ゲーム「FLOWERS」完走・感想


2015年下半期に第1作をプレイして以降、ゆっくーーりペースで続きをやっていたゲームのシリーズを、2020年上半期になってようやく完全にクリアした。

そのシリーズとは「FLOWERS」。
古風な女学校を舞台にしたミステリアドベンチャーゲームである。

元はPC用として出たもので、自分はVita移植版をプレイ。
「FLOWERS」「FLOWERS 夏篇」「秋篇」「冬篇」の全四部作。

四作をひとつにまとめた版も、PS4用に最近出ている。


以下、ネタバレほぼ無しの感想である。




このシリーズは、キリスト教のミッションスクールである女学校が舞台。
主人公・白羽蘇芳(しらはねすおう)と、そのアミティエ(寮で同室になる相方のこと)を中心にしたストーリー。

本来は二人組のはずのアミティエだが、蘇芳は三人組でアミティエを組むことになる。

学院生活を送る内に、やがてアミティエの一人とただならぬ関係となり、いわゆる百合な展開となる。
しかし学院に言い伝えられる「七不思議」が、彼女たちの百合百合な生活を引き裂く…というお話だ。




本作の魅力は、まずは何と言ってもその雰囲気である。

古風な女学校、上流階級の子女たち…そういった題材をこれでもかというくらいにバリバリに活かしており、セリフから地の文に至るまで、言葉の隅々まで表現が凝って作られている。

グラフィックも繊細で、キャラクターの立ち絵だけでもずっと見ていられる。



一方でゲーム性は高くなく、基本的にテキストを読み進めるだけなので、字を読むのが好きな人じゃないとキツいだろう。

ミステリ要素も、ミステリ好きを満足させるレベルとは言いがたい。
各章に推理パートがあるのだが、主人公がその豊かな知識を用いて解いてしまうので、プレイヤーが推理するのはほとんど不可能。

しかしその教養の豊かさも本作の魅力だ。
セリフの一つ一つから登場人物の豊富な知識や品性が出ており、やはり上流階級はちがうぜ!と思わせてくれる。

特に、メインキャラクターの一人である「車椅子の少女」(名前はあるがネタバレ防止で一応伏せる)の教養豊かさとユーモアは特筆もので、本作屈指の名人物といえる。
この人物と出会えたことだけでも、本作をプレイした価値はあったというもの。
(ちなみにCVは佐倉綾音さん)


また、実在の小説や映画のタイトルが引用されていることも特徴の一つ。
たとえば「嵐が丘」、「ハリー・ポッター」、「リトル・ミス・サンシャイン」などなど、名作のタイトルが随所に出てくる。
そこもまた、いい雰囲気をかもし出している。



ミステリ要素が弱いとは書いたが、いわゆる「日常の謎」ではない。
ライトなミステリによくある、解かなくてもいいようなささいな謎をあえて解こうとする…とかではなく、起こる事件の内容はなかなかに剣呑だ。
古めかしい学校に七不思議という要素が絡まって、なかなかにドキドキさせてくれる。


そして、シリーズ全体を通して追うことになる謎が主人公の行動の動機になっている。

つまり1作目をプレイしたら、全作クリアしないといけないということだ。
1作目だけで止めておこうとか、夏篇だけやってみようとか、そういう半端な姿勢でプレイすることを許してはくれない。


ゆえに軽々しく人におすすめしづらいシリーズではある。
が、全て見届けた時の充実感はかなりのものなので、時間がかかっても完走する価値はある。


(ちなみに4作それぞれが、1周目をクリアした後に2周目で別エンディング、さらにもう1周で完全なるエンディング…みたいになっていくシステム。この辺は攻略サイトを見ながらやれば特に大変ではない)




ところで百合要素についてだが、本作はCERO区分:Bなのであまり過激なシーンはない。

だが、百合好きな人がヨダレを垂らしそうなシーンはいくつかあり、それ目当てでプレイしても損はしないと思う。


個人的には車椅子の少女と、匂坂マユリ(こうさかまゆり)が好きだ。

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