20歳で離島に移住した彼女の夢。
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20歳で離島に移住した彼女の夢。

#離島にもっと若者の還流を


島前地域で暮らす若者にスポットライトをあて、離島で暮らすことのリアルに迫る若者特集。第2回目は海士町で暮らす西川葵さんにお話を伺いました。

西川さんは、20歳の時に兵庫県から海士町に移住され、今年(2021年)で5年目をむかえます。海士町に移住された理由、島の暮らし、今後についてをインタビューしました。


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島で暮らしていると、なんとなく自分の足元が見える


ー移住されてみて島の暮らしってどうですか?

海士町全体が一つのコミュニティのような、人との距離感が近くて、気がねなく挨拶をできる空間がとても心地いいです。

自由にコミュニケーションがとりやすく、海士町のみなさんと関わらせていただくほど、海士町のことを大好きになっていきますね。

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西川葵:1996年生まれ。兵庫県出身。海士には2016年5月に移住し、今年で5年目。動物が大好きで推しはダチョウ。


海士町にただ暮らすだけでなく、楽しみや海士町の知識をどんどん身に着けたくて、島の人に教えていただきました。畑をはじめたり、組み紐を教えていただいたり、地元に暮らしていたら学ばなかったことばかりだなと感じています。

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現在の畑の様子。

島で暮らしていると、なんとなく自分の足元が見えるなぁと感じることが多くなりました。野菜が少し成長した!など、余裕をもって周りを見れるようになったのかもしれません(笑)


ーなぜ海士町に移住を?

日本海の保全を含めた仕事をしていきたいという気持ちから、いろいろな場所を見ている時に海士町にあるNPO法人隠岐しぜんむらさんにたどり着きました。

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体験研修合宿施設:NPO法人隠岐しぜんむら

高校生のころから、地元の環境を守れるような活動をするのが夢で、高校を卒業してからは、生物専門学校に通い、野生生物ゼミで環境調査や野生生物保護を中心に学んでいました。

インターンにも10か所ほど行かせていただき、日本の端から端まで色々なところをみてきました。その中でどういった保全をどこでしていきたいのか考えたときに日本海だなと思ったんですよ。


ーなぜ日本海を?

ずっと海が好きで、この海をなくしたくないという気持ちがありました。特にどこの海を保全していきたいか考えてみると、

”地元に帰ったときに見える日本海が好きだな。”
”小さいころから見てきたこの海を守っていきたいな”

と思ったんです。

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兵庫県にある地元の海

実は最初、海よりも、生き物を保全したいと思っていました。動物保護センターに行かせていただいたり、環境省さんのお手伝いをさせていただいたりしましたが、自分のやりたいこととなにかが違う。

動物を保護したいし、次の世代に残していきたい。けれど、ほかに私がみんなに伝えたいものがあるんじゃないか。

様々なことを経験していった結果、自分たちの身の回りにどれだけ自然があふれているのか、その自然がどんなに素晴らしいのかを伝えたいんだなと思いました。

日本海にある隠岐しぜんむらさんの、自分たちだけでなくその次の世代にも引き継いで、持続して環境が保全されるような、世の中になればいいという考えや、

環境教育という視点にとても感動し、ここで学んで、いつか地元に知識や経験を持って帰りたいことから、隠岐しぜんむらさんで学びたいと思い、海士町に移住しました。

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海士町にいる動物。自然豊かすぎますね。


ーいつごろから動物や自然が好きだなと感じていましたか?

物心ついた頃には自然にすごく興味があって、泥遊びをしたり、落とし穴を作ったり、森の中で遊んだりと、自然の中で遊ぶのが当たり前でした。

専門学校のときに自然の中で遊ぶことって普通じゃないんだってことに気づいたんですよ。恵まれた環境にいたんだなと知りました。

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明屋海岸を上から見た様子。


また、専門学生の時に自分が気になる動物を徹底的に調べよう!という授業があり、動物園に行ったところ、ダチョウと目があったんです。めっちゃつぶらな瞳で。

ダチョウって走る時、首が長いから首を置いて走るんですよ。
慌てふためく姿とか一生懸命走ってる姿が可愛すぎて、ダチョウの生態ってどうなんだろうと気になって調べ始めました。

求愛方法など知れば知るほど好きになり、ダチョウが好き過ぎて、千葉県にあるダチョウの牧場にインターンもさせていただき、そこでさらにのめり込みました。笑


ー今どんな仕事をされていますか?

