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ボードゲームのテストプレイ会における適正価格を考える

このnoteは「ボドゲのことを全く知らなかった僕が、いきなり全財産をかけて、ボードゲームを作って売る」というアホな製作過程を、ほぼリアルタイムで書いているので、ぜひ面白がっていただけると嬉しいです!
前回の話から見たい方はこちら!

最初から見たい方はこちら!
(この話は5話目ですが、ここから読んでも問題ない内容です!)

2025年のボードゲームの販売に向けて、まずは試作品を作り、テストプレイ会を開催することになった僕は、開催日2日前にちょっとしたトラブルを起こしてしまっていた。

「明後日のテストプレイ会だけどさ…納得いかないから、やっぱり行くの辞めるわ。」

仲のいい友達から、体調不良などではないお断りの一言。
明らかに僕が何かをやってしまい、不満を持たれている。


「納得いかない…ってのは、理由聞いてもいい?」


僕は恐る恐る、理由を聞いていった。
色々聞いていった結果、友達が感じた不満というのは…


テストプレイ会なのに参加費が必要ということ。


そう。
僕はテストプレイ会を開催するにあたって、1人1,000円の参加費を会費として徴収すると伝えていた。


今回のテストプレイ会は製作者サイドが3名、参加者が5名だ。


友達は会場費も調べていたみたいで(会場費は3,000〜4,000円くらい)

「8名もいるのに1人1,000円っていうのはよくわからないし、そもそもテストプレイ会は製作者サイドの目的が大きいから、会費が定額で取られるのがちょっと納得いかない。」

とのことだった。



友達の言っていることはごもっともだ。

特にその子はゲームマーケットにも何度も足を運ぶくらいボードゲーム通なので、テストプレイ会のあり方みたいなものもしっかりと考えがあるのだろう。


その子の名誉のために補足しておくと、その友達は決して1,000円を出し渋っているわけではない。
いつも一緒にご飯に行くと、僕の分も出してくれようとする、気前のいい先輩である。


単純に、納得できないことにお金を払えない、というもので、僕もその旨わかっていたので、真摯に受け止めた。
結局無理に来てもらうことも、その子だけお金をもらわないこともできないので、その友達は不参加でテストプレイ会は行われた。



テストプレイ会開始

結果的に3名の参加者を含めた計6名でテストプレイ会は進んでいった。
僕の心の中はモヤモヤでいっぱいだったが、せっかく来てくれた3名には楽しんで欲しかったので全力で盛り上げていった。



…今回は準備は万端だ。

僕からのルール説明は一切行わず、参加者に説明書を見てもらって、購入者と同じイメージでプレイしてもらった。
ボードゲームに慣れていない3名だったので、少し手間取りつつ、それでも無事にゲームを進めていけた。


僕だけはゲームに参加せず、みんなの様子を見たり、友達が悩んでいるタイミングで手札を覗きにいって、どういう部分で詰まっているのか、何を考えているのかを観察した。
そしてゲームが終了し…


「面白かった!!」


とても…
とても嬉しい一言をいただけた。



その感想の後、すぐに参加者たちが

「あの時、〜〜と思ってたからこう動いたのに、なんで◯◯はそっちいったの?」
「や、その時の手札が〜〜だったから、俺はこういうこと考えていて〜〜〜」


と、感想戦を始めていて…
その光景を見ていると、僕の中に何か込み上げてくるものがあった。


素人の作ったゲームだ。
どう思われるのか、正直かなりハラハラしていたし、不安も大きかったが、自分の作ったゲームを楽しんでもらえたその瞬間は何にも変えがたい喜びがあった。


