何のためにやってきたのか



高校野球。
春のセンバツに続き、いよいよ夏の甲子園まで中止になった。

そんなことがあっていいのか。
これは、中止を決定した高野連に対する愚痴なんかじゃない。
どこにもぶつけようのない気持ちを、ここに吐き出すだけ。

Twitterに書こうと思ったんだけど、140字じゃ収めきれなかったからこっちに書くことにした。
誰に宛てるでもないただの呟き。
暇な人だけ見てってください。

––––


わたしは特別野球に興味があるわけじゃない。
ただ父がプロ野球中継をよく見ていて、母が熱闘甲子園を熱心に見ていて、兄が昔から野球をしていたってだけ。わたしはずっとバスケ部だったし。
プロ野球ならまだしも高校野球においては、わたしはもはや全く知らない。

野球について分かるのは、ある程度のルールと
『Mr.FULLSWING』と『メジャー』と『おおきく振りかぶって』と、
『ダイヤのA』に描かれていたことだけ。

元々スポーツ漫画は好きだし、現実世界でセンバツが中止になったタイミングで、act2の途中から買えていなかった『ダイヤのA』を一気に買って読んだ。
単行本では今ちょうど、甲子園にむけての地方予選の最中。

『ダイヤのA』は実際の高校球児の心情をリアルに表している、と
甲子園出場経験のある人に聞いたことがあった。

(読んだことのない方はぜひ読んでみてください。めちゃくちゃ熱いんで。)



もしあの漫画の世界線で甲子園が中止になるとしたら。わたしはキャラクターたちの心情を考えただけで、とても悲しいよ。

1年時、人間的にも大きかった3年生の引退から学んだこと。
2年になってチームを背負って立つ様になったこと。
エースとしての在り方。
新チームにおける自分の役割。
ベンチ入りできなかった3年生の気持ち。
監督と選手の信頼関係。
春から夏にかけての精神面の成長。

彼らにとって野球の練習は、技術向上のためだけにあるわけじゃない。
甲子園出場はあくまで目標であって、それを目指すことによる自己成長の方が大事だったりする。
野球を通して得たものは一生の財産になる。

けれど、一生に一度の甲子園が無くなるのなら。
これまで選手たちは
何のために毎日球を投げてきたのか、球を追いかけてきたのか。
何のために毎日素振りをしてきたのか。
何のために、自分と向き合ってきたのか。


やりきれない。


––––

そして、
漫画で想像しただけでも絶対にあってはならないと思えることが、今この現実で起きてしまっている。

人生の長い目で見れば、甲子園が無くなったって人類はもちろん生きられはするし、今回の中止の措置は、人の命を守るための正しい判断であるのは間違いない。
そんなことみんなが分かりきっている。
仕方のないことだと分かった上で、気持ちがついて来ないだけで。

今までの全てが無駄になるわけじゃないけれど、高校球児にとって「甲子園を目指すこと」は、これまで生きてきた17年間で見つけた最も大きな生きがいだったはず。

わたしは甲子園を目指して練習に励んできた全ての高校球児にエールを送りたい。
今後どうなってしまうのか分からないけれど、引退まで2年半野球を続けてよかったと思える最後であってほしい。


––––


ひとつのことを最後までやり遂げると心に決めて本気で取り組める人は、一体どれくらいるんだろう。
まずそれを見つけられたことでさえ、素晴らしく偉大なことです。

高校球児を尊敬します。


大人たちは、
やりたいこと、本気で追えてる?

世界がこんなことになるなんて、誰も想像し得なかった。
想像できないことだって起きちゃうんだから、いつだって後悔の無いように生きたいね。


やりたいこと、本気で追えてる?


おおすかちゃんを!あなたの力で!生かしてたもれ!✌︎