見出し画像

岩がきに生真面目に真っ直ぐに【わたし、島で働く。】

「大人の島留学」は、島での仕事を中心としたお試し体験移住制度です。
現在、「大人の島留学では具体的にどのような仕事があるの?」というお問い合わせをたくさんいただいております。そこで、大人の島留学編集部が実際に仕事現場に行き、仕事の様子や仕事への思いをインタビューしてきました。多種多様な大人の島留学生の仕事をご紹介する企画『わたし、島で働く。』をお届けします。

▼△▼△▼

こんにちは。大人の島留学編集部です。
今回は、岩がき春香の生産現場で働く堀田英一さんにお話を伺いました。
堀田さんは、「地方の暮らし」に強い関心を持って、2020年12月から大人の島留学に参画しています。そんな堀田さんが、どのような思いで海士町に来て、働いているのかたっぷりお伺いしてきました!

画像6

お話を聞いた人:堀田英一(ほった えいいち)さん
大学4年生、現在休学中(取材当時)。東京都出身。高校卒業後、東京の大学に進学。大学在学時に、東京一極集中に違和感を感じ、リアルな地方を知りたいという思いから、2020年12月、大人の島留学生として隠岐郡海士町でのお試し移住をスタートさせる。

1.堀田さんのお仕事

note区切り

ー堀田さん、今日はよろしくお願いします!では、早速ですが、堀田さんのお仕事内容について教えてください。
堀田:岩がき春香の養殖現場で働いています。岩がきの全体の流れとしては、稚貝・養殖・営業と大きく分けて3つに分かれるのですが、自分は養殖をやっています。赤ちゃんの貝を大人にして出荷する工程ですね。養殖の現場は、保々見地区にあります。

画像7

ーまずは最初は仕事を覚えるというところでしょうか?
堀田:まずは、覚えてできるというところが大事です。今やっていることを毎年続けることが大事になってきます。1個の牡蠣は3年間育てて出荷なので、常に3年先を考えてやっています。例えば、12月はプレートについている牡蠣を剥がす作業をしたのですが、それを出荷するのは3年後です。今やっている作業は、3年前から育ててきて海に沈めていたのを引き揚げて、そこから状態の良いものと悪いものを見分ける作業をしています。牡蠣を洗う中で、状態の悪いものを除くのですが、どうやって見極めるのかとかそういうこともやっていく中でわかっていくものですね。

ー今やっている作業でも数年後先(または数年前)を考えて、作業を進めていくんですね。
堀田:そうですね。さらに、作業の順番も考えながら進めていかないといけません。建物の中にいくつかプールがあるんですけど、誰が順番で使うのかとかを考えながら作業を行わないとトラブルも起きてしまいますし、1日かけても終わらない作業があったりもします。なので、ただ指示を受けているだけだと作業のペースも上がらないので、どれくらいまでの工程を予定しているのか、次の作業はどんなものなのか、もしくは今やっている作業がどうしたら早くなるかを考えつつ、休憩時間に先輩にお聞きしたりして勉強しているところです。
最終的には根性が大事だと思います、全部力仕事だから体力出さないといけないです。他の人たちを見ていると、すごいパワーでササっとやっていて、でもそれは慣れている人だからできることであって、今はただ受け身でやっているだけではダメだなあと思っています。
作業にはパワーも必要ですが、どの作業にも細かい技術も必要です。例えば、作業中に力を入れすぎると貝が割れてしまいます。もし割ってしまったら、来年度も使える貝なのに使えなくなるし、貝は養殖のために連なっているから、1つでも貝を割ったら全部外さないといけなかったりします。何度もやっていく中で、「案外早くやったほうが」とか「この角度ならうまくいく」とか、「どっちから力を入れたらいいのか」とか、細かいけれど気を配らないといけないことが多いですね。

2.インタビュー① なぜ? 東京→海士町

note区切り

ー堀田さんは、そもそもなぜ大人の島留学に参画しようと思ったのですか?
堀田:元々のきっかけは、大学時代の課外活動で知り合った友達のわかなさんからのお誘いでした。それが良いタイミングだったというのが大きいです。自分は、ずっと海士町に行きたい、住みたいという思いがありました。というのも、地方の人々の暮らしに大きな関心があったからです。人の暮らしを知るには、まず自分が暮らすための家と収入が必要だと思ったのですが、今まで海士町にあった滞在手段の中に若者かつ学生である自分にあったものがありませんでした。高校にはもう入学できないし、仕事となってしまうと大学を休学した人を雇うのは難しいのかなと考えていたので、この大人の島留学という制度が自分にフィットしました。

