
第22話 メンエスめし
死ぬまでにあと何回飯が食えるのだろうか?
誰もが一度は確認する命題。
ぼくは計算しはじめてすぐに中止しました。
なぜなら、頑張れば暗算レベルで答えが出そうになったから、、、
そうなると俄然、つまらない食事は避けたいものです。
つまらない食事とは何か?
ぼくの場合は、
とりあえずこれでいいやー
みたいな投げやりな食事を指します。
高級であるとか名店である必要なんかなくて、牛丼でもコンビニのおにぎりでもいいんです。
それを食べたいという偽らざる心の声が聞こえたなら別になんでもいいと思っています。
とにかく1回の食事に対して、大切に丁寧に向き合いたいと思うのです。
とはいえ、時間がなくて目の前にあるお店に脊髄反射で飛び込むことは日常茶飯事だったりしますが、、、
今回、ご紹介したいのは
「メンエスめし」
メンエスに向かう途中、このあと待ち構えている素敵な出会いに想いを馳せつつ腹ごしらえ。
はたまた、メンエス帰りの夢心地をひきづったまま思い出に浸る独りめし。
どちらもいいじゃないですか〜
暑い時には冷たいものを
寒い時にはアツアツフーフー
メンエスを中心に置いた大人のリラックスタイム。
メンエスとめしがお互いを讃え合って昇華していく充足感。
実にオトナチック!
さて、今回ご紹介したいのは本厚木にある
十勝豚丼 なまらうまいっしょ さん
https://www.namara-umaissyo.com/
メニューは潔く豚丼のみ、好きなタイプ。
冷凍なしの国産豚バラ肉とロースを使った豚丼が主力。
ロースの方が若干お高い設定で、安い方のバラ肉にはキャベツが付きます。
おそらくバラ肉の方が脂があるのでキャベツでサッパリという狙いかと思われます。
個人的にオススメなのはバラ肉。
やはり脂が旨い。
そして、ぼくが毎度注文するメニューはランチ限定の「国産豚バラ焼き定食」900円

これが好き!
豚丼と言いながら、なぜ定食スタイルにするのか?
なんと、こちらのお店はお米にもこだわりがあって、コシヒカリを使っています。つまり、ご飯がおいしい。
肉とタレをご飯に乗せる丼スタイルにも惹かれますが、ここはご飯に敬意を払って別盛り定食スタイルを選択しております。
実はもうひとつ理由があって、バラ肉は脂がうまい反面、たくさん食べれないのです。
ランチ用にお店がコスパを追求して、ギリギリの肉量を算出してくれているのがぼくにバチっと合ってるみたいです。
同じ脂問題により、味噌汁を豚汁に変更致しません。
それでは実食!
シンプルに炭で焼かれた肉は文句なしで旨い!
これに尽きます。
肉と炭と網のトリオは夢のようなイリュージョンを魅せてくれます。
炭で焼かれた肉は適度に脂を出します。
それを網がしっかりと炭へ繋ぎます。
寡黙な炭は降り注ぐ脂を煙に換えて、自ら起こした上昇気流に乗せて上空の肉へと浴びせ返します。
おっと、忘れてはなりません。
網の目をくぐって炭に落ちるのは脂だけではありません。
水を一滴も使わず、非加熱でじっくりと熟成させた自慢のタレも
ポタリ
ジュー
ポタリ
ジュー
肉の脂と秘伝のタレを燻した煙が、さらに肉を鍛えてどんどん旨くなる。
まさにイリュージョン!
目の前に運ばれた肉は脂とタレでつやつや。
炭が鍛錬した痕跡が焦げ目となって残っています。
なんという美しさ!
僕がこのお店に来る理由の4割はこのビジュアルに会いたいから。
はやる気持ちを悟られぬよう、まずは味噌汁をひと吸い。
ぼくはこうして大人の余裕を見せつけます。
そして、いよいよお肉様。
鼻を抜ける焦げの香り
肉に残留していた脂の甘み
ストレートで飲みたいほどうまいタレ
しっかりとした豚肉本来のうま味
これらが口の中を高速でループします。
このループを喰らうと体に異変を感じはじめます。
異常なほど白飯が欲しくなるのです。
さあ、早く白飯を!
白飯をくれ〜!
パニックを起こしたように白飯が欲しくなります。
今すぐ白飯が入らないとどうにかなりそう。
これは本当に旨いときのサイン。
急いで白飯をかき込みひといき。
しかし、口の中が空っぽになる頃、また体に異変が。
何をぼやぼやしてる?
さあ早く肉をくれー!
というパニックが起こります。
この繰り返しに身を任せているとあっという間に中盤に差しかかります。
ここで勃発するのが旨い肉につきまとう脂問題。
ぼくはどんなにうまい肉でも、食べているうちに油に負けてしまい、食欲がトーンダウンしてしまいます。そんな時、頼れるのは我らがキャベツ兄貴。
パリッとシャキシャキ口の中を見事にリセットしてくれます。
すると、不思議なことにいただきますの瞬間にタイムスリップ。
そして後半戦は七味、醤油漬けスライスニンニク、粉山椒、、、
シェフを気取って、お好みに応じた味変も楽しめます。
ちなみに、ぼくは七味派です。
肉の味に干渉しすぎない奥ゆかしさと、
それでいてピリッと決まる瞬発力のコンビネーションが好もしい。
さて、そろそろ完食のお時間です。
みなさんはどんな「メンエスめし」のメニューをお持ちですか?
ご紹介した豚丼もみなさんのメニューに追加していただけたら幸いです。
最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。