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アングラとアバンギャルドの匂い。「寺山修司とポスター貼りと。」

「推し花」デジタル応援広告の発案者、ワイタベ社の社長Y さんに1冊の本をすすめられました。

寺山修司とポスター貼りと。 僕のありえない人生」 
 笹目浩之著 角川文庫

笹目浩之氏は「ポスターハリス・カンパニー」というポスター貼りの会社を経営されている方。

ポスター貼り専門の会社?そんなものがあるの?!と思ったら、やはり日本では類を見ない会社のよう。


なぜポスター貼りを仕事に?
そもそもポスター貼りの仕事ってどういうもの?
会社にして経営していけるの?

様々な「?」がページを進めるうちに紐解かれていきます。



上京してきた19歳の青年が、寺山修司追悼公演を観て雷に打たれたような衝撃を受けてからの数奇な運命。

その背景には「アングラ」「アバンギャルド」といった言葉が飛び交う昭和の演劇界とそのたまり場となったバーや飲食店が描かれています。
当時の演劇界隈に詳しくなくても、その空気感や匂いが漂ってくるような感覚に不思議なザワザワを覚えます。

演劇人のたまり場、イメージ的にはこんな雰囲気でしょうか。
     ↓


演劇に関わる仕事がしたい、という強い想いから始まったポスター貼りの仕事が、人との出会いやつながりの中で様々に展開していく流れには驚嘆さえ覚えます。

本人すら予想もしなかった思いがけない幸運。
それを掴んでもなおポスター貼りにこだわり続ける、そのまっすぐな姿勢がついには演劇界を支える存在になることを可能にしたのでしょう。


寺山修司とポスター貼りと。僕のあり得ない人生


今、自分の仕事に迷いや気落ちのある方、自分に何ができるだろうと模索中の方。おすすめです。ヒントと勇気がもらえそう。

アングラ演劇、アバンギャルドなアートにご興味のある方も。
劇団やアーティストなど文中に出てくる名前をググりながら読んでいくのも面白いですよ。
ちょっとした展示会気分が味わえます。