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「考える」を「問う」から始めてみよう

東京銭湯 - TOKYO SENTO -」の活動で知り合った、サウナーでライターのおゆちゃんが、自分でインタビューをした記事を上げていました。

SNSでたくさんの情報に触れるうちに、「自分の意見」がなくなってしまっている気がする、もはや自分の頭で考えることが出来なくなっているのかも…?という不安を持つおゆちゃんが、梶谷真司さんという哲学の教授に相談に乗ってもらうという記事です。

私は「考えるってどうしたらいいんだろ」と日頃からぼんやりとずっと思い巡らせているのですが、梶谷さんの記事がヒントになりそうな気がしたのでnoteに書いておきます。

おゆちゃん:早速なんですけど、最近「自分の意見」がよくわからないんです。

先生:どうしてそう思うようになったの?

おゆちゃん:SNSを頻繁に使うようになったことが原因かなと思っています。前よりも入ってくる情報量が多くなったことや、著名人がTwitterで発信しているのを見ていると自分の言葉で発信することがこわくなってきてしまって……。

先生:何がこわくなったんだろう。

冒頭を読んでいると、インタビューされる側の梶尾先生に、逆におゆちゃんが質問されていることに気付きます
「そもそも自分の意見って一体なんなの?」と疑問と不安でいっぱいのおゆちゃんに降りかかる、さらなる質問たち。

先生:例えば「学校に行く」って、大学まで行ってるほとんどの人にとっては「当たり前」のことでしょう。でも、そもそもどうして行かなくちゃいけないんだろう。

「なんで?」って聞かれているのを読んでいる私も「あれ、なんでだっけ?」なんて思ってしまいました。

考えるのが仕事の人が、ずっと問うている

さらにおゆちゃんに、梶谷先生のこんな記事も教えてもらいました。
本当に「私以外私じゃないの」か?東大の哲学教授・梶谷真司先生に聞いてみた
(もう組み合わせが面白すぎる。ライターさんてすごいなあ。)

こちらの記事でも、インタビューされているのはむしろインタビュアーの方なのでは…?と思うほど、先生の方が問いを投げかけまくります。

わたし以外がわたしの場合ってたとえばどんな時があると思う?

なるほどね。他にもある?

脳とか、気持ち、ですか。記憶はどうですか?

じゃあもしも、記憶がなくなったらその人はその人じゃなくなるってことになると思いますか?

などなど。この後も、ずっと問うておられます。
答えているのはやはりずっとライターの方。
そして最後には、ライターの方が自分自身で自分なりの結論にたどり着きます。

記事の中で梶谷先生は「哲学者は考えるのが仕事」と言っています。
考えるのが仕事の人が、問いまくっている。これは何かヒントになりそうです。

デザインのプロジェクトでも力を発揮する「問い」

そういえば、DSCLのデザイン手法をまとめたDSCL METHOD CARDSにも「問いを定め、方向性を決めよう」というカードがあります。(急に宣伝になってしまった)

これは、プロジェクトで扱う課題を「私たちはどうしたら○○○できるだろうか?」という問いに変換し、視点を新たにするプロセスです。プロジェクトメンバーの「これに取り組むぞ!」という意気込みを支える役割もあります。

特に作るものがまだ見えていないプロジェクトでは、まず「問い」を設定することが多いです。「答えを出したいなら、まず問いを設定すべし」とも言えます。

問いかけなくして答えなし

私の日頃のぼんやり事「考えるってどうしたらいいんだろ」のスタート地点は、どうやら「問う」とするのが良さそうです。
前述の記事にも「考えるきっかけは『なぜ』から始まる」とあるように、「問う」から始めるのは特別な考え方でもないのですが、2つの記事を読んで改めて「問うー(考える)ー>答える」という図式がしっくりときました。

(もし、考えたくないって時は、寝るとかなんとかして問うのを抑えれば良いのかも。「なんでこうしちゃったんだろう…」とか無限に問いかけちゃってることって私はたまにある。)

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梶谷先生の本も面白そうなので、社内勉強会のテーマにしてみたいな〜なんて思っています。


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