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最新の地球科学

この混乱する地球環境や社会情勢の中、日々様ざまな情報を見ていると、例えば「災害ってなんだろう…」と物ごとの根っこ、最深部にあるものを知りたくなっていく自分に気づきます。

そんなことを考えていると、最近テレビやネットで目にするものも、以前よりそういう類のものが増えてきたような気がして、もしかすると多くの人が同じように感じているのではないかな、と思うようになってきています。

環境破壊も災害も戦争も・・、この地球で起こっている一見バラバラに見えることをもしも、もの凄く高い場所から俯瞰したとしたら、何か意味がある、或いはそれぞれが関連しているのではないかと思え、根底にあるものを一つづつ紐解いていくと、何かが見えてくるのではないかと思ってきたので、暫くそんな話題を書いてみようと思います。


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とはいえ話は地球のこと。ともすれば宇宙にも目を向けなければならなくなるかもしれないほど壮大な話ですので、出来るだけ既に根拠がある程度与えられている情報を頼りに私なりに整理してみようと思います。


☆天変地異ってなんだろう

先日NHKで再放送された『地球科学の最前線 天変地異の秘密に迫る』をピックアップしてみようと思います。


地球の歴史

地球誕生から約46億年が経過したとされていますが、天変地異と呼ばれる自然界の異変や災害は、決して今に始まったことではなく、これまでの間ずっと繰り返されてきたものです。

地球が誕生した当初、そこには水蒸気や二酸化炭素が充満し、大量の紫外線が降り注ぎ、小惑星の衝突により気温は1000℃に上昇、地表の大半はマグマが固まった岩石で覆われていたとされています。とても生物が暮らせるような環境ではなかったいうことです。しかし、その後気温が下がっていく中で、酸素やバクテリア等が発生して自然豊かになり様々な生物が生まれましたが、その後も大陸が移動したり、大規模な火山活動や氷河期等により環境が大きく変化していく途中で、生物の大量絶滅も度々繰り返されてきています。
※詳しくは下記サイトをご覧ください。


つまり、生物が生きられる環境になった後も、天変地異によって地球の環境は大きく変化してきたということで、私たちからすると天変地異と言えば、「人間に被害を与える恐ろし現象」というような悪いイメージが大半かと思いますが、それは人間目線でしか見ていないためであって、天変地異は火山活動等によって新たな生命を生み出す生物の誕生にも影響を与えるものであり、また決して今の時代にだけ突然起こっているものではない、ということが言えると思います。


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天変地異の関連性

この番組内では、地球の各地で起きる天変地異は、それぞれに関連性があることが示されています。

もちろんそれらは研究中ということで結論には至っていないそうですが、数千年という時間をかけて積み上げた最新の科学的な知見をもってしても、この世界に存在している事象のほんの僅かしか解明が出来ていない私たちが、あと十数年しか猶予がないとされる現実において、この壮大な地球の営みを解き明かし、結論付けるために要する想像できない程の長い時間を待ってはいられない、ある程度見えてきたことから公開していこう、ということで制作されているのだと思います。


番組内で示された「関連がある」とされるものは以下の通りです。

①地中海 & 火山噴火

スペインとモロッコの間に位置するジブラルタル海峡は、600万年前に海底の隆起に伴って大西洋と遮断され、水が蒸発して今の死海のような大地であったそうです。ところが水が蒸発した為に海水がもたらす地殻への圧力が少なくなったことで火山活動が倍増し、抑え込まれていたマグマが一気に噴き出した。そしてそれから約30万年後に土壌侵食されている箇所に地震が起きて、ジブラルタル海峡に裂け目ができ、そこへ大西洋の水が一気に流れ込んで、再び水で満たされた現在の状態になったということです。


②地震 & 台風

地震と台風、日本でもどちらも頻発するので、体感として皆さんご存じのことかと思いますが、この研究が10年間台湾で行われているそうです。

台風が通過した後に地震が発生するメカニズムは次のようなもの。

台風は低気圧ですが、その気圧により僅か数mmですが地面が引き上げられる力が発生するそうです。
一方で、雨で大量に降った水が蓄積して地殻に圧力をかける。
これを繰り返すことで地殻が上下する力が働き、地震が発生する引き金になるということです。

そしてこの台風の大型化を引き起こすのが気候変動だということです。


③火山噴火 & 海流

1991年に起きたフィリピン、ピナツボ火山の大噴火。巻き上げられた火山灰が3年に渡り世界中に漂ったために太陽光を大幅に遮り、その影響で地球の気温が0.4℃下がったそうです。