ー地方の暮らしが知りたい、東京じゃないところで暮らしたいと思ったのはなぜですか?
堀田:東京で就職しちゃうと、自分が何かを売ることになり、誰かが消費者になると思うんですけど、その消費者って日本だけでいうと東京だけじゃなくて、地方にもいると思います。だから、その人たちの暮らしを知らずして自分たちで生産したものを売るのってつながりがないなと思いました。ただ買ってくれるならそれはそれで良いけど、買い手が見えないのに売るのは自分は価値を感じなかったからです。どういう生活をしていて、どういう思考をしていて、どういう環境で楽しみを見出しているのかっていうのが知りたかった部分もあります。

画像9

ーなるほど。地方の暮らしも知りたい思いで、お試し移住を始めたんですね。では、暮らしとセットの仕事の話、聞かせてください。まず、堀田さんが牡蠣の現場で働くことになったきっかけについて教えてください。
堀田:9月に海士町へ見学に来た時、大人の島留学の担当職員さんに「なんでもやってみたい」という話をしていました。特に漁師が気になると伝えたところ、牡蠣の現場があると聞き、岩がき春香特命担当課長のお話をお伺いしました。その時の課長のお話が決め手となります。
課長は、海士町出身でUターンで海士に戻ってきて役場に勤めています。課長から海士のためになることってなんだろうかと考えたとき、岩がきをやっていき外貨獲得を目指すことが必要だというお話をお伺いしました。
その話を聞いて、大人の島留学生として海士町で牡蠣に携われることに魅力を感じましたし、海士町のために熱心に働いておられる課長がとても魅力的で働かせてくださいとお願いしました。

3.インタビュー② 養殖現場で感じていること

note区切り

ーここからは堀田さんの仕事に対する思いについてお伺いします。実際、仕事を始めてみて、働く前と後でギャップはありますか?
堀田:想像以上に肉体労働だなと思いました。例えば、12月は牡蠣の入ったカゴを運ぶ台車を使えていましたが、1月は作業人員が増えて台車足らなくなって引っ張って運ばないといけないことも出てきたり…とにかく力が必要です。「養殖」とだけ聞くともっと簡単なのかなと思ったのですが。そのギャップはあります。でも、体力的なキツさが辛いのではないです、逆にやるぞ!って気持ちになります。

画像9

(プールから牡蠣の入ったカゴをあげる様子)

堀田:単純に自分は非力だなあと思うのですが、それがモチベーションにつながっています。自分の職場では、やるのが普通なんだろうなという考えがあるからやろう!って思っています。
あと、島留学生として入っていることもモチベの1つです。大人の島留学が始まって最初の方に言われていた、アルバイトじゃないから自分たちでやっていくのは当たり前ということですね。自分の現場は、ゼロから何かを生み出すのは難しいので、今やっていることを1から10、20に上げていくことが必要なんじゃないかと思っています。自分がいる意味は自分で作り出すこと、だからこそ、今あるものを現場の中で伸ばしていくために自分が努力することが必要だと思っていることがモチベーションにつながっていっています。

ー最後に、恒例の質問をさせてください。堀田さんにとって、「島の中で」働くことに対する思いや気持ちはどんなものがありますか?
堀田:閉鎖的な環境のさらに閉鎖的な環境で仕事をしているから楽しいです。それは、今まで東京にいたら作れなかったような関係の中で仕事ができるからだと思います。また、職場近くの商店で店主さんとお話をすると職場の人を認知していてその人の話題で話に華が咲いたのが、島らしいなあと思いました(笑)
また、島の中で、自分がやっていきたいのはもっと海士の岩がき生産にまつわる島内の関係人口を増やしていくことです。牡蠣だけの成長というよりかは、牡蠣含め島全体の成長、持続可能なやり方がどこかにあるんじゃないかなと思って、日々考えていたりします。

画像10

4.おわりに

note区切り

今回は、岩がき春香の養殖現場で働く堀田英一さんにお話を伺いました。目の前の作業に懸命に取り組む一方で、自分の仕事が海士町にひいては社会にどのような影響をもたらすのかまでに視座を高めて仕事に邁進する向上心溢れる堀田さんの様子がお伝えできれば幸いです。
堀田さん、貴重なお時間と素敵なお話ありがとうございました!

▼△▼△▼

**
大人の島留学は、各種SNSで大人の島留学の募集情報や日常の様子、大人の島留学生の日記などを発信しています!

大人の島留学Facebookページはこちらから

大人の島留学Twitterはこちらから

**
2021年に留学するなら隠岐島!
令和3年度大人の島留学へ飛び込む若者を募集しています!

2月11日(木)20時から、オンライン相談会を開催いたしますので、関心をお持ちの方は、ぜひお気軽に訪れてみてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?