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老若日記-その10-シニアはつまずきの労災率が高い!再就職先でご注意を!

【イントロダクション】
今年の夏、私は自宅のトイレのたった2cm位の段差につまずき、右足の小指を骨折した。

みるみる黒ずみ激痛の走る右足小指を見て、以前の職場でシニアの先輩が右足を骨折し労災になったのを思い出した。

シニアの先輩方が職場でつまずきや転倒により、捻挫や骨折を繰り返すのを見て、当時はその理由を全く理解できなかった。

しかし自分がシニアになって似たような怪我をして、なるほどな、と思うことがある。
本記事ではシニアのつまずき労災について深堀りしてみた。

【哲学的テーマ】
人にもよるが、シニアの足は自分が思うほど高く上がっていない。

【出典】
・厚生労働省
「高年齢労働者の安全衛生対策について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/newpage_00007.html

・厚生労働省 職場の安全サイト
「転倒災害プロジェクト」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/information/tentou1501_13.html

右足小指の骨折

今年の夏、私は右足小指を骨折した。原因は、自宅のトイレのドアの段差でつまずいたからだ。
段差の高さは約2cm。
たったこれだけの高さでつまずき、しかも骨折だ。

若い頃では考えられない。右足の小指は内出血により、どんどん色が黒く変色していく。しかも激痛が襲う。

そのとき、私のある記憶がふとよみがえった。

以前の職場で起きたこと

私は以前の会社では総務職で労災処理を担当していたが、特にシニアに多いと感じていた労災に、つまずきと転倒がある。
シニアの先輩方がわずか数cmの段差により、つまずきや転倒事故などで捻挫や骨折を繰り返していた。

労災の知らせがあれば事故現場へ直行し、怪我がひどいときは私も救急車に乗り、病院に同行したことが何度もある。夜間に緊急手術もあった。

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私は同行した病院で治療が終わると「大変な思いをされましたね」と言葉にしていたが、何故シニアが数cmの高さでつまずくのか、その理由を当時は全く理解できなかった。

今年の夏、自分が約2cmの高さで右足の小指を骨折してみて、これは以前の会社で起きていたシニアに多い「つまずき労災」と同じではないか、と感じた。

そもそも何故にシニアはつまずくのか、シニアの労災を調べてみた

厚労省の統計によると、50歳以上の労働者を高齢者と呼んでいるようで、転倒による労災は50歳から急増している。

理由を調べてみると、加齢による運動機能の低下がある。何が原因かというと、まず平衡性の低下
足腰の筋力が衰えた結果、足を上げる高さが低くなっている。

次に俊敏性の低下がある。危険回避能力の指標であるジャンプアップは加齢とともに急速に低下する。

最後に視認性の低下がある。加齢による水晶体の劣化により、視力や暗い場所の視認性は低下している。

なるほど実に的を得た統計だ。厚労省のデータはすごいな、と思った。

私がトイレの段差でつまずき、骨折した原因を厚労省の統計に当てはめてみた

まず平衡性の低下だが、閉眼片足時間を測ったことはないものの、確かに自信はない。ものの数秒で転倒するはず。これは怪我の原因なので試しにやらない方がよい。

俊敏性の低下はどうだろう。身体の危険回避能力は間違いなく落ちている。常に危険に丸腰状態、突然のリスクに勝てない気がする。

視認性の低下は、老眼鏡をかけているので、どう考えてもその通りだ。小さな文字は見えにくいし、裸眼で針に糸を通せるはずがない。

どう考えてみてもシニアの運動機能は低下している。シニアなら誰でも実感していると思う。

総じて、シニアに平衡性・俊敏性・視認性を求められても、ちょっとというか凄く厳しい気がする。

その時、ついに気づいた。
私は統計データに忠実な、数cmの段差で骨折する筋金入りのシニアだ!

自信をもって、つまずきがちなシニアを謳歌しようではないか!小心者の私は開き直ることにした。

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国はシニアに優しい職場づくりを推奨している

結局シニアに職場の怪我を気をつけろと言っても、それをシニアがまともに聞いてくれるのか、はなはだ疑問だ。
そこで国はシニアに優しい、そもそも事故の起きにくい職場づくりを推奨している。

それはそれで我々シニアにはありがたい話だ。

シニアがつまずや転倒で怪我をする度、その治療に税金を使っていては国も財源を圧迫すると考えたのだろう。

最近はめまいがするので、とっさにつかまる手すりが壁についていると転倒もしにくい。バリアフリーだとなおよい。

結局、シニアはシニアなりの自覚が必要だ

しかしシニアはそのような政策に甘んじるべきだろうか?

本当に体が不自由な方は別として、まだ何とか歩けて口だけ動く我々シニアは、再就職先で労災をおこさぬよう自覚が必要な気がする。

再就職先で、「シニアが、またつまずいた」とか「シニアってなんで、あそこで転倒するの」と言われ労災騒ぎにならぬよう、いい大人であるシニアは自分で気を付けるしかない。

脳みそで体が動いているつもりでも、本当は自分が思っているほど体は動いていないはず。

シニアのあなた、
自分で思っているほど足は上がってないかもしれませんよ。

再就職先ではくれぐれもご注意を。

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