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海士町の未来を考えて【わたし、島で働く。】

「島体験」は、島の暮らしを考える3ヶ月インターンシップ制度です。
現在、「島体験では具体的にどのような仕事があるの?」というお問い合わせをたくさんいただいております。そこで、大人の島留学・島体験編集部が実際に仕事現場に行き、仕事の様子や仕事への思いをインタビューしてきました。多種多様な島体験生の仕事をご紹介する企画『わたし、島で働く。』をお届けします。

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こんにちは!大人の島留学・島体験編集部です。

今回は、後鳥羽院顕彰事業事務局に所属し、ワークショップの企画や事務局の業務補助などを行う荻原樹くんにお話しを伺いました。
荻原くんは美術の大学に通い日本画を描いており、文化や歴史、教育に関心があります。現在は大学を休学し、後鳥羽院顕彰事業事務局の一員としてインターンを行っています。

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お話を聞いた人:荻原樹(おぎはら  たつき)くん
23歳(取材当時)。大阪出身。美術の大学に通い、日本画を勉強している。1年間休学し、2021年4月より島体験スタート。

荻原くんの仕事内容

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ー今日はお時間取っていただいてありがとうございます。
早速ですが、今の仕事内容について教えてください。

荻原:僕は後鳥羽院顕彰事業事務局というところでお世話になっています。僕は美術の大学に通っているので、主に事務局内に出たアイディアをイメージにして作ったり、ワークショップの企画などを担当しています。

*後鳥羽院顕彰事業:海士町では、島の歴史と文化のシンボルである後鳥羽院に関わる伝承を継承する活動を続けるため、後鳥羽院顕彰事業実行委員会を設立して活動しています。
(引用:後鳥羽院 遷幸八百年)

ーイメージっていうのは、出たアイディアを画像というか視覚的にポスター作るなどですか?

荻原:やっぱり言葉だけで企画などを説明されてもあんまりイメージが湧かないので、そこのイメージを明確にして事務局内でも共有できるようにしています。あと、実行委員会だけでなく教育委員会や商工会など、たくさんの人たち800年祭の企画を進めているので、検討会などの場でもイメージをちゃんと相手に持ってもらうために提示する資料として作っています。

ーワークショップはどういうことをやっているんですか。

荻原:直近で動いているプロジェクトとしては神輿渡御の道中に飾るものとして、海士の子どもたちに灯籠を作ってもらおうというワークショップを企画している所です。

ーそれをすることはどうやって決まったんですか。

荻原:基本的に企画は、例えば「こんなんできない?」と上司の方に言われたアイデアを、僕が「こういう形だったらできます」って現物を作って見せながら決まっていきます。そのため、僕がやりたいと言って、竹灯籠づくりのワークショップがやれるようになったというわけではないです。まだ僕から企画を提案するような関係にはいたれていないですけど、事務局の方が結構僕のやりたいことをやらせようとして頂いているので、まずは3ヶ月インターンで仕事をした後、追々自分で企画を考えても良いという風に話しています。

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インタビュー① きっかけ

緑の線

ーその仕事をするきっかけはなんですか。

荻原:もともと海士町というか隠岐の島自体に興味がありました。隠岐の島は特殊な土地柄で、色んな土地から流されてきた流人の島なので、日本全国から様々な文化が入ってきているんです。そういったものが混ざり合いここだけの文化が育まれてきました。食べ物とか行事とかもそうだし、あとは神社、神様もここでしか祀られていない神様がいて、それがちゃんと今までずっと残っている、そういうところが気になっていました。2年前、隠岐の島に初めて来て島の文化や歴史に触れ、たまたまそのときの制作のテーマと合致したのがきっかけでこの島に興味を持つようになり、またいつか来たいなと思うようになりました。
海士町にすでにいた大学の同級生に今島留学、島体験の応募があると教えてもらい海士町にやってきました。
 仕事は、日本画を勉強している中で、その文化の継承だったり日本画を守ることに関心があって、仕事を決める事前ヒアリングの中で文化や歴史、教育とかに関われないかと相談して、顕彰事業の仕事を紹介してもらいました。文化の保護や継承、発展を担う仕事なので、その現場で仕事できるのはいい経験になると思い、この職場を選びました。

インタビュー② 意味ないことなんてない

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ー島体験を始めてみてから、やる前と今の変化、そしてその変化の中で学んだことや気づいたことはありますか。

荻原:なんだろうな(笑)うーん、なんか、研修とかで話される内容とかって別に言われてはっと気づいたことじゃなくて、ずっと自分の中にあったこととかがたくさんあったから、ここにきて自分の中でなにかが変わったとかが特になくて、、、うーん、なんだろう。

ー具体的な話はありますか。

荻原:よく研修で出てくる「無駄なものはない」とか「意味ないことに意味がある」なんて話って僕もずっと言っていたことで、意味がないものっていうのは本当になくって、例えば意味がないっていうこと自体も意味なんですよ。意味がないっていう意味。だから、ほんまに意味がないことはないって考えていてます。自分も最初から日本画をやっていた訳じゃなくて、立体物や直接的にはつながらないけど書道をしたり。でも字を書くっていうのも絵を描くっていう行為自体に繋がっていたし日本画とは正反対の油絵もやっていたんだけど、それがあったから今の知識とかに結びついている。結局意味があるとかないっていうのって結果論でしかないから、最初から自分には必要ないというのは違うなって思っています。

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ー絵を描く時の学びが今につながっているんですね。
では、今の仕事に対する想いやモチベーションなどはありますか?

