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プロデューサーごっこ。

2019年の一時期ですが、僕は拙いながらTwitterである活動をしていました。
それは「音楽を作っている方」の普及活動の様なものでした。
あえて「音楽家」や「ミュージシャン」という言葉を使わず、「音楽を作っている方」という周りくどい言葉を使っています。
理由は、プロやメジャーデビューを目指している方だけでなく、趣味で音楽を作っていたり、音楽を生業としていない方の音楽でも、良いものは広めたいなと思ったからです。

僕は音楽鑑賞が好きで、ジャンル問わず自分が良いと思う音楽を割と広く掘り下げて聴いていました。過去形なのがちょっと悲しいですが。
今は精神障害から無気力になっているので、以前より熱は無くなってしまいました。回復したら、またあの頃の様に没頭できるかな、、、。
ちなみに、プレーヤーに入ってる曲は約19,000曲、アーティスト、バンドの数で言うと大体885組
これは飽くまでプレーヤーに入ってる曲の数で、まだ入れてない曲やアーティストもあります。
BandcampやAmazonに入ってるウィッシュリストにもいっぱい追加しているので、それも入れると好きなアーティストの数は更にとんでもない事になります(汗)
ASDの発達障害者には収集癖があると言いますが、この数を見ると「もろに特性が出てるな。」と思います(笑)
良い音楽に仕事、趣味で作っているとか、国内、海外は関係ありません。

音楽は何気なく日常で流れてて当たり前に存在しているけど、広くて、深くてまるで大海の様だなと僕は思います。

わざわざ「”」を使って強調してみました。
ちょっとはいい言葉っぽく見えるかな?(笑)

あまり上手くは無いですが、実際に音楽もやっていました。
中高合わせて5年間合唱部でバスパートを歌い、大学生の頃はジャズサークルでかじる程度ですが、ドラムも演奏していました。

さて、普及活動をしてみようと思ったきっかけですが、TwitterのTLで見かけた音楽を聴いて、好きだと思った曲にコメントつきRTで感想を書いたら、稚拙な僕の言葉でも作者の方にとても喜んで頂けたのが始まりです。
それに、フォローしている方が「趣味で作ってはいるけれども、気持ちを込めて作った曲だから、少しは認められたい気持ちはある。」とつぶやいていて、「それなら僕が音楽を作っている方達の”推し”になれば、微力ながらお役に立てるんじゃないかな?」と思いました。
それまで曲を作って自ら発信している方は多く見た事がありますが、それをお手伝いするアカウント、特に複数の作り手さんを応援するアカウントを僕は見たことがありませんでした。
そして需要があるかもしれないと考え、僕はやってみる事にしました。

加えて僕には大学生の頃に夢がありました。
音楽レーベルに就職し、アーティスト、バンドの新人発掘をして自分の好きなミュージシャンがメジャーデビューする手助けをしたい!
無論自分がただ好きだと言う理由ですぐにデビューはさせられませんが、業界に所属している事で何かしらのアドバイスは出来るかもしれないと思いました。
大学生の頃僕は東京に住んでいたので、当時流行っていたmixiやMySpaceで色んなバンドを掘り下げて、SNS上で交流をしながらライブハウスによく足を運んでいました。だから推したいバンドが沢山いました。
しかし、音楽事務所への内定は狭き門の上に、希望者が多くて書類選考すら通りませんでした。

その後、僕は音楽業界を諦めて別の業界も受ける訳ですが、僕はそこから「元々酷いと思っていた社会的能力が、それ以上に致命的であった。」と思い知らされます。
何十社も受けて書類選考が通ったのはたったの2社
しかも両社とも二次面接で落とされました。
いくらリーマンショックの影響で就職難だったとは言え、周りの多くの同級生は最終選考までは行ってましたし、大体は苦労しながらも何とか就職にこぎつけていました。
卒業後は極貧生活を送りながら、ブラック企業に就職しました。
名ばかり管理職のコンビニ店長として、ボロ雑巾の様に働かされる未来が待っているのですが、その頃の話はまた気が向いたら吐き出させて頂きます。
あまりにも苦痛過ぎて今は記憶が飛んでますし。
その中でも、自分が少しは楽しく思えてた事は覚えてるんですけどね。

