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信念対立を解決できた

私は作業療法士として働いています。

リハビリの仕事をしていると
「上司や先輩が意見を聞いてくれない」
「正しい事をしているのに反対される」
「意見が対立して話が進まない」

そんな経験はないでしょうか?

連携が必須のリハビリ職では
意見の対立はよくある事です。

さらに言うと、信念を持って
熱心に働いている人ほど
対立する傾向にあるようです。

このような"信念対立"を解決へと
導く視点を、経験も踏まえて解説します。

【キーワード】
①構造構成主義という考え方
②相手と自分の役割・信念を確認する
③対立相手とのコラボ(妥協案)を導く
④悪意のある人は相手にしない


職場の人などと対立が起きる上で
まず初めに考えたことは
「なぜ人は対立するのか?」という事です。

これは構造構成主義の関心相関性という
考え方を用いて説明をする事ができました。

関心相関性の原理とは、
人はそれぞれの関心や欲望によって
物の見方が決まり、絶対的な存在や価値はない

という考え方です。たぶん。

つ・ま・り…
自分と相手はそれぞれ正しいと思う
不確かな意見を言い合っているだけで
どちらの方が正しいかという視点は
さほど重要ではないようです。
※非倫理的な逸脱した意見は除く


さて、人が対立するということは
具体的にどのようなものがあるのか
僕の実体験で説明したいと思います。

[実例]ーーーーーーーーーーーーーーー
新人OTが作業療法を熱心に実践しようと思い
園芸(野菜作り)活動をしたいとリハ主任に
提案しました。
しかし、「それはさせられない」と断られ
機能訓練に時間を使うよう指導されました。

ここで信念対立が生じました。
新人OT:OTが作業療法を提供するのは当然
リハ主任:作業活動より身体機能を上げてくれ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それでは、どうすれば良いのか?ですが、
お互いの意見は正しい前提で説明します。

◎まずはお互いの役割を確認しましょう

新人OT→作業療法士としてリハビリを提供する

リハ主任→リハビリ科のリスクや加算の管理等

[実例]のケースでは
リハビリ主任は「リハビリ科の組織内での
立ち位置と売上(責任)を守りたい!」という
信念があり、新人OTには「対象者のために
作業療法実践をしたい!」という信念があり、
お互いの意見が対立していました。


◎互いのホープを導き、対立者のニーズを導く

対立者の役割や信念を想像することができたら
"なぜ自分の意見に反対するのか"を考えました。

[実例]のケースでは、リハビリ主任は
「機能訓練をやりなさい」という意向を
示しましたが、言葉にとらわれずに
僕(新人OT)に何を求めているのかな?
と考え
相手のホープを引き出すようにしました。

すると…
症状詳記(回復してますよという事)が
書けないと加算に影響する!という
リハ主任の懸念要素に気付きました。

そ・し・て…
相手のホープを満たしながら
自分のホープを満たせる妥協案
提案することにしました!

ただし!ここで大切なのは、
必ず対立者と話し合える状況である事。

※交渉困難な関係まで悪化している場合は
仲介人を立てたり、対立者と対等に話せる人に
相談した方が良いと思います。


[実例]のケースでの妥協案をお話しすると…

加算を満たす訓練を実施してリハ主任を安心させた所で…費用が最小限で済むような園芸の方法を提案して、さらに助言をお願いしました。

す・る・と…
小規模な園芸活動の導入が実現し、
参加者が徐々に拡大する展開となりました。

この交渉で意識したポイントを
以下にまとめてみました。

【ひとくちメモ】
☆リハ主任のホープに応える
☆組織のホープ(費用)に配慮する
☆対象者の作業療法の拘り(自ホープ)は保つ
☆主任と部下としての体裁を守る

しかし、全てが解決できるとは限りません。
純粋な悪意を持って対立する人もいます。

◎悪意のある人は放置しましょう

悪意を持って悪戯に対立している人は
解決できることは限りなく困難と言えます。

エネルギーの無駄遣いですので、放置です(笑)


信念を持ってリハビリをしている
作業療法士の人はたくさんいますが、
多くは対立を機に挫折を味わっています。

上手に組織内で立ち回り、
みんなWin-Winになるような
建設的な話し合いを常にする事が
優秀なセラピストになるためには
必要不可欠だと今では気付けました。

少しでも本記事がお役に立てれば幸いです。

※参考程度にお読みください。
※記載内容はOT肩幅の私見です。



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