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やりたいことはあってもいいけど、なくてもいい

#離島にもっと若者の還流を


島暮らしや隠岐島前に興味がある方にひとこと!

と問うと

取り敢えず来てみるといい!

目標ややりたいことはあってもいいけど、なくてもいい。
あるからこその悩みも生まれるけど、
なくても海士の暮らしを肌で実感できるし余裕が生まれる。

焦るときもあるけど、
ちょっときてみようかなで来ていい場所だなって思います。

と、揃って答えてくれた2人。

もう少し居て、自分の目で見て感じたい」と奥野さん
帰れる場所が増えたことが嬉しい」と木村さん


2022年4月に来島し地産地商課で働き、
3カ月の暮らしから2人が感じたものをお届けします。

奥野杏希さん 長野県出身


木村明日香さん 富山県出身



ー1人で新しくスタートさせる勇気も自信もない。けどやってみたい。


自分の気持ちに妥協しないこと

奥野
決め手は特になく、「あ、いってみよう」くらいの軽い気持ちで来ました。
決めたのもぎりぎりで。

休日、西ノ島へ


奥野
大学生のころから、自分の専攻分野に流れのまま就職することに対して

自分の本当にやりたいことってなんだろう、妥協したくない。」

という思いがありました。

そんな思いから大学入学時にはじめた ”写真” の世界に試しで携わってみようと思い、写真に関われる仕事を始めました。

実際に働く中で ”写真” は自分にとって ”やりたいこと” だけど、
やりたいことの1つなのかなという感覚でした。

島体験・島留学生の仲間(撮影:奥野)


奥野
私にとっての写真の魅力は
残さなかったらただの時間の経過になってしまうはずの
何気ない一瞬を残せることだと思います。
残るから昔を思い出したり、懐かしんだりできる。

前の仕事は、ライフイベントに関わる特別な瞬間を切り取る感覚でしたが、もっと日常に寄り添った写真を撮りたいなと。

だから色んな日常や地域の暮らしをみたい。
もっと違う世界を見たいなと思っていました。


でも、自分1人で1から新しい仕事をさがして、住む場所を見つけて、1人暮らしをスタートするのは怖い、けどやってみたいという気持ち。

そんなときに、偶然の重なりというか「未来をつくる島ホテル」の放送を家族が教えてくれて、初めて海士町を知りました。

奥野
そこから海士に興味をもって、気が付いたら検索魔になっていて(笑)
色々調べていくうちに大人の島体験・島留学にたどり着きましたね。

あとは、漠然と「いつか島で暮らしてみたいな」って昔から思っていたこともあり、行けるなら行きたいと思い今回飛び込んでみました。

島体験・島留学生の仲間 (撮影:奥野)


自分のやってみたいを実現させられる場所

奥野
写真に関わっていたこと・実家が兼業農家で小さい頃から農業が身近にあったことから、島では一次産業とカメラを活かした広報に携わりたいと思っていました。

はじめは、3カ月だから一次産業とカメラの両立は難しいのではと言われて、地産地商課は選択肢になかったんです。
でも、どっちもできそうな場所を探した結果、地産地商課にたどり着きました。

今まで広報をやりたくて地産地商課に来た子はいなかったらしく、どこまで
やれるかはわからないけど、入ってみることにしました。




ー食は人をつなぐ、留学への糧を。


地域の食を支え、生産者から消費者をつなぐ場所で

木村:島に来た原点は、主に2つです。
1つは、食に興味があったから。海士に来る前、大学で海士ブータンプロジェクトに参加していました。オンライン上だったけど島前高校生と一緒に、海士の伝統的な食を使ったレシピ開発をしていました。それを、バイト先の離島キッチンで出してみたり、海士町の食をメインに活動していたのがきっかけです。

また、9月からカナダ留学を控えているのも理由の1つ。
留学先では食や環境について学ぶ予定ですが、現地ではカナダの学問の視点で学ぶと思います。

来たばかりの頃、ちょうど桜が満開で、隠岐神社へお花見に行きました。


木村:自分は日本の地域にも興味がある。けれど、地元は富山、大学は東京なので、国内はちょっとの地域しか知らなくて。
実際に海士に来て日本の新たな地域を知って、それを前提にカナダに行く時
の学びは違うだろうなと思いました。

あと、これまでに何度か海士町に行く予定はあったんですが、いろんな理由で断念していて、だからこそ絶対行ってやるという気持ちもありましたね(笑)

私が「食」にこだわる理由

木村:大学の学びの中で「食とまちづくり」っていうワードに惹かれたのが理由の1つです。

私は、もともと国際機関や発展途上国に関心があったので大学でも政治学を専攻していたのですが
留学も視野に入れて学生生活を過ごす中で、コロナが流行り始め、、、

海外が全く見えなったのを機に国内へ目を向けるようになりました。

これをきっかけに大学で様々な授業をとる中で
まちづくりに興味を持って、そこにいろんな切り口があるのを知って。

私はその中でも「食とまちづくり」っていうワードに惹かれました。

木村
あと、自分は小さいころから食べることが好きで、美味しいお店を探して巡っていました。
食は生きるためだけじゃなく、人をつないだり、美味しいっていう感情、人生を豊かにしてくれるものだと思っています。