あとは、短期間ながらインターンに近いものにも、学生時代に参加したことがあります。
これもmixiのコミュニティで見つけたのですが、メジャーレーベルのプロデューサーの方が顧問でやっている団体でした。
その中でやっていて楽しかったのは、独自のサイトで次に来そうなアーティストを紹介するランキング作り。
5人くらいの学生で毎週おすすめのアーティストを出し合い、紹介文を書いていました。
自分のやりたい事が出来ていたので夢中になっていましたし、自分が知っているバンド以外にも、インディーズレーベルのサイトにあるアーティストの曲を片っ端からひたすら全部聴いて厳選していました。
ただフェスの会場案内と、アーティストさんのライブでの、プロデューサーさんやDJの方の付き人のお仕事が上手く出来ませんでした。
空気を読んでお酒を持って来たり、他にもきめ細やかに素早く気配りをしなければいけなかったのですが、そうしたい気持ちはあってもどう行動していいか解りませんでした。
僕は、ただただ突っ立っている事しか出来ない自分に、無力感を覚えました。
指示を頂いたとしても、轟音で鳴っているDJさんの音楽の中で一回で聞き取って、すぐに行動しなければいけませんでした。
ASDとHSPの特性を持っている僕にはとても困難なお仕事です。
ただ、少しでも自分の憧れた仕事の一部を体験出来て、今は良い思い出になっています。

その頃は発達障害の「は」の字も知らなかったなあ。
ネットで「アスペ」という言葉が、やや蔑称的に使われているのは見たことがありましたが。

Twitterでの活動を始めた頃は、たとえ真似事でも、少し音楽関係の仕事をしている気分になれました。
僕はまず、色々な方の音楽を聴いて出来るだけ沢山コメント付きRTをして、作り手さんを積極的にフォローしました。
その当時は固定ツイートにも、「色々な音楽を作っている方達の普及を少しでもお手伝いしたいと思っています。目指せ音楽のメルティングポット!」と記していました。
自分のRTだけでは影響力が無いので、一時期フォロワーさんが多い方がよくやっていた「このツイートをRTしたら、リプライでRTしてほしいあなたのツイートを教えて頂き、RTします。」と言う企画に参加し、作り手の方の音楽のツイートをRTしてもらいました。
リプライで「音楽を作っている方の普及を目指しております。RTお願い致します。」と送ると、「素敵な活動ですね。」と仰って下さる方もいました。
中には「司寺さんの知っている音楽はいいですね。フォローします。」と仰って下さった方も、時にいました。
「僕なんかよりも作り手さんをフォローして欲しいな。」と思いながらも、やはり自分に興味を持って頂けたのは嬉しいものでした。
また、「僕のアカウントで色んな作り手さんが繋がるきっかけになればいいなあ。」と思い、映像作成をしている方、イラストを描いてる方、写真を撮っている方も積極的にフォローし、RTしました。

ここまで活動を続けていたら、自らフォローしなくてもフォローして頂ける機会が少しずつ増えて来ました。
しかし、ここで課題が出てきました。
作り手のフォロワーさんは増えたけど、肝心の聞き手のフォロワーさんがかなり少ない事に気づきました。
作る方は音楽を聴くのも好きですから、作る方もまた聞く方です。
しかし、より曲を聴いて貰うには、リスナー寄りのフォロワーさんも必要だと思いました。
また、フォロワーさんのフォロワーさんにフォローされる事が多く、「もっと違った方面の方からフォローして貰わなければ、普及にならないな。」と僕は考えたのです。
そこで僕は、ちょうど発達障害と診断された時期だったので、プロフィールにASDである事を書き、発達障害者の方とも繋がれる様に動きました。
ただし、それだけが目的ではありませんでした。
僕の周りには当事者で交流できる方がいなかったので、自己理解の為にも、他の発達障害者の方がどう生きていて、どう生きてきたかを知りたかったのもありました。
当事者の方に押し付けがましく音楽を聞いてもらおうとすれば、引かれてしまうので、まず「当事者同士で気持ちを分かち合ったり、情報交換をしながら発達障害者としての僕を知ってもらえたらいいな。」と思いました。
そのついでに、もしその方の気が向いたら、「僕が紹介、RTしている音楽も聴いて頂ければ嬉しいな。」と考えていました。

