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嫌煙小説:愚鈍な煙突

まえがき


「非喫煙者保護法」が施行されて一年が経ちました。
喫煙者の、公共の場での常時マスク着用、喫煙時に着用していた衣服での公共の場への立ち入り禁止、などを盛り込んだこの法律のおがげで、通勤通学の交通機関や職場、座席指定の映画館などでの喫煙臭の強制吸入による被害の減少は実感できるレベルになったのではないでしょうか。

ただ、マスクの着用はかなり定着しているものの、衣服の着替えに関しては違反者と疑われる者と遭遇することも少なくありません。
マスク着用に比べ、着替えの手間や、経済的負担など、タバコをやめられない心の弱さや、喫煙を理由に労働市場からも締め出されつつある(もちろんこれは自業自得ですが)喫煙者たち、倫理観、思考力が平均より大きく下回り、それに気づくことのない喫煙者たちにはこの法律を守ることは果てしなくハードルが高いのでしょう。
愚かで憐れむべき喫煙者たち。

しかし。
ニコチン摂取により愚鈍になった喫煙者の脳にはどんな言葉も届きはしないと諦めてはいけません。
いや。言葉が届かないからと許してはならないのです。
不快極まりない悪臭を放つ彼ら彼女ら。
幼い我が子の前ですら喫煙する馬鹿者ども。
妻が病で苦しんでいるのにタバコを吸い続ける愚か者たち(この国にはたくさんいるのです)。

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