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飲ませたい人の顔を思い浮かべながら Y. MARKET BREWINGのRookie 鳥畑さんインタビュー

ふたりのみで開催中の、「新人ブルワー応援キャンペーン Yell for Rookies」。その一環として、Rookieであるブルワーさんを応援するために、新人ブルワーさんが携わったクラフトビール6本をセットにして販売中です。ふたりのみオリジナルである、新人ブルワーさんのインタビュー記事も全6回にわたり順次公開しています。

新人ブルワー@3x

第四弾では、Y. MARKET BREWINGのRookie、鳥畑さんのご紹介です。彼のデビュー作である「モルゲンロートIPA」は、元々樽のみでの販売だったのですが、コロナの影響もあり、缶になって登場しました。
新人ブルワー応援キャンペーンは、ブルワーさんに応援を届けるところまでが1セットです。本キャンペーンのインタビュー記事を読んでくださる方は、どのブルワーさんにメッセージを送りたいか考えながら読んでみてください。

お話を伺っていく中で、お世話になった人たちのことを思いながら仕事に取り組む鳥畑さんの姿が浮かび上がってきました。その他にもレシピを書いている時のこと、ビールが完成した時の気持ちなどを聞いていきたいと思います。

お世話になった人の存在が、僕の原動力になった

ー今回新人ブルワー応援セットにて封入されるモルゲンロートIPAは鳥畑さんのデビュー作となります。初めての1からのクラフトビール作りはいかがでしたか?

鳥畑さん:いろいろな思いがありますが、やはり苦労はしました。元々、総合化学メーカーでサラリーマンをしており、転職してきたという経緯もあり、当然ながらビールについてもわからないことが多く、勉強の毎日でした。家族やお世話になった人のことを考えながら乗り越えましたね。

ーメーカーさんのサラリーマンをしてらっしゃったんですね。元々お酒は好きだったんですか?

鳥畑さん:お酒は元々好きでした。2016年くらいにたまたま何かの新聞で新人ブルワーさんに関する記事を見て、そこからクラフトビールに興味を持ち始めたという感じです。前職でも造る側にはいたので、いつしかクラフトビールを造ってみたいとも思いました。

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ーなるほど。クラフトビールに興味をお持ちになり、いざ転職してきたらすぐにビール造りはさせてもらえましたか?

鳥畑さん:ビール造りの作業は少しずつ任せてもらいましたが、自分でレシピを書いて1から醸造するには1年半くらいかかってますね。

ーその1年半は鳥畑さん的にいかがでしたか?

鳥畑さん:同じく勉強の連続でしたね。今も勉強ばかりなんですけどね。

ーどのような勉強になるんでしょうか?

鳥畑さん:既存の定番商品と限定商品、それぞれの造り方を注意して見ていました。1つ1つのスタイルに、異なる気をつけるべきところがあり、つまるところ全てのビールにそれぞれの注意すべきポイントがあるので、それをひたすら自分の中に取り込んでいました。

ーそういった期間を乗り越え、ご自身でビールを造れるようになったんですね。どのような流れでデビュー作をつくることになったんでしょうか?

鳥畑さん:当時、アシスタントブルワーと言われる人が私を含め三人いました。その三人でコンペティションをしたんです。

ーなるほど、そのコンペティションで勝ち取ったと。

鳥畑さん:実はそういうわけでもないんです。

ーどういうことですか?

鳥畑さん:私以外の1人が優勝ということになりましたが、会社的にはどれも出来が良く、結局全部造ろうという話になったんです。お世話になった人のためにも恩返しができるチャンスでもあったので、負けたのは悔しかったですが、今こうしてモルゲンロートIPAが造れたので問題ないです。

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ーなるほど、どれも質が良くて造れることになったということですね。モルゲンロートIPAのレシピを書いているときはいかがでしたか?