その活動の結果ですが、実はその時期に就労移行支援事業所に通いだしたので、ツイ活する余裕がなくなってきました。
ですから、当事者の方にも音楽に興味を持ってもらえるかどうかの前に、活動内容が薄くなっていきました。
ただ、発達障害者としての自分をさらけ出すことで、元からの作り手のフォロワーさんから、「実は自分も当事者なのだけれど、辛さを解ってもらえなくて苦しい思いをしている。だから発信してくれると共感出来て嬉しい。」「実は自分の子供も発達障害者なんです。」という様な事をDMで僕に打ち明けてくれて、「心を開いて信用してくれてるのかな?」と嬉しくなりました。

活動内容が薄くなったその他の要因として挙げられる事は、フォロー数を一気に増やしすぎてしまい、全ての曲を聴く余裕も無くなった事です。
RTといいねするのが精いっぱいで、ちゃんと曲を聴いて自分の言葉で感想を言う事が無くなってしまいました。
最初のほうで僕は音楽を大海に喩えましたが、僕は音楽と言う大海に飲まれてしまったのです。
活動がずさんになると、ご新規でフォローして頂く方も段々そうなってきました。
DMには「聴いてほしい。」と言う言葉がなく、「RT、Youtubeのフォローをお願いします。」、「相互フォローしませんか?」と言うメッセージだけ来るようになりました。
数を増やす事が目的になっていて、聴いてもらう事を忘れてしまっている方ばかりが増えていきました。

そんなこんなでモチベーションが保てなくなってきたのですが、極めつけは膨大なTLの投稿に埋もれて、昔から好きだったインディーズバンドの解散に気づけなかった事に僕はショックを受け、「何を自分はやっているのだろう。」と思い、僕のプロデューサーごっこは幕を閉じました。

今はnoteをゆるく始めたこともあり、Twitterにもぽつぽつとツイートしたり、TLで流れた音楽で良いと思った曲はRTします。
最近また少しだけコメント付きRTで曲の感想を書いたのですが、リプライで喜んで下さって、自分も嬉しくなりました。
音楽に対しての興味も少しだけ戻りつつある気がします。
ただもう無理はせず、ちゃんとスキと言えるものをスキと発信しようと思います。
自分が少しでも心から感動出来たものを発信して、ついでにもしも誰かに喜んでもらえればそれでいいかな。
そう考えることにします。
僕はテキストにも曲を載せてますが、たまに良いと思った音楽を動画投稿しています。そちらはTwitterで知って気に入った曲です。
気が向いた時にでも聞いてくれたら嬉しいです。

今回の曲は「大海」から連想して、Seven Seas by Avishai Cohen
テキストに載せる曲は、出来るだけ歌詞のあるものにしたかったけど、今回はインストのジャズです。
書きながら出てきた言葉から曲を連想しているのですが、「思いついた時は最後に曲を載せる」と言うことをやっています。
僕がジャズで初めて買ったCDは”Avishai Cohen『As is...Live at the Blue Note 』”です。Avishaiはベーシストなのですが、ライブメンバーのMark Guilianaのドラムプレーを見て、ジャズドラマーのテクニックに感動しました。
今回の動画で叩いてるのはDaniel Dorですが。
勿論Avishaiが作る曲そのものも好きです。
約5000字も書いてしまいました。長文なのに読んで下さった方、ありがとうございます。お時間よろしければ1曲聴いていって下さい。


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