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オトナの洋書多読クラブ(洋書のご紹介)

2018年の8月にそれまでの英語学習に、ネイティブがネイティブの児童向けに書いた書籍を大量に読む「洋書多読」を取り入れたことで、僕の英語力は飛躍的に高まりました。

41歳から始めた学び直し英語で英語コーチに転身できたことも、英検一級/TOEIC935点を取得できたことも、全て多読のおかげといって過言ではありません。

一英語学習者として、英語コーチとして、このパワフルな英語学習法である多読を一人でも多くの方に知っていただくべくお薦めするのですが、ほぼ必ずと言っていいほどいただくご質問が「子供が読むような本を読んで本当に英語ができるようになるのか?」というものです。

結論から言います。「なります」

でも、それだとあまりにも芸がありませんし、多読に対して懐疑的な方の心を開くこともできません。そこで、英語多読として推奨される児童書と並行して、児童書に対して抵抗のある方にお勧めできそうな大人向けの洋書をコツコツ読んできました。

本記事では、英語多読に興味のある方で児童書はちょっと…という方に、僕がこれまで読んできた大人向けの洋書の中で比較的易しいもの、内容に興味をお持ちいただけそうなものをピックアップしてご紹介しています。

各洋書には、読了後に僕がnoteに書いてきたレビューというか、読書感想文のようなもののリンクをぶら下げています。興味のある方は是非クリックしてみて下さい。

洋書は一応「順不同」で紹介していますが、なんとなく「やさしい順」に並べているつもりです。ただ、洋書から感じる難易度は読み手の英語力のみならず、興味や関心、日本語でその本を読んだことがあるかなどなど、いろんな要素に左右されます。あくまで「目安」として捉えて下さい。


本記事の内容やお勧めの書籍の情報は、適宜アップデートしていく予定です。誤字脱字の修正などのマイナーなアップデート以外は以下の【更新情報】にてお知らせしていく予定ですので、どうぞ何度もこちらの記事に足を運んでいただき、お気に入りの一冊を見つけて下さい。

みなさんが素晴らしい洋書多読ライフを送られますことを心からお祈りしています。

【更新情報】

2024年9月3日 記事を公開しました。
2024年9月14日 『The 100-Year Life」を追加しました
2024年9月24日 『Start with WHY』を追加しました


おすすめの洋書20タイトル(順不同)

Who moved my cheese?

邦題『チーズはどこへ消えた?』で有名な一冊です。

極めてやさしい英語で書かれており、TOEIC600点以上がゲットできる多読初心者の方にまずはお勧めしたい一冊です。

本書で「うんとやさしい英文を大量に読む」「辞書をなるべく使わない」などのいわゆる「多読三原則」的読み方を身につけていただければと思います。

The Alchemist

『アルケミストー夢を旅した少年』は日本語版もベストセラーとなったことで知られる、パウロ・コレーリョの代表作です。

著者はブラジル人ですので、純粋に英語ネイティブがネイティブに向けて書いたものという、多読の原則からは外れます。が、アラン・R・クラークによる『アルケミスト』の英語翻訳は、広く読まれ、多くの読者に愛されていることも事実です。

彼の翻訳は一般的に高評価を受けており、原作の簡潔で詩的なスタイルを英語でも保とうとしていますが、一部の読者や批評家からは、原文の微妙なニュアンスやリズムが完全には伝わっていないと感じる人もいます。

それでも、『アルケミスト』を世界的に広める大きな役割を果たし、多くの人々に感動を与えてきたクラークの翻訳は、英語学習者としての僕達にもまたとても大きな読書体験をもたらしてくれることでしょう。

Steal Like an Artist

「アーティストのように盗め」…。意味深なタイトルの本書はクリエイティブな仕事やライフスタイルに関する自己啓発書で、特にアーティストやクリエイティブな分野で働く人々に向けて書かれています。

オリジナルと思っているものは、実は模倣によって生まれているという事実を明らかにしてくれる本書。英語は読みやすく、挿絵も豊富ですので多読に慣れていない方にも「意味を推測しながら読む」という多読の原則に沿った読み方ができる一冊。

おすすめです。

The greatest salesman in the world

自己啓発書の古典ともいうべき『The Greatest Salesman in the World』の著者オグ・マンディーノ(Og Mandino)はアメリカ合衆国出身の作家です。

