麗しき未来の文化遺産ホテルへ。
かつて領事館だった建物がホテルに生まれ変わると聞いて、ひと足早く泊まりに行った。
未来のホテルは、まだ改築仕様書すらできてはいない。
だけど足を運ぶと、そこにはボクよりミーコが早くいて、窓からずっと遠くへ手を振り続けていた。
ベルボーイは穏やかで、ボクとミーコ以外には色のない、細い線のような日だった。
未来を予見しているのとは違う。
いずれこうなるだろうという勝手な思い込みの連鎖ーー隣三軒両隣親戚一同友人知人と連なるつながりが手に手をとるように、物語をつないでいくだけなの