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リンチ版が愛おしくなる不思議な映画『DUNE/デューン 砂の惑星』“Dune”を観たら

2021年版というか ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版を鑑賞。
フランク・ハーバートの原作を読んだのは、あれはいつのことだったでしょう?
思い出せません。
いつ読んだのかも思い出せないし、内容の細かいところも思い出せません。
むしろデヴィッド・リンチ監督版の記憶が強烈に残っていて(割と最近観てるし)、リンチ版だとここはこうだったあそこはああだったみたいにいちいち思い出しながらの鑑賞となってしまいました。

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リンチ版と比べるとなんだかじっくり進む感じで、そんなにじっくりやってていいのか?とか変な心配もしてしまいました(そもそも原作のどの辺りまでやるつもりなのか知らずに観ていましたが)。
でもリンチ版も今観ると(リンチ版観ながらこれ書いてる)前半はじっくりしてますね。後半が駆け足だったからその印象が強いのかもしれません。リンチは大宇宙戦争なんか興味なかったのかもしれません。惑星を大艦隊が取り囲むシーンなんか、カラーコピーを貼り付けた静止画みたいでした。
その点この新作は戦争シーンも普通程度のクオリティではありました。
普通かよ。
そう。普通なんですよね。全てのシーンで想像を越えない。
「ウォッ!」ってなる場面がありませんでした。全編無難に及第点。なんだか中途半端な終わり方だし。
続編ありきの構成だとは思いますが、『ロード・オブ・ザ・リング』は三部作映画だったけど一作目の最後で感動して絶対次も観なくちゃって思ったもんなぁ。この旅を見届けなきゃ、って。
こっちは続きを観たくなるような終わり方じゃなかったなぁ。「ふ〜ん。じゃ、頑張ってねポール」みたいな。

というわけで、リンチ版が愛おしくなる不思議な映画でした。
ハルコンネン男爵とかリンチ版くらい気持ち悪い変態だったらポールを応援したくなったかもしれません。
フランク・ハーバートの『デューン』はその昔「映像化不可能」と言われていましたが、リンチ版の他にテレビシリーズにもなっていますね。私は未見ですが。
デューン 砂の惑星 I&II The Complete Blu-ray BOX 

で、かつての「映像化不可能神話」を証明したのがこれ↓

ホドロフスキーのDUNE 

アマプラでも観られます →ホドロフスキーのDUNE 

これは観ましたが、面白いです。ホドロフスキーが豪快なおっさんで好きになっちゃいますよ。身近にいたら迷惑かもしれないけど。
この企画のデザインが『エイリアン』に流用されたという話もありますね。

そうそう、愛しい愛しいリンチ版はこちら。

amazonプライムビデオ →デューン (字幕版)

未見の方はぜひご覧ください。いいですよ全編悪趣味で。スティングも出てるし。ガーニー・ハレック役のパトリック・スチュワートは後にナイトの称号を受けたので、すごいレベルで適役だったのではと今気づきました。

「デューンシリーズ」の小説は延々続編があって、邦訳もいくつか出ていたのですが、今新刊で読めるのは最初の『デューン 砂の惑星』だけみたいですね。
日本じゃいまいちウケないのかな?

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