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君となら、という儚い夢

君となら
あの花の下に寝転んで
空を見上げられると思った

君となら
言葉がなくても

ただ隣で
あの花の散りゆく様を
みていられると思った

そんな幻想は
あの花のように
儚く散っていった

君は、
あの木の下に
二人のドラマがほしい人

君はあの花をみるのでなく
隣にいる私へ愛を求めた

君の目に
あの花は二の次だった

私はずっと
その時にしかない、その美しさを
隣で眺められる
そんな誰かを待っていた

それは君ではなかった

君と私が見ていたものは
願っていたものは

違うものだった

別れの最後に交わした言葉でさえ
私の真実は君に届いていない
そんな気がした

どれほど言葉を交わそうと
どれほど同じ時を重ねようと

そんな悲しさが
わかり合えなさが

少しずつ私たちを
遠ざけていった