僕の英語コーチングのクライエントさんはCEOや重役クラスの方などエグゼクティブの方が多いですが、本書はそんな方たちの心に響くような成功哲学やポジティブな生き方についての洞察を提供しています。

まさに「大人の洋書多読」にぴったりの一冊だと思います。古い言い回しの英語を用いて書かれている箇所もあるので少し骨が折れるかもしれないですが、地の文はシンプルなものです。是非手に取ってみて下さい。

FACTFULNESS

2019年1月に日経BP社から出版された『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の日本語版は、いまだに大型書店等で平積みされている超ロングセラーです。ご存知の方も多いんではないでしょうか。

世界に対する誤解を正し、データに基づいた考え方を提唱する本書は、世界中で多くの読者に影響を与えました。

著者はスウェーデンの医師であり統計学者であるハンス・ロスリング(Hans Rosling)博士。ですのでネイティブが書いた英語ではありませんが、それがかえって本書を非常に読みやすいものにしています。

同氏のTED Talkと併せて、英語学習者にぜひともお勧めしたい一冊です。いい意味で、教科書みたいな綺麗な英語で書かれています。

The Culture map

フランスにある国際ビジネススクールINSEADの教授であり、異文化コミュニケーションやリーダーシップの分野で著名なエリン・メイヤー(Erin Meyer)による異文化研究の代表的な一冊です。

英語を国際的なビジネスの場で活用したい!と考えている人には絶対に必読の一冊だと思います。書かれている内容はもちろん、これくらいの英語を楽に読みこなせるくらいの英語力がないとグローバルなビジネスの場では生き残れないですよ(多分)という意味も含めて。

What I talk about when I talk about running

日本を代表する世界的作家村上春樹が、職業作家としての自分自身に「走ること」への洞察を通じて触れたエッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』。その英訳版です。

訳者のジェイ・ルービン氏の名翻訳は、村上春樹の深くて豊かな精神世界を著者の原文のイメージを損なうことなく英語で見事に描き出しています。この人の(村上春樹の)翻訳は職人技だと思います。

シンプルな英語でここまで深い世界観を表現できること。「抽象的なことを英語で述べるには深い文法的知識が必要だ」と勘違いしているそこのあなたに是非お勧めしたい一冊です。

Give and Take

僕の最も好きなautherの一人である、そして世界的に最も成功している心理学者の一人であるAdam Grant博士。そんな氏の代表作ともいうべき一冊が後述の『Originals』とこの『Give and Take』です。

あなたは人に「与える人(=giver)」ですか?それとも「奪う人(=Taker)」ですか?そして人生を幸福に、豊かに生きられるのはどちらだと思いますか?

一見スピリチュアルな主題に見えるこの命題に、心理学者として、エビデンスに基づいて答えるアダム・グラント氏。本当に素晴らしい学者さんです。

Originals

『Give and Take』と甲乙つけ難い、あまりに素晴らしすぎるアダム・グラント氏の著書をもう一冊ご紹介します。こちらも超おすすめです。

独創的な人(Oroginals)って、意外と我々のような一般人とあまり変わらないですよ、というのが本書の主題。それを膨大な資料と比較的読みやすい英語で解説してくれるアダム・グラント氏の著作は、英語多読を学習に取り入れたい大人の英語学習者に強くお勧めしたいものです。

氏の端正な英語は、文字だけでなくこちらのTED Talkでも視聴できます。氏のTED Talkの多聴と併せてシャドーイングやオーバーラッピングで磨きをかければ、世界に通用する英語力を手に入れられるのも時間の問題なんじゃないでしょうか?

Start with WHY

言わずと知れたSimon Sinekの名著です。

下のリンク先レビュー記事にも書きましたが、本書は規模の大小に関わらずご自身でビジネスされているすべての方に特にお勧めしたい一冊です。

ビジネスをされていないかたも「合理的思考」の名の下に私たちがいかに私たち自身のポテンシャルを毀損しているかということを考えるいいきっかけになる一冊だと思っています。

WHYから始めることの豊かさ、パワー、そして素晴らしさを多くの人に本書を通じて感じていただくことができたなら、著者が言うように、この世はもっと素晴らしい場所になると思います。

The 100-year Life

大ヒットした『LIFE SHIFT』。その著者であるリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが人生100年時代を迎えた私たちに新しい世界の見方を提示してくれる一冊です。