NPO法人隠岐しぜんむらさんで、島前地域を中心に隠岐ユネスコ世界ジオパークの視点からガイドをしたり、野生生物調査を行ったり、環境教育プログラム等の自然体験活動を行っています。

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人とのこの距離感が好き


ー島の好きなところを教えてください。

もともと田舎で育ったということもあって、島での人との距離の近さが好きです。島で暮らすみなさんの話はとてもためになるので、接する時間を大切にしています。島の方は親切な人が多く、その優しさに助けられています。

お隣の方も挨拶をかわすうちにおすそ分けや、畑へのアドバイスもくださるようになったり、近所に住む子どもたちと鬼ごっこや、虫を観察しに行ったりと、子どもたちも人見知りなく話してくれて、この距離の近さが好きだなとしみじみ思います。

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海士町の田んぼ。

田舎にいると、周りの目が気になるというイメージを持たれるかもしれませんが、私はむしろ気にせずにいられると思っています。自分がその日にしたいことができるというか。

今日はあまり元気がないから家で編み物をしようとか、今日は色々な人に会いに行こうなど、気楽に日常が過ごせているなと思っています。

海士町は第2のふるさとです。島が家と感じるくらいたくさんの想いがあふれた場所だなと感じています。


ー島で暮らすうえで大切にしていることはありますか?

挨拶は欠かさずするようにしています。また、人との縁を大切にして、関わってくださった方を忘れないように、感謝の気持ちをちゃんと伝えるように心掛けています。

今この瞬間、会って話している間でも自分を育ててくれていると思っていて、自分が今成長しているのは目の前にいる人のおかげだという風に思うようになりました。挨拶と感謝は本当に大切です!

島にいるからこそ、島ならではの生活をするようにも心掛けています。家の中にいてもだらだらするだけでなく、畑をするなど色々な挑戦をするようになりました。

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隠岐神社。夜桜もきれいです。


ー島で暮らしていて、大変だなと思うことはありますか?

んー…人それぞれだと思うのですが、湿度が高かったり、乾燥しやすかったりするので、体質的に気候があわないなと思うこともあります。

あと実家に帰省するためには、まず船に乗らなきゃいけないので実家までが遠いことも大変だなと思っています(笑)

他にはWi-Fiがないと電波が少し悪いとか・・・それくらいです!(笑)


ー島の好きな景色はありますか?

家督山(あとどさん)を登っていく道沿いから見える海が好きです。船が通っていくこともあってすごく落ち着くんです。

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木路ヶ崎灯台に行く途中に、水平線に浮かぶ漁火(いさりび)を見るのも好きです。21時ごろに行くのがおすすめです。
地元でも漁火を見れるので、地元に帰ったような懐かしい気持ちになるんです。

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ー最後になりますが、これからの目標教えてください。

いつか地元に戻って、漂着ごみや産業廃棄物に対する影響を子どもたちにイベントを通して伝えていければと思っています。

工場から捨てられるもの(イカをゆがいただけの汁など、化学成分が入っていないもの)が海に垂れ流しになっていることは私たちにとっては汚いようにみえるけど、海の魚たちはその環境に順応しているし、

私たちが日々使っている石鹸は私たちにとってはきれいだけど、魚にとっては有害。のように、私たちのきれいと、ほかの生き物のきれいは違うんだよという話も伝えていきたいです。

なかなか気づかないところだからこそ、できるだけ子供たちに、気づいてもらえるようなイベントを組んで、その場所にあった環境や、その地域ならではの環境というものに目を向けてほしいなと思っています。

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また、子どもたちも、どんどん地域に興味を持ってほしいです。地元にもUターン・Iターンをふやしていきたいので、海士町でも学びつつ、地元に持って帰れたらいいなと思います。

黒板とだけ向き合うのではなくて、現地に行って、見て、触って、体験して、感じるようなイベントを作っていきたいです。


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おわりに

西川さん、ありがとうございました。本当に生き物が大好きなんだなと、生き物愛を感じました!(笑)
自分は生き物に対して何ができるんだろうかとずっとずっと考え続け、活動し続けている姿に心打たれました。

私も、若者特集シリーズを通して、みなさんに島前地域で暮らす若者のみなさんのかっこいい姿をお届けしていければなと思います。

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「#離島にもっと若者の還流を」とは、離島にもっと地元の子が戻ってくること、若者たちが離島で暮らすこと、離島で働くこと、そのために離島のリアルを知ってもらうことを目的としています。島前に住む若者インタビュー、島前紹介、イベントレポなどを掲載しています。ぜひご覧ください!