だから自分は、食という軸を通じて地産地商課を選びました。
地域の食の根幹を支えている、生産者から消費者までをつなぐ場所。
そこに自分も入ってみたいと思いました。

[仕事編]

ー生産者と消費者をつなぐ


奥野:しゃん山に卸してくれている生産者さんの紹介をしてみたいと思うようになりました。消費者が生産者さんを知る機会は少ないなと。

生産者の方へのインタビュー中

奥野:ただ、島の人じゃない私が生産者さんの方に、すぐ心を開いてもらうのはなかなか難しくて。
一回、集荷について行ったときになんとなく話をして、お話の機会を後日いただけることになりました。

ここまでに、段階を踏んで臨んだけど島の人同士の会話を聞きながら、コミュニケーションの取り方など、私に真似できないものを島の人はたくさん持っていて、自分はまだまだだなと思います。


実際に作成したPOP


奥野:一方で、しゃん山で働く中で嬉しかったこともありました。

あるとき、他の体験生がしゃん山へ買い物に行ったそうなのですが、
その際に「うちの子たちはいないの?」としゃん山のスタッフの方が
私たちを気にかけてくれていたらしくて、嬉しくなりましたね。

居場所をくれた、受け入れてくれてるんだなって思えた瞬間でした。


だから、この職場の方たちとこの地域のために何かできたらな、役に立つ何かをしたいと、より一層思うようになりました。


与えられるのではなく、何か自分で考えて行動すること

奥野:4月のスタート時、3カ月の目標として「自分で考えてうごく」
そこを乗り越えたい、向き合いたいと思っていました。

仕事で大根堀りへ

奥野:仕事中は常に、「自分でやりたいこと、やることを見つけてやるぞ」という気持ちで臨んでいました。

目標の達成度でいうと60%くらい。考えてやってみたけど、まだかなと。
自分の考えたことを周りの人に共有すること、相談したり、色んな人の考えが入ったほうがより良くなると思います。
そこが3カ月では足りなかった部分でした。


ー地域の想いと自分の想い、原点回帰を繰り返す

木村:4月に来島した当初から、
「お昼ごはんに困っている」
という声を、ちらほらと耳にしていました。

色々な方へのヒヤリングとしゃん山店舗での業務を通じて、
「食」に深く携わる地産地商課の「私」にできることはないのか、何とかしたいと強く思いました。

そこで、私は「明日《あした》おむすび🍙プロジェクト」に動き出しました。

▶︎木村さんの「明日《あした》おむすび🍙プロジェクト」への想い
とっっっっっっても素敵なnoteなので、ここまで読んでくれたあなたは必ず読んでください!!!!必ずですよ!(執筆者田中より)


木村:大変だったことは、共に創るということ。
自分が新しい取り組みをすることで、元々あった関係性、商売に影響を与えてしまうかもしれないこと。
抽象的かもしれないけど、島という環境で、人とのつながりを配慮するなど、人との関係性を考えながら進めないといけないところに難しさを感じました。

きくらげちゃかぽん店主の美香さんとの打ち合わせの様子

木村:
あるとき、きくらげちゃかぽんの店長に

あすかちゃんはどうしたいの?」

って聞かれたときに、ハッとして。

そのとき、やっと気づきましたね。
おにぎりの販売に向けて、目の前のことに必死すぎて自分の軸を見失っていました。
なんでおにぎりプロジェクトをやってるのか原点に帰ってこれた言葉でした。


仕事は、ずっと楽しかったです。
最初、前向きになれない時期もあったけど、顔見知りが増えたり、しゃん山の方と話すのが楽しくて。
しゃん山にいるだけで、食の流れ、どうやって自分の手元に届くのか。
働かなかったらわからなかった海士の食について知ることができました。


ひとと共に創る力

木村:誰かと、皆でつくる、チームワークに苦手意識がありました。
どちらかというと自分を高める、矢印が自分に向いている状態でした。
だから、海士では皆でやることを意識していました。

GWにしいたけの作業を手伝いに行きました。原木をバケツリレーで運びます。
人と何かすることに苦手意識あったけど、
そこで生まれる会話や終わった後の雰囲気、達成感を感じました。
誰かと一緒に創る過程の大切さを実感した時間でした。


木村:ここまでできるとは、想像以上でした。
海士ならではだからこそできたのかもしれないけど、地元ではできなかったような気がします。

島は、人との関係性でなりたっている部分があるから、自分の力が付いたのかは分からないけど、人と何かを創ることってこういうことなんだなって学びはすごくありました。

おにぎりの販売
沢山の方から反響も!