平均寿命が伸長して来ている現代、一つの企業に長く勤めて一つのスキルに固執して生きることの弊害について警鐘を鳴らす本書。前時代的な価値観に凝り固まって生きている中高年にぜひ手に取っていただきたい一冊です。

年金だとか老後の貯蓄だとか、そういうものがいかに砂上の楼閣にすぎないか、そして実際にこのタフな世界を老いとともに生きていくために必要な真の豊かさとは何なのかについて強く再考を促す一冊になっています。

現実を見たくない、昭和の価値観に埋もれて新しいものを否定して生きていたいという方にはショックが強すぎるのでお勧めできないかもしれません…。

The 7 habits of Highly effective people

『7つの習慣』という邦題であまりにも有名な、スティーブン・コヴィー氏の大ヒット自己啓発本です。

僕はこの手の自己啓発本って日本語では読まないんです。日本語がちょっと退屈なんです。内容が嫌なのではありません。でも、英語だと不思議と楽しく読めちゃいます。

少なくとも本書に関して言えば、著者のコヴィー氏の熱量を感じるためにも英語で原書を読むほうがいい、そんな感じがしています。

せっかく多読を英語学習に取り入れている大人の英語学習者なら、日本語版はあくまで「答え合わせ用」として図書館か何かで借りてきていただいて、是非英語版を読みましょう。結構心を動かされるものがあります。

Tuesdays With Morrie

全世界900万人の読者を虜にしたという、超名作ドキュメンタリーです。ノンフィクションが好きという方にはまず手に取っていただきた一冊です。

不治の病を宣告された元恩師の元を毎週火曜日に訪問するニューヨークタイムズの記者。死に近いていくその恩師から生きることの意味を教えられる筆者の淡々とした筆致は、涙無くしては読み進められません。

ジャーナリストらしい、わかりやすい英語も多読におすすめ。琴線にダイレクトに触れてくるような試験では決して測ることのできない英語で書かれた本書。英語学習といえば参考書を読んで問題集をゴリゴリ回すことだという向きの英語学習者の方に是非手に取っていただきたい一冊です。

The Street Cat Named Bob

ここまでご紹介してきた多読用書籍とは一線を画する可愛らしい表紙のこの一冊。なんややっぱり子供向けの本かい!とお怒りになられる前に是非手に取ってみていただきたいです。

著者は元ドラッグ中毒のイギリス人ジェームズ・ボーエン。そんな彼が路上で拾った猫を飼い始めたことから更生への道を歩み始めるという、嘘みたいなノンフィクションです。

世の猫好きにお勧めしたい一冊でもあります。

とても読みやすい英語で書かれていますので、多読用書籍としてもお勧め。イギリス英語が若干読みにくいかもしれないですが、是非チャレンジしてみていただきたい一冊です。

What I wish I knew when I was 20

『What I wish I knew when I was 20』は、スタンフォード大学で教授を務めるTina Seeligによる著書です。本書は、若い人たちが社会に出てから直面するさまざまな挑戦や機会に対処するための実践的なアドバイスや洞察を提供しています。

英語的に彼女の生徒である若い人向けに書かれたものなので大変読みやすい一方で、イノベーションや創造性、起業家精神、意思決定といったテーマに焦点を当てた内容は大人のタドキストにもピッタリと言えるのではないでしょうか。

How to win friends and influence people

『How to win friends and influence people(邦題:人を動かす)』は、デール・カーネギー(Dale Carnegie)による古典自己啓発書で、1936年に初版が発行されましたがいまだに世界中で読み続けられていて、対人関係やコミュニケーションスキルの分野で今でも広く影響力を持つ一冊です。

日本語版をお読みになられたことがる方も多いんじゃないでしょうか?

本書本当に目から鱗の「人を動かす」ための知見に溢れています。それがこんなに読みやすい英語で、お手頃な価格で読める(Kindle版は100円程度)。手に取らない理由はありません。

How to stop worrying and living a life

こちらも前述の『How to win friends〜』同様デール・カーネギー(Dale Carnegie)による自己啓発書で、1948年出版です。悩みや不安に対処し、より充実した人生を送るための具体的な方法が紹介されています。

僕は本書を読んで割と救われたことを覚えています。その時に欲しかった言葉が豊富に書かれていたからです。現代を生きる多くの大人にとっての箴言に溢れている、そんな一冊だと思います。英語もとても読みやすいです。

