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連載特集#0「わたし、島で働く。」 編集部より

 こんにちは、大人の島留学編集部のロドリゲスです。

 編集部は大人の島留学生の活動発信を、より多くの人に親しみをもってお届けできるよう、出版や編集、デザインに興味のある大人の島留学生有志が集まって運営しています。

 編集部として毎日「大人の島留学日記」を投稿していますので、ぜひ定期的にご覧ください。大人の島留学生の毎日のちょっとした気づきや喜びが散りばめられています。

 さて今回より、新たに大人の島留学が日々取り組む「仕事」のリアルについて、連載していこうと思います。


大人の島留学生と仕事


大人の島留学生は どんな仕事をしているの?2

 大人の島留学生は現在、役場や商工会、(株)海士(島の観光を支える会社)、岩ガキ「春香」の生産会社、島のパン屋「つなかけ」等、勤務しています。ただ、職場を聞いただけでは、その仕事をイメージしにくいのではないでしょうか。

 この連載では、大人の島留学生一人ひとりにインタビューをし、そこから大人の島留学生の仕事にまつわるアレコレをお伝えしようと思います!

1回目の前に0回目...!

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 1回目のインタビューを紹介する前に、つい最近島を離れた大人の島留学生の活動を紹介をして、それを連載0回目としたいと思います。

 今回紹介しますのは、花城わかなさんです。9月中旬より来島し、10月から海士町内にある福井小学校で2か月間勤務していました。大学4年生の彼女は、大学で児童福祉を学び、それを活かした島での活動が期待されていました。

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 そんな彼女の日記はこちら。大人の島留学生同士の交流から得られた気づきを毎日の子どもたちとの関わり方へとつないでいく姿が素敵です。実はもう一つ彼女の文章があります。都合により、「大人の島留学生日記」では紹介できませんでしたが、彼女が仕事で大切にしていたことを、彼女の言葉から読み解きます。

こんにちは。大人の島留学生の花城わかなです。

今は大学4年生。4年前に島前高校を卒業しました。
出身は神奈川県の横浜市です!

コロナで就活が全然思うようにできなくて、
今の自分に何かできることがあればと思って、
いつか島に帰りたい、島のために何かしたい、
そんな思いだけを抱えて9月に島留学生として、海士町に帰ってきました。

私は大学で、福祉の勉強をしていて、子どもに関わる福祉の勉強や活動をやってきたので、この島でも、子どもたちのためにできることをしたいと思って、今は小学校で働かせていただいております。

文章を長々と、万人にわかりやすく、面白く書くことはとても苦手なので、
シンプルに子どもたちと関わって日々思うことを書き残したいと思います。

この島の子どもたちは、いつでもどこでも私を「先生」と呼びます。(笑)

最初はそれがものすごく、「ちゃんとしなきゃ」というプレッシャーだったり、「先生として関わらなきゃ」と思っていたのですが、
最近はそんな思いもだいぶなくなって、
私は私で、「わかな先生」として、
目の前の子ども一人一人を大切に、丁寧に関わっていくことを、とにかく毎日頑張っています。

何がきっかけでそういう変化が起きたのかはわからないけど、
やっぱりずっと自分の中に、「先生ってなに?」という問いがずっとありました。

私は、島の小学校にいる「わかな先生」でいるときも、
東京での活動やボランティアで活動してる「わかにゃん」でいる時も、
子どもたちと関わる時に心に留めていることは全然変わらないなって、しばらく働かせてもらって思うのです。

私がいつも心に留めておくことは、
「一人の人間として、心をしっかり傾けて子どもたちと向き合うこと」

人として大切なことは、きちんと清らかに伝えていきたいと思っているし、
月並みな言葉かもしれないけど、思いやりを持って関わっていきたい。

それは、世界中のどんな子どもたちと一緒にいても、いつでも変わらない思いなのだと、島での日々が感じさせてくれます。

まだ、島の子どもたちと出会ってたったの2ヶ月。

それでも、こんな私に、「わーかーなーせーんーせーい」
と駆け寄ってきてくれる子どもたち。

可愛くて、まっすぐで、あったかくて、優しいみんな。

そんなみんなに受け入れられて、わかな先生は今日も元気に、
島で生きれています。私は、3ヶ月で地元に戻ることになっているので、
そんな大事なみんなと過ごせるのも、あと3週間となりました。

みんなと過ごせる一日一日が、私にとって本当に大切です。
わかな先生でいさせてくれて、本当にありがとう。
残りの日々も、ここまでのありがとうの気持ちを、精一杯込めて、
みんなと歩んでいきたいです。

「さようなら〜!」

「また明日ね。」

古谷邸 こども1

子どもたちに第3の「居場所」をつくる

 彼女がこの3か月間で何を大切にして、何を想い仕事をしていたのか、最後は想像でしか私たちは語れません。ただ、彼女が築き上げた子どもたちとの関わりは、しっかりと形として残り、私たちも実感できることとして、この島に存在します。

 彼女は、自身の住むシェアハウスを休日に開放し、子どもたちが集まれる場をつくりました。家、友達、学校と限られた関係性の中で暮らす小学生にとって、一緒に遊んでくれるお姉さんの存在は大きいようで、場にいる子どもたちはいつも豊かな表情を見せてくれました。また、保護者の方々にとっても、休日に子どもの面倒を見てくれる地域のお姉さんの存在は大きく、多方面でこの活動の評価の高さを伺うことができました。

 彼女は在学中、都内で「子ども食堂」を運営するボランティア活動をしていました。子どもたちに安心安全の場を提供する必要性は全世界どこも同じです。彼女はそのノウハウを海士町のこどもたちに還元してくれました。

古谷邸 こども2

私たちに教えてくれたこと

 彼女がこのように子どもの居場所づくりに邁進でき、地域からその評価が高かったのは、彼女の勤務先やその仕事に起因するのではないでしょうか。彼女ひとりの意志ではここまで成就することはなかったでしょう。彼女が小学校で働けたこと、子どもと接する機会が豊富でそのやり取りを大事にできたこと、先生やその他関係者の協力を得られたこと、それらが重なり結果として現れました。

 仕事に取り組む彼女の姿は、間違いなく本気でした。そう確信したのは、離島する際のお見送りでした。多くの小学生が港に集まり、その別れを惜しんでいました。子どもたちと向き合い、真正な関係を築くために仕事に取り組んでいたからこそ、彼女の「居場所づくり」は成就したのだと思います。

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編集後記

 本来なら直接インタビューをしたかった今回ですが、時間を見つけられなかったため、彼女の活動レポートを編集部目線でお試しで記事にしました。
 執筆しながら私が感じたことがあります。大人の島留学では、関わる多くの大人が、島留学生のwill(やりたいこと)を聞いてくれます。しかしながら、職場で仕事内容とwillとがリンクしないことが大いにしてあり得ます。実際に今いる大人の島留学生もそこで悩むことが多いです。
 大前提として、大人の島留学は自身のwillを達成するためだけのプログラムではありません。島に住み、島で働き、島で暮らす。当たり前すぎて意識してこなかった、関係性の中に自分があるという前提で成り立っています。これは仕事にも言えることでしょう。自身のwillがどう達成されるかは、その職場での関係性づくりから始まるはずです。

 大人の島留学では、その関係性の構築を、島というフィールドを丸ごと使い体感できます。そして、今いる大人の島留学生はすでにその経験をしているのです。次回からの連載、お仕事インタビューを通し、彼らがこの島でどのような関係性づくりをしているのか、ぜひ想像しながらご覧ください。

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