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数値に出ない重み、痛みはたしかに『在る』


5kgの米袋と、5kgの人間の赤ちゃんを
比べてみると、
体重計の数値では同じ5kgをさすのに、
自分で持って比べてみると、
人間の赤ちゃんのほうが重たく感じる。

以前、そんな生命力の重さについての記事を書きました。

今日は、そんな数値に表せられない
生命力の重さに対して、
嫌な重さ、痛みもたしかにある。
というお話です。



□足が重い、頭が重い、腰が重いとは?

足が疲れれば
「足が重たくなった」と言い、
頭がなんだかモヤモヤすると
「頭が重い」。
なにか行動にうつすことが出来ない人のことを「腰が重い」と言います。

身体の部位ごとの重さを計測しても、特に変化はないのですが、
たしかに実感として、
頭が重い時、軽い時、
足取りが重い、軽い、
というのは誰しもが経験したことがあるはずです。


□実際に触る、持ってみる

治療家の人でもないと、
人の身体に触る機会は日常にあまりなく、
自分の身体の部位すらも重くなっていることが常態化し、偏り疲労に気が付かない。
といったケースがとても多くあります。

そこで、数値で見えるものではなく
実際に人の足、頭、腰を触ったり、持ってみた感触や重さでたしかめる。
その感性や技術が整体です。

足を片方ずつ持ってみる。
腕を片方ずつ持ってみる。
相手の大きさ相応の重さではなく、
ずっしりと嫌な重みというものがあります。
生命力の重みとは、また別の種類の感覚、
としか説明しようがありません。

そして、以前の記事でも書きましたが、
頭が忙しく、下半身に意識がいかないと
足がスカスカと軽くもなる。

足は、足の疲れのみならず内臓の疲れ、
腕は、腕の疲れのみならず頭の疲れ、
があらわれる部位。
各々の調律点(ツボのようなもの)を刺激したり、愉氣をすると、手足が軽くなるというのは、一般的には考えにくいことかと思いますが、野口整体では常識です。

それでも、鈍感になり過ぎたお身体の状態だと、before,afterの重さの違いをご本人に感じてもらえないこともあります。
変化を感じられないとモチベーションに繋がらない。

その時は、目に見えやすい形で変化をたしかめてもらうために、
必ず動きのスムーズさ、可動域が広がったか。を確認します。
本人が、
他人から言われた「良くなってますよ」ではなくて、
自身で良くなっていると実感して、身体への信頼感を高めてもらう。

「自分の身体は少しずつ、いい方向にむかっている」と実感できるよう工夫をします。

もちろん、指導者のわたしの施術の腕の責任も50%あります。
しかし、残りの50%、ご本人の
『自ずと治るだろうという勢い、心の姿勢』が整体にはどうしても必要です。

心と身体はひとつ。なんてよく言いますが、
大好きな彼氏とデートの時は足取りが軽く、
満員電車に揺られて出社する朝は足取りが重い。
心の勢いは、確実に身体への作用がとても大きいのです。


モチベーションを保つために何が出来るか、
を大切にする。これは施術でも整体教室でも心掛けていることです。


□痛いはずのない場所の痛み

私自身、昔、盲腸(虫垂炎)になって緊急手術を受けたことがあります。
切った部分はお腹なのですが、
麻酔から目が覚めて痛かったのは、
胸と鎖骨でした。

もちろん、術中に胸と鎖骨になど触れていないのですが、たしかに痛い。

当直の医師や看護師さんに相談しても、そんなはずはないと言われて終わりです。
消火器外科で手術したのですから、消火器以外のことを訴えても医師はわかりませんし、もちろんレントゲンにはなにもうつりません。
お腹の傷がふさがったら、『治った』とみなされます。

しかし、わたしの胸や鎖骨の痛みは、
たしかにあるんです。

整体でいうと、
胸や鎖骨は呼吸器、メンタルとの繋がりがあります。
おそらく、緊急手術という予期せぬ事態に当時耐性がなかったわたしの身体がビックリして、麻酔で意識はなかったにせよ、一時的にショック状態になってしまいました。
たかだか盲腸。
しかし、人の身体の反応が出る場所、その反応の度合いには大きく個人差が出て当たり前です。

わたしの場合、当時、
□胸部の愉氣
□鎖骨の中のヌメリとり
□尾骨の調整

いずれも呼吸を深くし、メンタルに作用する野口整体のアプローチ法です。
以上の3つが当時とても有効でした。
当時、わたしに愉氣を施してくれた方々には感謝しかありません。


必要なのは薬でもない、医師でもない、
今の自分ではどうしようも出来ない時にはちゃんとSOSを出して助けを求める勇気と、それに応じられる人のあたたかい手です。

目には見えない重み、
レントゲンにうつらない痛み、
そういったものをどうするか、手の感覚で根本を追い、自ずと治る身体に育てていく。

これが野口整体の考え方です。


今日も最後まで目を通して頂き、ありがとうございました。

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