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英単語を覚えるように、人と仲良くなる

日本にいたときと、海外を三年半経験したあとを比べて「変わったなぁ」と思うことのひとつに、「英語力」と「人間関係スキル」がある、と常々思っています。

英語力はまぁ、想像には難くないですよね。どんだけ英語が苦手だ嫌いだと言っても、ずっと使い続けていれば、誰だってそれなりに意思疎通はできるようになります。(日本人ばかりとつるんだりして英語使わなければ、海外にいても話せるようにはなれません)

ただ「人間関係スキル」が変わるって、ちょっとわかりにくいかもしれないですね。人付き合いとか人との距離のとり方って、根本的にはそんなに変わりはしないと思うからです。

「対人関係が苦手」にも本当に色んなフェーズがあると思いますが、僕の場合は「新しい人と仲良くなる」というのがとにかく大の苦手です。

しかも、旅に出る前は、自分一人だけが輪の中に入っていけないことに疎外感を感じてしまうっていう、自分で振り返ってみても実にうっとおしい傾向の持ち主でした。20代の頃とか、仲いい友達同士がぼく抜きでご飯食べにいってた、とか聞いたら激しく悲しんでいました(あぁうっとおしい)。

ただ、残念なんですが、旅や海外生活を経てそんな傾向そのものが変わって「誰にでも初対面でいきなり話しかけて、仲良くなれるようになりました!」みたいなことは、僕の身には起こりませんでした。

必要があれば仲良くなれる。人とも、単語とも

40数年間培ってきた性質、というのはなかなか治らない。だから多分、この傾向は墓場まで持っていくことになるんだろうな、とおもっています。

やっぱり寂しいものは寂しいし、仲良くなれるならそれに越したことはありません。

では僕の対人関係スキルの一体なにが変わったか?というと、「仲良くなるときはいつか仲良くなる」と割り切って、無理しなくなったということです。

これが、以前このnoteで書いた「上手な英単語の覚え方」に通じるお話でもるなぁとふと思ってしまいました。「どうしても覚えられない単語は、必要なときに自然と覚える(だからそれまで放っておく)」というものです。

…何十回と繰り返しであっているにも関わらず、どうしても覚えられない単語というのはあります。
そんな単語は「今のところ、覚える必要のない単語なんだ」と思って、ムリに覚えてしまわないようにしています。いつか、必要があれば覚えてしまうだろうと思っているので。
僕はむかし「condolence」という単語がどうしても覚えられませんでした。どういうわけか、何度暗記を試みても記憶に定着しない。脳がこの単語を拒否しているようでした。そういうの、ないですか?何度見ても記憶できない単語。
で、ある日職場のフィリピン人講師のご家族がなくなった日にチャットグループに流れてきた「I extend my heartfelt condolence to you.」という一文を見た瞬間に「スパッと」頭に入ってきました。多分、もう忘れることはありません。

無理しない

日本にいた時の僕は「仲間に入りたければ、まず自分が仲間に入ろうとしなくてはいけない」と思っていました。仲間に入ろうと言う意思表示をし、そしてそのコミュニティから仲間として承認してもらう。

日本では、公園デビューから会社の就活に至るまで、実にこの手続きに沿って「なかま」になっていくことが、暗黙のうちに求められています。

だから作り笑顔で、さして面白いとも思えない話に無理に相槌を打ってみせたりして、初対面から日が浅い人に「とりあえずはいい人」っていう印象を植え付けることに、一生懸命になっていました。

まあそこは「精神科ソーシャルワーカー」という仕事も手伝って、あんまり苦もなくできたし、今も出来るんです。ああいう仕事は第一印象が全て、と言っても過言ではありません。そんな世界で15年も働いていれば、ほとんど反射的に、いい雰囲気を醸し出そうとしてしまうようになります(みんながそう、というつもりはありません)

が、ただその後が続かないんですよね。

仕事や何らかのサークルで出会った人に、最初はそれなりの印象で話しかけることができたとしても、あとが続かない。建設的な関係までたどり着きにくい。僕はそんなに面白い人間でもないですし、大阪人なのに、そんなにとっさに面白いことも言えない人です。

で、気づいたら徐々に疎外感を感じるようになっている。そういうことを、転職先の職場でも、プライベートの集まりでも、数え切れないくらい経験してきました。

縁があれば、いつか会える

けれど世界一周を始めてみると、そういうコンプレックスって少しずつ気にならなくなります。まず、世界一周者同士、ということで旅先で、見知らぬ人と仲良くなれる可能性が高くなる。ぼくのようなおっさんでもです。