Outliers

マルコム・グラッドウェルの『Outliers』は、成功の背後にある要因を探る本です。

英語は必ずもやさしいとは言えませんが、英語を学ぶ僕達にとってもある意味で示唆に富んだ視点を与えてくれます。

本書は「努力だけでは人間は成功できない」といういささかクールな事実を証明しようとするものです。が、英語学習だけはかけた時間が私たちを決して裏切ることはありません。獲得した英語力をどう活かすか、そこが成功者とそうでない人をわかつ、本書の主題ということになるんでしょう。

Atomic Habit

英語コーチとして個人的に最も推したいと思っているのが本書です。

英語学習者が、あるいは目標を持って何事かを成し遂げようとする全ての人が最も苦労するのが「習慣化」です。本書は世界中に数多ある習慣化に関する本の中の白眉、ベスト・オブ・ベストなんではないかと思っています。

習慣化に苦しんでいる人もそうでない人も、是非とも手に取っていただきたい一冊です。英語が難解と思う方は是非日本語で!

The chaos machine

『The Chaos Machine』は、ソーシャルメディアがどのようにして人々の心理や社会の構造に影響を与えているかを詳しく調査しています。具体的には、Facebook、Twitter、YouTubeなどのプラットフォームがアルゴリズムやエコーチェンバー(同じ意見ばかりが集まる空間)を通じて、情報の拡散や人々の意見の分極化、さらには社会的・政治的な混乱を引き起こしている様子を描いています。

本書は超難しいですが、超おすすめの一冊です。僕は本書を読んでFacebookとTwitterが怖くなり、アカウントを削除しました。今はお仕事の関係で別のアカウントを作成して復活していますが、それくらいパワフルな内容の一冊です。

1984(One-Nine-Eight-Four)

言わずと知れたジョージオーウェルの人類史上に残る名作です。ここまで正確に現代(=当時の未来)を予言した本はないんじゃないでしょうか。オーウェルの天才性が遺憾なく発揮された一冊です。

英語は意外と難しくありません。途中若干難しく感じるところはありますが、それは日本語で読んでも難しい箇所なので、そんなに気にしなくていいと思います。

とにかく物語の面白さに引き込まれてページを捲る手が止まらない、あの感覚を世界的名作を原文で読んでいるという高揚感と共にぜひ味わってみて下さい。

ここまで来れば、もうあなたも「大人の英語多読」の虜になっているはずです。

Spare

イギリス王室のハリー王子(サセックス公爵ハリー)によって執筆された自伝です。

タイトルの「Spare」は、王室の伝統的な表現「The Heir and the Spare(継承者と予備)」から取られており、兄であるウィリアム王子が「Heir(継承者)」として育てられたのに対して、自分が「Spare(予備)」として扱われてきたという自覚をあらわしています。

英語自体は一般的な話し言葉で書かれていますので、難解というものではありません。また、日本でもたくさん報道された事柄が記されていますので、背景情報の豊富さという意味でも内容に親しみやすく、読みやすいとは思います。

ただ、だからと言って簡単な本か?と言われると決してそんなことはありません。日本の芸能人なんかが書いた暴露本を読むように、イージーリーディングをイメージして手に取るとちょっと痛い目に合うかもしれません(個人の経験に基づく)。


ここまでお読みくださってありがとうございます。

ここに挙げた珠玉のオトナのための洋書たち。古今東西の名作を集めたこの全てを読めば、きっとあなたの英語も見違えたものになるでしょう。

そして願わくば…僕がそうであったように「こんなオトナの洋書がよめても英語がペラペラとしゃべれるようになんかなりはしない」という事実に気づいていただけると、この記事の執筆者としてこれほど嬉しいことはありません。

実用的な英語力=とりわけリスニング力とスピーキング力に効くのは、やはりネイティブの子供が読むような、易しい洋書に大量に触れることだと気づいていただけること(そしてそれが、世界中で「第二言語習得」のために最も有効な手段として認知されており、日本人と韓国人だけがほとんど排他的にシャドーイングだとか文法学習だとかで英語ができるようになると信じて疑わないという泣きたくなるような事実に目を向けていただけること)。

それが僕が「オトナの洋書」を読み続けるなかで得た暫定的な答えであり、おそらくこれからも変わらない普遍的な第二言語習得法だと思っています。

ま、そういうの抜き読んでもらっても、もちろんいいんですけど。だってどの本も全部面白いし。


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