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太田酒俱楽部オンラインマガジン

全国の居酒屋をめぐり、数多の著作を世に問うてきた 居酒屋探訪家・太田和彦のオンラインマガジン。 毎月2回更新される「コラム」「フォト日記」「太田図書館」「お便り交歓室」など多彩な…
好評の「コラム」「フォト日記」に「太田図書館」「お便り交歓室」を加えた、太田さんの魅力たっぷりの品…
¥330 / 月
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#居酒屋

盃つまんで Vol.62

演劇「少女都市からの呼び声」 七月二十日、新宿に演劇「少女都市からの呼び声」を見に行った。  唐十郎率いる状況劇場が新宿花園神社境内の紅テントで一九八五年に発表した「少女都市」を、そこ出身で劇団梁山泊を立ち上げ、紫テントで唐演劇の継承を続けていた金守珍が「少女都市」を自主的に内容拡大して唐の前で演じ、刺激された唐が新たに書いたのがこの「少女都市からの呼び声」だ。

太田図書館 #38

フォト日記 Vol.60

盃つまんで Vol.61

野外劇「丹下左膳,23」 新宿花園神社の境内で行う野外劇は、一九六七年、唐十郎率いる劇団状況劇場が紅テントを張って「月笛お仙 義理人情いろはにほへと編」を公演したのが最初だ。まだ大学生だった私は、入口で渡されたビニール袋に履物を入れ、敷き茣蓙にぎゅうぎゅう詰めに押し込まれて見た舞台に決定的な衝撃を受けた。その後、紅テントは新宿を追われ日本中、さらに海外で流浪の公演を続けたが、そのうちまた戻り、さらに他の劇団もここで野外劇をするようになった。

太田図書館 #37

フォト日記 Vol.59

盃つまんで Vol.60

「甲斐荘楠音」展 「かいのしょう・ただおと」(1894~1978)の名を知ったのは、私が溝口健二監督の映画を集中して見ていたときで、美術、衣装、風俗の時代考証者としてクレジットされ、本物に厳しい溝口に応えられる専門家と思っていた。

太田図書館 #36

フォト日記 Vol.58

盃つまんで Vol.59

マティス展 東京都美術館に「マティス展」を見に行った。8月20日までと、まだ会期はあるが、いつもぎりぎりになってしまうので今回は早めに。  というのも見逃せないから。中学生のとき美術教科書に載っていたマティスにすっかり魅せられ、以来最も好きな画家となったのだ。その絵「エジプト風カーテンのある室内」は、右側が赤と緑を基調の大柄のカーテン、左窓外の緑と濃紺のヤシの葉、室内窓下の机に置いた黄色のレモン、地色は黒で引き締めた色彩コントロールがすばらしい。立体感のない構成的なベタ塗り画

太田図書館 #35

フォト日記 Vol.57

盃つまんで Vol.58

松岡美術館周辺 松岡美術館を作った松岡清次郎は明治二十七年、築地の米穀商の三男に生まれ、貿易、倉庫、ホテル、不動産などで富を築き、八十歳を機に収集品を展示するこの美術館を建てた。一階は古代オリエント、東洋彫刻、現代彫刻を常設展示、二階は企画展示と、常に両方を見られる。入ってすぐの広い円形ロビーはいくつも彫刻が立ち、奥の日本庭園からは外光が射して明るく、女性バイオリニスト二人のミニ演奏を聴いたこともあった。

お便り交歓室 Vol.25