その後もう1戦をして、事前に用意していた質問リストを聞いていき、初めてのテストプレイ会は終了した。


反省会にて…

テストプレイ会後はメンバーだけで居酒屋に移動して、テストプレイ会の振り返りを行った。
今後の改善点や、テストプレイがうまくいった喜びを分かち合い乾杯したのだが…

僕は切り出さないわけにはいかなかった。


「あのさ…」


参加費の関係で友達が1人来なくなってしまったことを僕はメンバーに告げた。
すると、友達を1名呼んでくれていたメンバーからも

「実はオレも、参加費を要求するのに抵抗があって、友達の分はオレが出したんだ。」
とのこと。


うーーん。
おそらくだが、僕たちは今、ちょっとした壁の前にいる気がした。

小さなことかもしれないが、お金のことを有耶無耶にするのは後々に響きそうだったので、ここは逃げずに、しっかりと膝を突き合わせて話し合った。


まずは今回の参加費についてだが…
僕たち製作者サイドからは1円も集めていない。
集めていないというよりも、これは先日集めた50万円の予算の中から必要な経費として会場代などを払っている。


そして、今回のテストプレイ会でかかった金額は

会場費+飲食代(簡単なお菓子や飲み物を用意していた)で大体5,000円ちょっとだ。参加者3名から頂いていたのは3,000円なので、つまり赤字だ。


テストプレイにかかる参加費や経費には、いろんな考え方があると思うが…

僕は製作者サイドから参加費を取らない方がいいと考えていた。


これは正直noteで書くかも迷ったし、賛否両論あるとは思っているが…


今後テストプレイ会は何度も開催していくだろう。
その度に自分たちで参加費を払っていると、段々しんどくなってしまい、テストプレイ会の開催が縮小してしまう気がしていたのだ。

これはボドゲの製作において望むべき結果ではない。


そして次に、テストプレイ会の参加費を、その都度かかった経費から参加人数で等分割するというものだが、これも個人的には望ましくなかった。

まず、細かい小銭でやり取りするのが嫌というのと、等分割では参加者が少ない時は参加費が多く、参加人数が多い時は参加費が少なくて済むという形になってしまう。これでは開催人数が少ない時に来てくれた人に申し訳ないからだ。


そういった考えから、僕は参加費は定額固定制がいいと思うし、人数が少なくて赤字になるのならそれは真摯に受け止めるべきかなと思っていた。


そんな話をメンバーに伝えながら、みんなが腕を組み考える。
成功したテストプレイ会の打ち上げからは一転し、重い空気が僕たちの中に流れていた。

そして僕が一言


(僕)「よし、参加費を上げよう。」

(メンバー)…!?!?



メンバーからは「こいつ何言ってんだ?」という顔をされたが、僕は至って大真面目だ。


僕の考えはこうだ。


まず、今回よくなかったのが、友達を誘った文言が「ボドゲ作ってみたから、試しにプレイしてほしい。」というもの。

間違ってはいないのだが、これだと友達はお願いされてきているのにお金を払うんだ、という気持ちになってしまう。


なので、「テストプレイ会に参加してもらう」のではなく


「ボードゲーム会を開くから遊びに来ない?」
「その中で自作のゲームもあるから試しに遊んでみてよ!」


に変えようというものだ。
これなら、参加者側にも気持ちよくお金を払ってもらえる理由になるのではないだろうか。


実際今日のテストプレイ会でも、いきなり自作のゲームはやらずに、場を盛り上げるためにいくつかの手持ちのゲームをやってからテストプレイを始めた。

それならば、僕がこれまでに購入した数十個のボドゲを使い、みんなで楽しむためのボードゲーム会というコンセプトでイベントを開催し、その中のひとつとして自作ゲームのテストプレイを行うのはどうだろうか、という提案をした。


そして、金額を上げる理由としては、テストプレイ会で利益を出し、その利益を広告費に当てよう、という考えだ。
さらにその旨を参加者にもオープンにする。


つまり

・ボードゲーム会を開きます。たくさんゲーム持っていくのでお楽しみに!
・来年自作のボドゲ販売するので、僕のゲームも遊んで感想欲しいです。
・会費は◯◯円ですが、もし人数が多く集まって利益が出た場合は、その全てをボドゲの製作費に当てさせてもらいます。

