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SDGs x ビジネス - 中国企業編 -

こちらで海外のSDGsの動向も、順々に紹介していきたいと思っているのですが、私自身、中国で8年間仕事生活していたこともあり、英語を見るより中国語を見るほうのが得意なので、ともすれば中国のニュースが多くなるかもしれません。

ということで、早速今回は中国のニュースで見つけた「中国企業のSDGs実施状況」について紹介したいと思います。※原文記事はこちら

まず、中国語ではSDGsを「可持续发展目标(※日本漢字:可持続発展目標)」といいますが、中国最大手の検索サイト百度での検索結果では「可持续发展目标」が65,900,000件、「SDGs」が19,100,000件の検索結果となっているので、「可持续发展目标」の方が浸透している言葉なのかもしれません。

中国の国としてのSDGs取り組み状況は?というと、SDGsメディアさんの記事「2020年世界のSDGs達成度ランキング|目標ごとの成果と課題 」によれば、2020年6月に公表されたSustainable Development Report 2020(持続可能な開発レポート)において、中国は国別SDGs推進状況のランキングで、スコア73.9で48位だったようです(日本はスコア79.2で17位)。

そんな中、中国企業も国有・私有に限らず、社会責任報告(CSRレポート)でSDGsに言及している企業が徐々にではありますが、増えてきているようです。

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こちらはCSRレポートを公表している企業の中で、SDGsに言及している企業の割合を示した図ですが、2018年の11.02%から、2019年は13.70%、2020年は14.68%と徐々に増えてきていることが分かります。

次は、今回の統計がどのような企業からとられているのか、という内訳です。

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左から国有企業、半官半民企業、中央企業、民間企業、外資及び香港、マカオ、台湾系企業、その他という位置づけになります。
※「国有控股」は厳密には官と民の出資比率が50:50ではないですが、便宜上「半官半民」と表示しています。
※「中央企業」は中国国務院が出資・運営する企業、「国有企業」は地方政府含めた中国政府が出資・運営している企業です。

国有、半官半民、民間企業のSDGsへの言及が多い結果になっています。

続いては、SDGsについて言及している企業が17の目標のうち、どれを推進しているのかという図です。

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目標別にトップ3を見ると、目標8「働きがいも経済成長も」が最多で、目標12「つくる責任 つかう責任 」が2番手、目標13「気候変動に具体的な対策を」が3番手という結果になっています。

次にワースト3を見てみると、目標14「海の豊かさを守ろう」が一番少なく、目標15「陸の豊かさも守ろう」、目標2「飢餓をゼロに」と続きます。

続いては、本データの業界別分布です。

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左から製造業、電力、不動産、社会サービス、IT、採掘採鉱、交通・輸送、総合、金融、卸・小売という並びになっていますが、圧倒的に製造業が多いようです。先の目標別ランキングでも目標12が上位にきていたのもうなずけます。

一方で少ない順上位の14、15、2といったところは、水産業や食品系の企業が含まれていない(もしくは少ない)ための結果かもしれませんし、単に優先順位または興味関心、企業個別の事情などが原因なのかもしれません。

最後は各企業のSDGs取り組み度合いに対する分布図です。

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だいぶ意訳してますが、左から「SDGsを戦略に取り組んでいく予定」、「SDGの計画が定められている」、「SDGsの達成指標を作った」、「SDGsの達成指標や調査研究を公表している」、「SDGs目標達成の審査体系が確立している」、「定期的にSDGs実施状況を公表している」という感じになっています。

これをみると、SDGsの達成指標や定期的な取り組みや進捗度合いを公表している企業が確実に増えていることが分かります。

こちらは1つのデータでしかありませんが、中国でも企業がSDGsに関心を寄せ、具体的な取り組みを始めているということがお分かりいただけたと思いますし、今後は各企業の取組事例なども紹介していけたらと思っています。

※中国を中心としたアジアのサイバーセキュリティ事情、業界動向について綴っている姉妹ブログの方もぜひ!

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