見出し画像

freeeが福利厚生を考えるときの3ステップ「おうち育児休暇」を4日でリリースした裏側

コロナウイルス蔓延の影響で休園・休校が増える中、先日freeeでは「おうち育児休暇」を新設しました。残有給が5日以下になった直雇用メンバー(正社員・契約社員・アルバイト・インターン)に対し、上限5日の有給休暇を付与するというものです。対象は小学校3年生までのお子さんを持つメンバーです。

なぜ5日以下に限定するの?上限5日で足りるの?小学校4年生以上はどうなるの?など、いろいろな意見もありますが、労務的観点や小学生のオンライン授業の状況なども踏まえfreeeではこのラインを定めました。

このラインの妥当性は、業界や企業ごとの働き方によって変わってくると思います(freeeでは現状リモートワークが中心です)。なので、制度の妥当性をここで強調することはしません。ただ、この社会的な危機的状況を打開するために、社内のステークホルダーが必要十分なコミュニケーションをし、スムーズに制度設計できたことは今後も誇れることだなと思い、その裏側にあるfreeeの福利厚生ポリシーについて「あえて共有」してみたいと思います!

ちなみに、上記の記事にある、おうち育児制度の言い出しっぺであり、育児当事者ではない秋山がこのnoteを書いています。社内のあらゆるステークホルダー(労務担当者、直属のマネージャー、経営陣、リーガル)に知恵を借りながら、福利厚生ポリシーを使いながら、どう検討していったのか、お伝えできればと思います!


福利厚生ポリシー(3ステップ)

  1. メンバーサクセス3軸のいずれかに当てはまる

  2. 効果>コストだと言える

  3. ガバナンスチェックをクリアしている

メンバーサクセス・コスト・ガバナンスのクリア条件に応じて導入を意思決定している

2021年10月に福利厚生ポリシーを定め、今回の「おうち育児休暇」もこの考え方に則って検討を進めました。一個ずつ説明していきます。

メンバーサクセスポリシーに当てはまる


そもそも福利厚生とは、用途が決められた非金銭的報酬や休暇制度のくくりであり、その特性上会社からのメッセージが否応なしに込められるものです。例えば、「書籍費用を会社が負担する」= たくさん本を読んで学習・成長してほしい、「ドリンク代無料」= 買いに行く手間を省いて生産性高く働いて欲しい、「10年働いたらリフレッシュ休暇」= 長く働いて欲しい。などなど。

つまり「会社が定める福利厚生=こうゆう風にメンバーに働いてほしいという会社からのメッセージ」でもあります。

freeeではこのメッセージを意識し、福利厚生としてどうあるべきか?の前に、メンバーにどう働いてほしいのか?を言語化した「メンバーサクセスポリシー」を定めています。メンバーサクセスポリシーに当てはまる = 会社としてのメッセージングが正しい= 福利厚生としても妥当である というアリストテレスも首を縦にぶんぶん振るであろう、素敵な三段論法です。

具体的なメンバーサクセスポリシーは以下の3つで構成されています。
「ミッションにワクワク」
「信頼できる仲間との関係性を築く」
「インパクトを通して成長し続ける(柔軟な働き方と成長加速)」

具体的なメンバーサクセスポリシーとそれに当てはまるfreeeの福利厚生をマッピングしたもの

今回の「おうち育児休暇」は、「インパクトを通して成長し続ける(柔軟な働き方と成長加速)」の柔軟な働き方に該当します。

効果 > コストだと言える

効果>コストのバランス検証する観点

メンバーサクセスの観点でチェックが終わったら、次にコスト観点を見ていきます。できる限りメンバーには良い環境で働いて欲しいと思う反面、企業運営上の予算もあります。優先順位をつけて施策検討するために、主効果と副次的効果に分けた上で、何にどれだけ効果をもたらすのか検討します。

ここで難しいのが、福利厚生のROI(Return On Investment)いわゆるコスパの考え方です。福利厚生の特性上、すぐに効果が見えなかったり、定量的な効果として測りにくいものも多分にあります。一概に一施策のROIを10万円!など決めれません(決め方しってるぜ!!!って方いたらマジで一回焼肉奢るので教えてくださいmm)。
そこで、NGゴール=誤った効果の例を設け、間違った方向に施策が流れる可能性がないか確認し、あとは予算見積もりをして、これならいける!やってもよい!と腹極めしています。

ここでもう一点ポイントになるのが、どんな施策も「トライアル前提」で導入するということです。導入してみて、やっぱりこれはコスパわるかったな…となった際に、見直しできる前提で施策をスタートするようにしています。期待値調整とっても大事。(これは以前DeNAさんに福利厚生についてのヒアリングをさせていただいた際に知見をお借りしました。ありがとうございます!)

今回の「おうち育児休暇」の場合、対象人数や休暇日数、事業インパクトを加味した上で、コストに見合う効果だと判断しました。

ガバナンスチェックをクリアしている

そして最後に、ミッションやバリューを毀損しないか、D&I(ダイバーシティー&インクルージョン)の観点から偏った施策になっていないか、を確認します。

どんなに働きやすい環境やメンバーが喜ぶ施策であっても、そもそもfreeeが目指すミッションから遠ざかるものは導入しません。

さらに、D&Iの観点も重要視しています。福利厚生として会社が何かしらの金銭的補助をするとなった時点で、「会社がそれを推奨している」というメッセージが放たれることになります。メンバーサクセスから離れたところで一部の人の在り方を推奨する制度は導入すべきではない、というのがfreeeのスタンスです。

今回の「おうち育児休暇」の場合、ミッションを毀損するものではありませんし、D&Iの観点からも問題ないと判断しました。

また、3ステップ全てを満たしていればもちろん導入しますし、一部満たしていない場合は条件付きで導入検討を進めています。例えば、メンバーサクセス強化につながらないが、コスパがよくてガバナンスチェックOKなもの(洋服のファミリーセールなど)は、既得権益化の恐れがあるのでトライアル前提で導入しています。

再掲)メンバーサクセス・コスト・ガバナンスのクリア条件に応じて導入を意思決定している

以上が、freeeの福利厚生ポリシーでした!

このポリシーを使って導入された福利厚生には、ジブングロースハッカー(5万円までキャリアビジョン達成含めて会社が金銭的補助をする制度)があり、noteにもまとめていますので、よかったらご一読ください^^


freee福利厚生ってのがあってですね….

そして最後に、freeeではスモールビジネスで働く人を応援するサービスも展開しています。社宅制度を簡単に導入できる、freee福利厚生です。詳細は以下の画像からどうぞ!

freee福利厚生のロゴ


 ↓ freeeでの取り組みをあえて共有していく「あえ共freee」よかったら、マガジン登録してください ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?