というのも事前に伝えておくというものだ。


お金を払う際、
「このお金はなんのお金なんだろう」
「主催者側が儲けてるのかなー」


と感じてしまっては気持ちよくお金が払えない。
ここを明瞭にして、かつ今自分が払ったお金は、今プレイしたゲームを世に出すための応援になる…という建て付けにするのが綺麗な落とし所かなと感じていた。


この意見にメンバー2人は少し戸惑っていたが、
「まずはやってみようか」と1人が口火を切ってくれたことで話は進んでいった。


そして第2回のテストプレイが行われた。
第2回では男性2,000円、女性1,000円の価格でテストプレイ会を開催した。


男性の参加費が前回の2倍になっている。
おそらくネットで募集しているテストプレイ会やボドゲ会の相場よりは高いのではないだろうか…。

少しドキドキしつつも、頑張って友達に声をかけていった。


その結果、今回は4名の参加者が集まった。
内訳は男性1人、女性3名。


製作者の3名と合わせて合計7名だ。
何より嬉しかったのは、参加者の男性1名というのは第1回にきてくれた友達だった。


つまりその子からしたら、同じ内容なのに今回は参加費が2倍になっているわけだが…


「前めっちゃ面白かったからまた行きたい!」


と言ってくれて、参加してくれたのだった。
本当に嬉しい。
今回も全力で盛り上げていこうと思う。


そしてボドゲ会はスタートした。

ボドゲ会の詳細についても書いていきたいところだが、またnoteが長くなってしまうため、ここは割愛していく。

結論から言うと、第2回も大成功だった。
ボードゲーム初心者の女性でも楽しめることがわかった反面、最初のルールの把握がややこしいため、シンプルにしていく必要があると言う結果だった。


参加者達全員から
「またやりたいから、次も絶対誘ってね!」
と言ってもらい、価格を上げたボドゲ会は問題なく終えることができた。


…のだが、反省点もある。
それは


1つ目に今回も赤字だったということ。
せっかく来てもらったのだからと、お菓子や飲み物を大量に買ってしまい、結果ギリギリ赤字、かつお菓子も大量に残る結果となってしまった。
ここは反省しつつ、次回以降調整していこうと思う。

そして2つ目としては、僕以外のメンバーが参加者を呼べていないこと。
友達からお金をもらうと言うことに抵抗がある…というよりも、そんなに毎度毎度誘える相手がいないと言うことだった。


実際それはその通りだ。

僕自身も最初数回はなんとかなるだろうが、テストプレイ会を今後何度もやっていくとなると自分の友達だけでは呼べる人数に限界が来るのは目に見えている。

テストプレイはなるべく多くの初見の人にプレイして欲しいというものなので、僕たちはネットでボドゲ会の参加者を一般募集することにした。


メンバーで手分けして合計5つのサイトで募集を開始したのだが…
まずは一般公募されているテストプレイ会やボドゲ会がどうなのか、参加して見てみようということになり、僕たちは翌週開催されていたテストプレイ会に申し込んだ。

そう、ついに初めましての方に自作のボドゲをお披露目するのだ。


さらに申し込んだ会は、
「ボードゲームを楽しみましょう!」というよりも
「ボードゲームを製作している人たちが集まりテストプレイをしあう会」のようだった。

基本的には僕たちと同じ…いや、僕たちの先輩のような方々に混ざりにいく、ということだ。


なんだか背筋が伸びる感覚がある。
ボードゲーム製作になれている方からどんな意見が出るのか…


いや、だが…僕たちのゲームは初心者の女性にも面白いと言ってもらえるくらいだ。
きっと経験者の先輩方にも面白いと言ってもらえる…
自信を持ってもいいだろうと、内心ワクワクしていた。


「まずは野球部のように大声挨拶をかまして、即座にお茶を注ぎにいって…いや、体育会系すぎるか…」
などとアホなことを考えながら当日を迎えた。


そんな世間知らずで自分の実力もわかっていなかった僕たちは、その後のテストプレイ会で自分たちの甘さを存分に知らしめられることになるのだった。



※次の話はこちら!

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