見出し画像

ハードウェアを開発する企業に転職して見えてきたUXデザイナーのキャリアプラン

この度「キャッシュレス無人コンビニ」を運営する 600株式会社に良縁をいただきき転職させていただきました。
その意思決定をする上で見えてきた、自身のデザイナーとしてのキャリアプランについて書かせていただこうと思います。

これは私の今の決意表明のようなものなので、2年後に反省している可能性もございますが、これからのキャリアパスに悩んでいる同じようなデザイナーの皆様に良くも悪くも参考にしていただけるならば幸いです。

600株式会社とは?

今回転職した 600株式会社のビジネスを私の言葉で簡単に説明しますと。「ユーザーの最も近い場所に店舗を構え、ユーザーに合わせた商品を提供するキャッシュレス無人コンビニ」です。

詳しい説明はこの記事では省かせていただきますが、ご興味のある方は下記URより公式ウェブサイトをぜひご覧ください。

人間の24時間を奪い合う

ウェブサイトのUXデザインを行う上で、どうして避けて通れないのは。「アクセスするデバイス」です。

iPhoneやXperiaなどの端末から、iOSやAndroidといったオペレーティングシステム、さらに最近では多くのウェブサイトはGoogleというプラットフォーム上の一コンテンツと言っていいほど、上流のプラットフォームに支配されています。

尊敬するUXデザインの師匠に「サービスデザインの本質とは人間のもつ24時間というリソースの奪い合いである」という言葉を頂いたことがあります。

24時間の中で人間が「あのサービスを使おう」と考えて利用する回数は有限です。
ウェブサイト上のサービスというものは、まず「人間がデバイスに触れる時間」という土俵があってその上での勝負であることが多いです。

だからこそ、ウェブサイトは同じウェブサイト同士で、既存のデバイスに触れる小さな時間を奪い合うのではなく、リアルのサービスと競合し勝っていかなければいけない。
ユーザーがスマートフォンを手に取る時間という土俵自体を広げるサービスを作らなければいけない、という教訓です

手触りのあるところからUXをデザインする

しかし私たちは、その端末の手触りを変えたり、ディスプレイという枠を壊すことはなかなかに難しいです。
(SEOで上位表示されるために四苦八苦するといった思考も必要になってきます。これは非常に脳のメモリーを消費するタスクでした。)

そう言った上位にあるフレームのスキンを剥がしたところで、どういった体験がデザインできるのか?
直接、人間の指がふれ体温が伝わる距離感でどんなサービスを提供できるのか?は自分にとって非常に挑戦的なチャレンジだと考えています。

例えば、ユーザージャーニーを書くときGoogleやAppStore、OSのホーム画面を経由しないストーリーであったり、タッチポイントの指ざわり(触感)自体から設計できるということは、狭かった視座を高めるのに非常に良い経験となりそうです。

ウェブデザインのパラダイムシフトは既に始まっている?

しかしながら一歩引いた目線から見ると、いままでウェブに閉じていたと思っていた多くの優れたウェブサービスは、すでにリアルと融け合っているという事例が多いです。

・リアルな決済体験を設計する、LIEN PAYやメルペイなど。
・スマートスピーカーやタブレットを通した総合体験を設計するAmazon
・ボードゲームなどのリアルのマーケティングツールを活用するwevox

など、すでにディスプレイという枠を超えて体験設計をするサービスに多く気づきます。

これはつい近日まで、HTML上の体験設計に思考の大半を割いていた自分にとっては衝撃的な気づきでした。
すでに"サービスのUX設計"というものは、ウェブの枠を超えたところでの勝負が始まっているということに気づかないと、これからの時代で取り残されてしまうと痛烈に感じています。

デザインは空間と共にある

先日"Google Design Studio | comma"という展示を拝見しました。
ここでは「Googleのテクノロジーがいかに人々の暮らしに溶け込んでいくのかを探求していく」アート展示でした。

当たり前すぎる話ですがプロダクトはそれ単体でその空間に存在するのではなく、周囲のモノや環境と共にそこにあり、その空間と複雑に相互作用を起こしながらユーザーに影響を与えています。

これからのUXデザインにおいては、プロダクトとユーザーの1on1の関係性だけではなく、より3次元的な空間を意識した、奥行きのある体験設計が求められていくのだろうと考えています。

UXデザイナーとしてのゆるぎないスキルは「人間を知る」こと

デバイスや環境や前提条件というものはこれからものすごいスピードで変化していくものだと考えています。

そういった表層のレイヤーに合わせた最適化というものは短期的に必要ではあれど、長期的には劣化が早いスキルになっていくのではないかと考えています。
とくに過去、Flashの終焉を肌で感じた自分にとっては表層のフレームワークの知識にとどまるということの危険性を身をもって感じています。

では、長期的に揺るぎないスキルとはなんなのかというと、「人間を知る」という力に他ならないはずです。
少なくとも価値を感じる対象が人間である限りは、人間心理や行動原理などを深く知っていくことが長期的には役立つスキルになると感じています

おわりに

この記事を書くにあたって、既に600株式会社でのユーザーインタビューの経験やここで働くメンバーの皆様とのディスカッションが大きな知見となっています。

またハード系のご経験がある皆様にはこれから是非アドバイス頂けますと幸いですm(__)m

やはり成長には肌感に勝るものはないということで、これからは今までの記事とは少し違った目線での学びや体験談などをnoteでご提供できればと考えておりますので、どうぞご期待いただけますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?