荻原:僕は応募した最初のときから、1年間残るという前提で話していたんですけど、3ヶ月でできることを結構インターンの人たちは考えると思っていて、でもそれはなんかちょっと違うなと思っています。僕は1年も短いし、1年でできることとか3ヶ月でできることとかってすごい狭い考えやなって思っています。800年記念事業でやる竹灯籠のワークショップは島前高生を巻き込んでできないかと企画している段階なんですが、今回やって終わりではなく、今後高校生が主体となった竹細工のワークショップが開催されるようになったらいいと思っているし、そういう場ができることでいろんなつながりが生まれたらいいなと思って企画を進めています。また、竹林拡大の問題が結構全国で問題になっているので、竹の活用法だったり竹林の問題解決の糸口につながるんじゃないかなと考えたりしてます。自分がいなくなった後も続くことや未来につながるようなことを考えて仕事しないといけないなとすごい思います。

ー継続的にできるものを自分で頑張っていきたいなと思っているんですね。

荻原:なにか爪痕を残そうというのとはまた違うことで、海士町にとって自分がいなくなった後も何が大切なのかっていうのがすごい大事なのかなって。そういう活動の中で自分のやりたいことを見つけていってやったらいいのかなというのを思います。

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インタビュー③ 理想とする自分の姿が近くに

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ー仕事をする上で苦労したことなどはありますか。

荻原:どういう職場でも言えることだと思うけど、やっぱり職場の中での関係性とかはすごい大事やなと思っていて、関係がものすごい良かったら雑談とかしている中で話が進んだり、あと相手の話を聞き出しやすかったりするのかなと思います。あと気心知れてないとこっちもすごい気を遣って話しちゃうから、本当に聞きたいところが聞けなかったりして、そこが大変だなと思いました。あと僕は島留学1人でやっていて、半官半Xから若い役場職員の方が来てくれたのがあって今すごい助かっているんですけど、同年代の仕事仲間がいないと大変だなと思いました。

ー具体的にはどういう大変さがありましたか。

荻原:単純に自分が持っている仕事を捌ききれなくなる。上司の方に対してこの仕事やってくださいていうのが難しいです。どこまで自分でやって、相手に投げるかていう所を考えています。
 でも上司の方も気を使ってくれて、仕事多くない?と聞いてくれたり、負担にならないように色々と気を遣っていただける職場なので、仕事多すぎてもうダメということではなかったけど、自分だけではできない仕事が1か月過ぎてから、徐々に容量が増えてきて思い始めているところです。

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ー色々と気を遣ってくれる職場なんですね。荻原くんからみて職場の上司の方はどう映っていますか。

荻原:やっぱり偉いのに偉そうじゃないしすごい人望もあるし、だけどあんまり自分は前に出たがらなくて、後継者とかそういう未来のこともちゃんと考えられてる。すごい視野の広い人だなっていう風に見て思っていて、自分もそうなれたらいいのになみたいな。

ー自分の理想とする部分と重なるところがあるんですね。どういう自分になりたいとかありますか。

荻原:結構我が強いので、柔軟になりたいなって。自分が1番正しいって思っている人間なんで(笑)まぁ、そこは必要なところではあるけど、人の話を聞くときにすごい邪魔になるんで。

ー自分邪魔だなって思うんですか(笑)人の意見も受け入れられる柔軟さみたいなことですか。

荻原:やっぱり人のこうだ!みたいな話とかを吸収できるればできる程、世界はひろがってくるし、自分の中でもやれることや考えられることとか増えていくんで。

インタビュー④ 住民という意識

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ーでは最後に「島で」働くことに対してどういう心持ちでいますか。

荻原:島体験生だからできることとかっていうのをすごい重要視されたり期待されている部分があると思うけど、働く身としては海士町の住民の1人だっていう当事者意識が大事だと思っています。やっぱりさっき言ったように海士町にとって何が大切なのかを考えることが必要だと思います。

終わりに

緑の線

今回は、後鳥羽院顕彰事業事務局の一員として働く荻原樹くんにお話しを伺いました。自分が海士町の住民として何ができるのかを考える荻原くんの姿勢から、仕事に対する向き合い方や島前での暮らしをもう一度考え直すことができました。
荻原くん、貴重なお時間と素敵なお話をありがとうございました。

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