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「社会貢献してます」と自分から言っちゃう人たち

「社会貢献活動をしています」みたいなことを言う人や組織が増えたなと感じます。そういう僕自身もNPO法人の代表なので、「社会貢献団体の人」と見なされることがあります。でも、結論から言うと、自分から「社会貢献してます」とか言っちゃう人ってどうなの? と思います。


NPOは非営利団体という意味だけど

「NPO」って何のことか知っていますか?「Not-for-Profit Organization」の略称で、「非営利団体」を意味しています。日本で「NPO」って言う場合は、広い意味での非営利団体と法人格のあるNPO法人のいずれかを意味することが殆どです。

ただ、この「非営利」っていうのが難しいんですよね。一番よくある誤解は、非営利団体なんだから、何でも「無料・無償」でやるんだろうというもの。これは誤りです。

例えば、食事に困っている人にNPOが食事を提供する場合、食材や調理器具や人手が必要ですよね。その食材はどうするのかというと、そのNPOが購入することになります。希に公や民間の補助や助成が入る活動もありますが、「全部自分たちでなんとかする」のが基本です、

そのため、受益者から対価を受け取ったり、無償提供する代わりに他の事業で収入を得て賄ったりする必要があります。ここが「無料・無償」でない理由です。

営利企業は社会貢献してないの?

非営利の反対は営利ですが、営利法人である会社は社会貢献をしていないのでしょうか?

もちろん、そんなことありませんよね。そもそも会社として存在し続けているということは、提供しているサービスやプロダクトなどが社会に必要とされているからです。商売になっているということは、社会に貢献していることだと言えます。

さらに忘れてはならないのは、営利企業は多額の納税をしているという点です。NPO法人であっても、法人税法上の収益事業は課税されるため普通に農前していますが、営利セクターと非営利セクターでは納税額は比較になりません。

ファッション化した社会貢献のつまらなさ

ファッション化した社会貢献活動って、つまらないなと思います。よく観察すれば、それが所詮「映え」の世界であることが分かります。

人前ではおそろいのTシャツ着てゴミを拾うけど、無人の山の上では拾わないというような、ダブルスタンダードの"社会貢献"って、すごく危ないですよね。やっていないのにやっているふりをする人がいたら、本当に必要な人に支援が届きにくくなるはずです。

人って、ある意味で生きているだけで社会貢献です。それとまったく同じ視座から言えば、生きているだけで社会の迷惑でもあります。その上で、自分から躊躇なく「私、社会貢献してます!」と言えちゃうのは、やっぱり考えものではないでしょうか。

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