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イメージの世界で生きている。

ここ1年、お酒を飲む回数を減らしている。とはいっても、そんなに厳しくではなく、毎日飲んでいたのを週に3~4回にする程度。

なぜかというと、40うん年生きてきた自然の流れで、飲んだ次の日がしんどいお年頃になったから。しんどい日は、家だとだらけるので喫茶店で仕事をしてみるも、周りが叱ってくれるわけではないので、結局は睡魔やダルさに勝てない。お酒がのこっている状態で文章を書くのはかなりキツイ。

また、お酒を飲むと、つい余計なものまで食べて、体重にボン!と出るようになった。お茶だと食べられないのに、お酒だとスナックに甘いものに、と大胆に手をのばせる。そのときは幸せ満点なのだけど、確実にウエスト周りがポヨる。

仕事がはかどらない。そして体重は増える。こりゃどっちもいけんばい!! ということで減酒を決心。

あれこれ工夫して挑戦してみたら、いろんな発見があった。

ビールのかわりに炭酸水を導入してみた。これはなかなかいい。シュワシュワのさわやかな喉ごしは1日の疲れをリフレッシュしてくれる効果がたしかにあった。仕事後にビールを飲みたくなるのは炭酸効果なのね、と実感。

また、二日酔いの予防策に、お酒は1種のみという決まりごとを作ってみた。ワインでスタートしたらワインだけ。焼酎が飲みたいなら最初から焼酎にする。味が変わらない分、自然と酒量も減ったようで、これも効果があった。

ほかにも、お酒のかわりに高級な中国茶でテンションをあげたり、食後のデザートを用意してごほうび感を出したりして、だんだんとお酒を飲まない日が平気になった。

……と、ここまで書いてあらためて思うのは、やっぱりお酒って常習性があるんだなぁということ。

お酒を飲まない人や飲まなくても平気な人にとっては想像できないと思うが、いちばん苦労したことは、お酒を飲みたい、と思う気持ちをコントロールすることだった。

飲まなくても別に平気なのだ。でも、飲めないと思うと、1日の楽しみが消えたしょんぼり感。ガッカリ、楽しくない、テンションが下がる。

この気持ち、もしかしたら、わたしの本心というより、メディアにかなり影響を受けているのかもしれない。

というのも、「今日は飲まないぞ~」と決めて生活していると、お酒の広告がやたら目に入ってくるのだ。テレビをつければCMに、電車に乗れば中吊りに。ビール、ハイボール、焼酎、レモンサワーとお酒の広告が周りに多いこと、多いこと。

スーツ姿の菅田将暉さんと中村倫也さんがさわやかな笑顔でビールジョッキを持っているし、天海祐希さんはレモンサワーを勢いよく目の前に差し出してくる。テレビでは、戸田恵梨香さんや檀れいさんがおいしそうに金麦を飲んでいて、江口洋介さんは本麒麟の味のよさに驚いている。竹内結子さんと矢沢永吉さんにプッシュされたら、それはもう、プレモルを飲みたくなる、というもんだ。

お酒を飲まないと1日を終われない。
そんなイメージが、メディアによってわたしの頭の中に作られていたのかなぁと思った。

大好きな本『いのちを呼びさますもの』(著・稲葉俊郎さん/アノニマ・スタジオ)のなかに、こんな文章がある。

『表層意識のすぐ下に、広大なイメージの世界があるわけだから、私たちの考え方や意識に大きな影響を与えるはずである。それは意識の足元を支えている地盤のようなものだからだ。』

『意識はイメージの世界という厚い地盤に支えられており、その強い影響下にある。ただ、偏見や先入観を含めて、自分自身のものではないイメージの力に縛られていることもある。』

わたしは、自分自身ものではない外部からのイメージの強い影響下にあるということ。このことをしっかり自覚しておこうと思う。いいとか、悪いとかではなく、人間はそういうものだ、ということ。

そうか、もしかしたら、最近の若者がお酒を飲まなくなった理由は、CMを観なくなったからかもしれないね。

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とはいいつつ…この料理はビールのおつまみにぴったりです。ソーセージ、煮干し、玉ねぎを炒めて、スイートチリソースとサンバル(豆板醤で代用可)、塩で味つけしたもの。マレーシアに住んでいたころ、ゴルフ場のレストランでいつも注文していた思い出総菜。できれば煮干しはあらかじめ素揚げをして加えてね。塩気と食感のアクセントになります。

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