木村:誰かと一緒につくるたのしさ、ただ食べる行為でも一緒に創る過程の大切さを実感して、好きなんだなっていう気づきもあって。


これまで結果を大事にしていたけど、海士に来てからは、過程で繋がる人がいたり、過程を大事にするようになりました




[暮らし編]


島に来てるより、海士に来てる感


奥野:思っていた以上に楽しかったです。
来島前は海士に来たこともないし、シェアハウスも住んだことないしで、不安が大きかったですが、暮らし始めて楽しいなってなる瞬間が多かったように思います。

日常が新鮮で、
こんな近くに海があって山もある。

島に住んでみたいって思いで来てみたけど、
島に住んでる!みたいな感覚はあまりないかもしれないです。
環境が変わっただけな感じで、島に来てるより、海士に来てる感。

奥野:島にいるって思うのは冬になって船が止まったりしたら感じるかも(笑)
あとは、内航船乗った時とかは新鮮だし、島らしさ感じるのかな、
船で移動するのが不思議というか新鮮です。


都市部に住んだことがなくて、自然があるのが普通なところで暮らしていたから地元との違いはそんなにないかな。

でも人との距離や、まちの一体感はすごく地元にはないものだなと思います。


経験が次の機会に繋がる感覚

木村:シェアハウスは同年代が多いから大学の課題やったり、話したいって思える人が身近にいることがよかったです。
あと、今まで1人暮らししてたから、誰かと一緒にご飯を食べる幸せを感じました(笑)

シェハウスにて


取り敢えず面白そうだからやってみようと思い、イベントへの参加のお誘いを受け、企画や準備に取り組んでみたり。今までにない経験をさせてもらえました。

月に1度のまるどマーケットに出店!


そうした経験が次につながっていく感覚。

いろんな人たちと出会いたいから、バイトもしていましたね。
バイトも地元とは違うんだろうなという想いから始めましたが、地域の方の日常に触れられて、そこから新たな知り合いもできました。


選択肢がないから自分の大事にしてるものが分かる

お気に入りの場所 中央図書館  窓際の席
田んぼとか見えて、空も見えて 建物自体のぬくもり感、、素でいられる場所。


木村
:暮らしの中で東京との比較は大きいです。

風の音、空のうつり変わり、鳥の声
人口的なものが少ない、自然と共に生きている感覚が海士。

選択肢が少ないことはデメリットではないと思っていて、
選択肢はそんなくていい、ないから自分の大事にしてるものが分かる。

海士に来て、選択するときに迷いが少なくなって、楽になったなと思います。

[これからの私と海士]

もっと自分の目で見てみたい

奥野
まず、3カ月は延長しようと思っています。もともと1年で迷っていたということもありますが、しゃん山に立ってみたからこそ、もっと自分の目で見て海士の季節の移り変わりを見てみたくなりました。

日が長くなったのを感じた瞬間

奥野
畑に行って今何が植わっていて、次に何を植えるのか、何月に何が店に並ぶのか、3カ月じゃ感じられないものを見たいなと。

また、ここからの3カ月は、「もっと積極的に働きかける」を意識したいです。

周りに相談したり、意見を共有したり。
ずっと感じていた自分の課題だけど、いざ行動に移すのは難しい。

大根堀りの様子

奥野:こういうことをしたい、やってみたい!と踏み出すことは、
今の自分に足りないこと。

必ずしも、そうならないといけないとは思わないけど、なりたい自分だなって思います。



帰る場所が増えたこと

木村
これから大事にしていきたいことは「過程」
過程で生まれる出会いや成長はここに来て得た気づきです。

あとは、今後が楽しみになったな。
不安なことばかりだったのに、ここでの生活が終わってからの生活もなぜか楽しみになりました。

島後を旅行した時の写真です。
私島にきてたんだって気づいた瞬間。

木村
私は、帰る場所が沢山あるっていいなと思っています。
海士はその一つになりました。

会いたい人がいるから海士にいこうって。
海士には帰ってくる理由ができました。

ずっとつながり続けるというか、何年後かに戻れるとかもいい。
今のつながりが、偶然またどこかでつながるかもしれない、そんな風に思います。


ー3カ月をひとことで表すと、、、

奥野:「挑戦
暮らしも仕事も新しい環境で新しいことをする、それ自体が挑戦。
自分の弱さやできないことをなんとか乗り越えたい、向き合いたい。
自分が変わるチャンスだと思ってやってみました。
だから、自分自身に対して挑戦した3カ月でした。

木村
:「偶然の連続
ちょっと行ってみようかなという気持ちから、そこで出会った方とまた違う形で出会ったり。ちょっとした自分の挑戦や勇気が自分の可能性を広げて、偶然がつながっていったなと思います。




あとがき


大きな一歩でも、小さな一歩でも踏み出す時には勇気がいるもの。

島に来ること、帰ること。

島ではたらき、暮らすこと。

一見、特別なことのように感じる場所ですが

ちょっと踏み出して見た世界はあなたの目にどう映り、何を感じるのか。

試しに、ふらっと、立ち寄ってみてください。


              (執筆者:大人の島留学生 田中沙采)



▼隠岐島前地域のnoteはこちら!


▼そもそも「離島にもっと若者の還流を」ってなに?そんな疑問に答えます


最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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