットやsns上の言葉の暴力で彼女を汚されたくなかった。


大塚咲を愛してるのは私だ。

大塚咲は私にとって人生だ。そして、私にとって大切な作品だ。

だから、もう誰にも触らせないように、私は彼女を封印しようと思う。


大塚咲は私にとってモンスターだった。


モンスターの復讐は私の過去を本にまとめた時、本当の終わりを迎えた。


強い復讐心に支配されていた時間は長く、約20年間にもなる。


大塚咲を取り返そうとする行動も復讐心からなのかもしれない。


私は大塚咲を取り返し終わったと感じている。
彼女を題材にした作品を作りきってしまったからだ。


私に大塚咲は必要なのだろうか。


私はこれ以上、モンスターと生きなくてもいいのではないか。


大塚咲ではない本来の私が好きな色はなんだろう?私はどんなものに興味を持つのだろう?
どんな絵を描いて、どんな写真を撮るんだろう?


私の興味は常に私に向いている。


大塚咲じゃない私は、どんな私なのか。


それを楽しみにしている。


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今回の写真展「さようなら大塚咲」はこれまでのセルフポートレート作品とインターネット上にある私の画像を使って制作した新作を展示します。
使った画像は、すぐに拾えるような、拡散されている私の姿。画像を検索すると現場でレイプされた日の画像もたくさん見つかった。がんばって笑ってる私、消えてしまいたかった私、痛みにたえている私。

見たくない私ばかりだった。

インターネット上にある私を使い、作品にする事で私は大塚咲にお別れが出来る。

大塚咲を止めるのは色々準備がいるし、少し先になる。決まってる仕事もあるし、やり遂げてからだ。 

私は消えないから心配しないで欲しい。

これからもどうぞ、よろしくお願いします。

「さようなら大塚咲」

6/26-7/9 
清アートスペース
http://www.kiyoshiart.com/

会場で、さようなら大塚咲の作品集を販売します。

セルフポートレートの作品集としては、これが最後になると思います。(どこかの出版社が出したいってゆってくれたら最後じゃなくなるけど‥ゆって欲しい(/_;))

今回は限定100部です。価格も少し高めになっちゃうけど、本当に欲しい方にだけ買ってもらえたらいいかなって。最後だしね。

というわけで、よろしくです!

レセプションも来てね😚

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大塚咲。絵を描いたり写真を撮ったり展示したりしてる作家。「ここにある日々」は毎週月曜更新の日記マガジン。よろしくお願いします! HP https://www.otsukasaki.com web shop https://www.otsukasaki.com/shop