この噴火が大西洋から北極圏までに広がる海流に変化を与えたとされています。

海流とは、冷たい水が海の底に沈み、温かい水は冷たい水に引き寄せられていくことによりできる水の流れですが、火山灰の停滞によって気温が下がり、北極圏の冷たい水が増加して、冷たい水が沈み込む勢いが増し、海流のスピードが早くなる。この状態が20年以上続いたと考えられているそうです。


④南極 & 大気の川

大気の川というのは、人工衛星から見た時に大気の中に含まれている水蒸気の流れであり、90年代に発見されたこの大気の現象をさす言葉で、数千kmに渡り移動するものもあるそうです。

温暖化が進むと大気の川の水蒸気の量が増加し、大雨を発生させると考えられていますが、この大気の川の影響を大きく受けているのが南極大陸。

ご存じの通り今南極の氷は急速に溶けているそうですが、南極の氷が全て溶けたら50m海面が上がるとされています。この大気の川が南極の西側に大量に流れ込んでは大雨を発生させ、氷を溶かしていることが判明したそうです。


⑤南極 & 火山噴火

④で判明している南極の氷が急速に溶けている現象を解明するために、過去同じような事例が発生していた北極圏のアイスランドの状況を分析する研究が行われているそうです。

アイスランドは約1万年前、島全体が1km程も厚さがある氷で覆われていましたが、現在では島の約10%しか氷が残っていないとのことで、アイスランドで起こってきたことを研究すれば、今後南極で起こっていくことを予測することが可能になるかもしれないということ。

その"同じような事例"というのが、アイスランドにあるカトラ火山の噴火で、過去に噴火が起こり→大量の氷が解け→地表にあった分厚い氷が解けると地殻への圧力が減少→マグマが上昇してまた噴火が起こる、というメカニズムがあったということです。

現在厚さ約2kmの氷で覆いつくされている南極も、最新の技術で氷の下にある地表を調べたところ、南極の西側に約3000kmもある世界最大級の火山があり、これはアイスランドのカトラ火山とほぼ同じ大きさだというのです。


つまり、④⑤を統合すると、温暖化により大気の水蒸気が増加し→大雨が発生→南極の西側の氷を溶かしていき→そこには地表に火山があるので、地殻への圧力が減少すると噴火が起こり→氷が早く溶けていくというサイクルが生まれる→そして南極の全ての氷が解けたとしたら海面が50m上昇し、多くの都市が海中に沈んでしまう、ということが言えると思います。


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論点

「海面が50m上昇」とは、とんでもないことです。都市が沈むということは簡単に想像できますね。

ただ、ここで必要なのは、ただただ恐怖を感じながら待つのではなく、以下のようなことを考える必要があるのではないかということです。

(1)”最小限の被害”を目指す
大規模な自然災害が起こると、生物の中でも特に人間は大きな被害が起こることに不安を感じ、人間側の立場で率直に感想を言うなら「おそろしい」になってしまうのも仕方ないとは思います。
ですが、「この時代にだけ発生しているのだから、今の時代に生きていること自体が不幸だ」などと考えると逃げ場がない気がしてきますが、こうして太古の時代より頻繁に起きていたことだと知ると、「何かのきっかけでいつの時代でも起こり得るもの」と冷静に捉えることができ、不必要なストレスを感じなくていいのではないかと思います。

そして、頻繁に起こるものを完全に止めるのは難しいのではないかと思います。それにこれだけ壮大なスケールです。「もう何をやってもダメだ」と思うのも無理はありませんが、「大難を小難に」という言葉があるように、今必要とされているのは、天変地異や被害を「0にする」ことではなく、「最小限に食い止める」ことだと思うのです。

例えば地震の場合、震度7が震度5になったとしたら、被害の規模も変わってくると思います。その「7を5にする手立て」がもしあるのだとすれば、その可能性にかけてみたいと、私は思います。


(2)天変地異は連鎖している、関連性があるということ
もちろん上に挙げた5つの事例だけが全てではなく、まだ解明されていない種類のものにも同様の関連性があるだろうと予想されます。
何故ならそれらは"自然の営みの一部"でもあり、自然環境や食物連鎖の在り方を想像すれば容易に想像ができると思います。

そして同様に、これらが連動しているのだとすれば、天変地異のスタート地点はどこなのか、ということを考えた時に、現時点で分かっていることの中で言えば「温暖化」が大きな影響を与えていると言われていますので"災害のかたち"としてはここがスタート地点なのかなと思います。

しかし、その温暖化を引き起こしているのは何かと考えると、以前の記事でも様々取り上げたように、それは「人間活動」であり、「人の思い」ということですので、だとしたらこれが天変地異の本当のスタート地点に当たると思うのです。

であるのならば、大難を小難にできる可能性は、この「人の思い」を変えていくことによって与えられるのではないでしょうか。


つづく…


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