鳥畑さん:かなり難しかったですね。

ーどのような点でしょう。

鳥畑さん:制御するポイントがたくさんある点でしょうか。例えば糖化工程の温度一つ取っても1,2度変えるだけで発酵性糖分と非発酵性糖分の抽出率が変わってしまったりします。そういったこと全ての工程において考慮するのが大変でした。一言で言えば、たくさんある影響因子をどのように設計したら自分のイメージしている味になるのか考えることがとても難しかったですね。

ーなるほどです。そうしてビールのレシピが完成するまではどれくらいかかりましたか?

鳥畑さん:1ヶ月程度かかりました。約1ヶ月前にコンペの存在を知らされたというのもありますが、業務終了後に時間を見つけてがんばりました。

ー業務外でコンペ用のレシピを考えていらっしゃったと思うのですが、そんな大変な状況の中、鳥畑さんは何を原動力に動いていたのですか?

鳥畑さん:単純にコンペで自分のビールが選ばれて欲しいという思いも勿論なのですが、それと同じく、お世話になった人の存在が僕を動かしてくれました。妻や子供、転職してきてから色々なことを教えてくれた人、前職の人などの顔を思い浮かべたら手を動かすことができました。

お世話になった人に向けて

ーついにビールが完成した時はどのような気持ちでしたか?

鳥畑さん:やっぱり感慨深かったですね。

ー詳しくお聞かせ願えますか?

鳥畑さん:自分で1から造ってきたものがちゃんと形になったことが何よりうれしかったです。お世話になった人にも飲んでもらい、恩返しができると思いました。
しかし、同時に不安もありましたね。

ー不安、ですか。

鳥畑さん:そうです。ちょうどコロナの流行時期とビールの完成が被っていましたから。

ーなるほどです。発売タイミングなどの問題ですか?

鳥畑さん:そういう問題もありました。元々モルゲンロートIPAは樽のみでの販売だったのですが、リリースタイミングである4月頭、リリースのほんの2,3日後に緊急事態宣言が出されたことの影響が大きかったです。飲食店やバーなどにビールを出す機会が減り、樽の商品をどうするのか考えものでした。

ーそこで缶になったというわけですね。

鳥畑さん:そうです。缶のパッケージングは品質劣化を防ぐことが難しいのですが、幸い弊社は、2018年に稼働した新工場の方で高いパッケージング技術を保有していたためそこはなんとかなりました。

ー紆余曲折ありながらも1からビールを造り、樽から缶になり、ついに販売され、我々のもとに届くということが実感できました。じっくり味合わせてもらいたいと思います。鳥畑さんの方からお客様に伝えたいモルゲンロートIPAの特徴などはありますか?

鳥畑さん:香ばしくコクのあるモルトキャラクターと柑橘系ホップ由来のアロマとフレーバーが良いバランスになっていると思います。少々苦味は強めですが、やや残したボディと相まって飲みごたえのある一杯となっています。

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ーありがとうございます。最後に、このモルゲンロートIPAを飲んでくれる人に向けてメッセージはありますか?

鳥畑さん:はい。元々「モルゲンロート」というのは登山用語です。山が朝日に照らされて赤く染まる現象のことをドイツ語でモルゲンロートと言います。私自身登山が趣味でして、「モルゲンロートIPA」の色はそこから着想を得ています。まずはその色を楽しんでいただきたいです。
あとは、初めて自分で1からレシピを書いて造ったビールなので初々しさのような雰囲気もあるかと思いますが、なるべくたくさんの人に飲んでいただきたいです!クラフトビールには本当にたくさんの種類があって楽しいものです。ぜひクラフトビールのことにも興味を持っていただきたいです!

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Y. MARKET BREWINGのRookie、鳥畑さんのご紹介でした。樽販売だけだったものが缶にもなり、より多くの方に飲んでもらいやすくなったモルゲンロートIPAは、ふたりのみで現在販売中の新人ブルワー応援セットにも封入されています。お求めの際はぜひお早めにご検討ください。

詳細は下記リンクにて!

https://note.com/futarinomi/n/n6ef623df1815


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