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まんがガタガタ道3 どうしょもないアシスタント

先輩アシスタントたちが皆、独立してしまい21歳でチーフアシスタントになっちまいました。あの一番画力のなかった私が!!(^◇^;)

チーフアシスタントになってしまったものの、私は教えるのが得意ではない。こんなもんパーっとやって見栄え良ければOKってな感じの指示したくらい。ただ出来上がってきたものに関しては、あーだこーだとうるさいタイプだと思われ。もっとここは黒く、もっとここは白く、あーパース狂ってるじゃねえか!原稿汚すんじゃねえ!パースの点に画鋲刺すだぁ?んなもん×描いてそれに向かって描けばいいだけだろがぁあああ!!とかなり荒っぽかったり。い、いや、そこそこ優しく言ってた、、はず。

どーーしょもないのも2人覚えています。おそらく編集部紹介で来たアシスタントだったと思うが、画力、速度はボチボチ。ただアシスタントをサボってもいいバイトのような気持ちで来ていたらしく、ある日、時間になっても職場に来ない。電話もない奴だったので、先生が迎えに行ったらちゃんと部屋にいたらしく、事情を聞くと単なる行きたくなかったから、、という事。そこで詳しい話を聞いたらしいのだが、どうも親と喧嘩して家出して、4畳で畳一枚ない3畳の部屋に寝袋一つしか荷物がないような。ある意味すごい経験してやがるなと思ったが、どうにもアシスタントの仕事をなめきっていて、自分一人いなくても何とかなるでしょと思ってるような。

翌日、そいつと先生のいない所で話を聞いたら、ここを辞めて女性漫画家のとこに行きたいと。はぁ????なんだそりゃ??

女に囲まれて仕事したいじゃないですか、と言われ、うん、そりゃそーだが(おい)漫画家になる気あるの?の問いには、特にないですね、とw

んじゃ勝手にしたらいいと思うが、先生には女性漫画家のとこに行くとか言うなよ、とアドバイス。言ったらそれこそエライコッチャの展開になりそうだし。

そして彼はマガジンの某漫画家さんのとこに行ってしまったが、なぜか後年になって、そこのアシスタントだったと人と知り合い、彼、どうだった?と聞くと、、、どMな感じでしたよとwww。そりゃ私に怒られるよりも、女性から怒られる方が嬉しいわな。こんな男ばかりの職場を辞めれて幸せになったんだね(笑)

まだこいつは害がないからいいが、もう一人、どーーしょもない奴が入ってきた。やはり編集部紹介でのアシスタントだったが、とにかく調子のいいおべっか使いの、やたらと賑やかな奴。これだけならまだいいが、先生が仕事場を離れて仮眠している時の作業中で、彼女と電話をし始める。当時は携帯電話なんぞないから、黒電話を仕事机に持ってきて、作業の手を止めてずーっと話してる。当然他のスタッフは仕事中。おい、いい加減にしろよ、と軽く言ったら、向こうでチーフがなんか言ってるwww、、と彼女相手に笑いながら電話をやめる気配がない。さすがにそいつの席まで行き、頭を軽くこずいていい加減にしろ!、と一喝。

それでさすがに電話は切ったが、他のアシスタントもブーブー言いまくり、ちょっとシュンとなりながらも作業に戻り、これで終わりかと思った。

次の仕事の開始時間になっても来る気配がない。また先生が家に電話したら、母親が出て、風邪をひいて行かれないとの事。思い切り怪しい言い回しに本人に代わってくれと言うと、そいつが、チーフに殴られたのでもう行きたくありません、と。

なんだ????俺のせいか??????いや、こずいただけだぞ???つかこずかれて当然の事をしておいて(^◇^;)

他のスタッフがその時の事を詳細に先生に説明したので、私のせいじゃないとは思ってくれたっぽいが、メンタルが弱いのに、口ばかり達者で、、、今は何やってるのかねぇと気にもかけないが思い出してみた。(笑)

こうしてアシスタントが急にいなくなると、補充が大変なんです。翌週の仕事に急に入ってくれる可能性があるのは、編集部紹介の助っ人くらいで、レギュラーに来てもらうには、相手の都合もあるでしょうし、なかなかすんなりとはいかないもの。週刊連載はアシスタント一人欠けたら、大変な状況になります。セミナー本でも書きましたが、アシスタントは歯車なんです。それも一人一人重要な役割を背負ったプロの漫画家の手伝いをする歯車。遊びたいから休む。友達が来たから休む。大好きなライブがあるから休む。言語道断!

厳しいと思うでしょうけど、これがプロの職場です。そういや私が漫画家になってから、コミケがあるので休ませてくださいーと言ってきたアシスタントがいたなぁ、、、(遠い目)

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