しかも世界中のバックパッカーと、っていうオマケつき。日本で日本人相手にちまちま悩んでいたのが馬鹿らしくなります。

とはいえ、日本人宿なんかに行ったりすると顕著なんですが、やはり中年バックパッカーである僕と積極的につるんでみよう!って思ってくれる日本人の若者はあまり多くないのもまた事実で、そういう場面に遭遇すると、ちょっとやっぱり寂しくなったりはします。(外国人というのはその辺の垣根があまりありません)

で、ここからが面白いんですけど、「縁がある人」っていうのは世の中には絶対にいて、そのとき仲良くしなかったとしても、行く先々の宿とか観光地でなぜか何度も偶然会ってしまうんです。これ、本当です。

前の日本人宿では「あーいるなぁ」くらいで全く喋らなかったひとと、旅先で何度も会う。そうなるとだんだんお互いが知らず識らずのうちに打ち解けちゃって、すごいしゃべるようになります。

あるいは、一度何かの拍子に連絡先交換して「久々に連絡取ってみようかなぁ」とふと思ってLINE送ってみたら、偶然同じ国の同じ街にいるとか。で、一緒にご飯とか食べ行って、旅が終わってからも日本で会いましょう!ってなったり。

そういうつかの間の別れと邂逅を繰り返しているうちに、「まあ縁があれば、いつかまたどこかで会うよね」(なければ、もう会わないよね)と思うようになっていきました。

目の前にいる人と「頑張って」仲良くなることの意味が、だんだんわからなくなっていったんです。

で、気づいたら「仲間の輪に入れていなくても、まあいいや」っていう自分がいました。

ただ、そういう人間って、外国人に対してならいざしらず、日本ではあんまりいい顔をしてもらえないって言うこともまた事実です。「なんだよあいつ、スカしやがって」「なんかあの人、暗いし感じ悪いよね。話しかけてこないし」ってな感じで。

僕の場合は外国で属した経験のあるコミュニティや仲間ってすごくあったかかったので、一人違うことしたり、超付き合いが悪くても、みんなとても仲良くしてくれました。

でも、野本さんのご本を読んでいたり、松井さん(Brighture English Academy CEO)の話を聞いていると、外国でできた日本人コミュニティって、日本人的な価値をきちっとその国に輸出しているみたいで、なんだか(逆の意味で)すごいなぁ日本人…って思ってしまいます。

モノのとらえ方のクセ

「仲間に入れない」=「わるいこと」という思考もそうだし、「仲間はずれ」=「さびしい」っていうのもしかり、「友だちが少ない」=「ダメなやつ」みたいなのって「思考のクセ」のようなもので、精神科的にはひどい場合は「認知の歪み」とか言って治療の対象になったりします。

そんなのは自分自身の経験に基づいて自分が勝手に作り上げた自動思考の回路にすぎない、ということに気づいてもらうんです。でも、日本を出る前までの僕は多かれ少なかれ、この自動思考にとらわれていたと思います。

別に「仲間はずれ」になったって死にやしません。昔は「村八分」という制度がありましたけど、それでも「残り二分(葬式と火事の消火)」はやってくれるわけで、命まで取られるわけではありません。

現代というのはそういう煩わしい人間関係を希釈していったところに成り立っている社会なわけで、それが「文明」ということの一つの表象なり帰結でもあるわけですから、周りに人がいなくて孤独や疎外感を感じたところで、それが直接の原因で死にやしません(間接的にはやられるかもしれませんが)。

そんなものに振り回されちゃってたあのときは辛かったなぁ。

そして、どうしてもまた今生活している日本で、同じようなことを感じるようになったら海外に行ってしまえばいい。世界には、異邦人に対して寛容でいちいちよそ者を排除したりしない国が山ほどあります。

今は四年前と違って「英語」っていう世界最強のコミュニケーションツールがあるので、(まだまだネイティブの小学生レベルですが)ローカルな人間関係で悩むのは、なんだか時間がもったいない感じがしています。

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40代で英検一級一発合格!世界一周経験者。海外在住歴3年半。 セブ島で、語学学校のスタッフをしてました。2020年2月に帰国して、富士山が美しい街に移住。 英語学習のこと、旅のこと、日本で生きるということについて書いています。写真は南極「ルメール海峡」

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