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悪口・陰口・噂話が自分の居場所を狭くする

悪口・陰口・噂話──興じているうちは気付かなくても、結局は自分の居場所を狭くすることにつながります。悪口を言う人は、対象より自分たちの方が優れていると錯覚しがちですが、本質は「直接本人に言えない人の集まり」に過ぎません。


なぜ悪口・陰口・噂話が出てくるのか?

悪口・陰口・噂話が出てくる理由を知っていますか?

それは、「直接、本人には言えないから」です。
ただそれだけ。言いたいことがあるのならば本人に言えばいいだけですし、言わないことには何も始まりません。すごくシンプルです。

でも、時間がないとか、勇気がないとか、立場がないとか、言っても仕方がないとか、いろいろと自分を正当化して、本人には言わない。言わないけど言いたい。だから、その人のいないところで話し始める──悪口・陰口・噂話は、バリエーションはあっても、だいたいこのような構造を持っているのではないでしょうか。

悪口・陰口・噂話で健康になれる?

本人を目の前にして言えないと、それだけでストレスになります。言いたいことを言わないでいると、心身共に負担です。

身体的には、例えば筋肉の緊張(力を入れている状態)として反映されます。言いたいことを言わないように、力を入れて我慢しているということです。これがどんどん積み重なってくると、身体はどんどん緊張していきます。

ちなみに、現時点で力が入っている筋肉は、次の瞬間には活動出来ません。一度力を抜かないと、その筋肉は次のアクションに参加出来ないのです。つまり、我慢を重ねることは、どんどん不自由になることでもあるのです。

身体は常に健康な状態に戻ろうとしていますから、緊張している筋肉があれば、弛緩させようとしています。言いたいことを言えない相手が目の前から去り、気心の知れた人といっしょになると陰口が始まるのは、それを話すことで緊張を解きたいという身体的な要求の反映だとも考えられます。

人柱を中心にした「つながり」は虚しい

悪口・陰口・噂話をしている人たちって、すごく盛り上がっていますよね。

「わかる〜! あの人そういうところあるよね!」
「この前も同じようなこと、あったんですよ」
「あ! それわかった! この前のあれでしょ!?」

ものすごく楽しそうです。息まで合って通じ合っちゃってます(笑)。

でも、こんな「つながり」の価値を、僕はまったく感じません。なぜなら、悪口・陰口・噂話の「対象者」が、彼らをつなげているだけだからです。
彼らの話の主語は、いつも対象者であって、自分自身ではありません。本当は自分のことなど何一つ話していないのです。対象者を人柱にして輪をつくり、悪口・陰口・噂話に耽っているのです。

このような輪の最悪なところは、悪口・陰口・噂話をしている者どうしの信頼がまったくないことです。
「そこにいない人の話をする」というタグのついた人々ですから、自分不在の際に自分が対象者になり得ることは、みんな知っています。一組の信頼も、そこにはないのです。

僕は、こんな虚しい輪のなかに入りたくはありません。

悪口・陰口・噂話は必ず本人に伝わる

悪口・陰口・噂話の類は、やがて必ず本人の耳に伝わります。考えの浅い人もいて、両者に取り入ろうと試みて、

「◯◯さんと△△さんが、あなたの悪口を言っていたよ」

とこっそり親切顔で報告をする場合もあります。もちろん、こうした行動では対象者の信頼は勝ち取れません。その人もその場では同調していたわけで、だれかの信頼を得られるような人物の行動とは思えません。

たとえ「軽い気持ち」であっても、陰で相手を悪く言えば、その次に会ったときにまっすぐ目を見られません。視線が重なっているようで、無意識に焦点を手前や奥にずらすこともあります。そこには不信や後ろめたさがあり、それはやがて不安や居心地の悪さに変わります。

気がつけば、自分の居場所が狭くなっているのです。

直接本人に言う&クソみたいな輪に加わらない

そうならないために、どうすればいいのか?

もちろん、悪口・陰口・噂話を止めればいいのですが、我慢しまくるのも前述の通り心身の健康によくありません。そうなると、その「一歩手前」での対処が必要です。

  • 直接本人に言う

  • 悪口・陰口・噂話の輪に加わらない

  • 本人に言えないなら、その場を去ることも検討する

こんなところでしょうか。

一番いいのは、言いたいことが出てきたその場で、直接本人に伝えることです。これが相互に成り立つと、軽い摩擦は生じても、場の風通しや居心地は良くなります。相手を好きになれなくても、信頼が育まれるからです(誤解されがちですが、好意と信頼は別です)。

自分に言う気がなくても、そうした輪が形成されることがあります。加わらないのはもちろんですが、始まったら抜けることも必要です。「何を考えていようと、輪の中にいれば同じ」だからです。もし出来るなら、「そういう話、やめない?」と話題を変えられるといいですね。

事情があってどうしても言えないのなら、その場を去ることも考えるべきです。なぜなら、人はだれでも、居心地のよい場で暮らす豊かさを受け取っていいからです。

誰にでも居場所は必要です。悪口・陰口・噂話を止めて、いまいる場に安心をもたらせたら、そこを居場所に近づけられるはずです。

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