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オーストラリア紀行 Day 1 成田からブリスベン

留学している息子のところへ行ってみないか?と妻に言われたのは約3ヶ月前のことだったと思う。貯めたヘソクリの額を言うと残りの旅費は妻が出してくれると。ブリスベンでの彼の夏休み。退屈しているという。一時帰国させるくらいならこちらから遊びに行ってあげたらどう?と。
話を持ちかけられてから約ふた月の間、重い腰を上げなかった私はようやく決断した。即答出来なかったのは、店の経営に休業している余裕がなかったからだったが、今を逃したらこんなチャンスはないと思い始めた。
そんなことで、手配が遅かったこともあるが、日程は年明けの1日から7日。正味5日間の滞在と決まった。
最初に言っておきたい。とても贅沢な旅が出来た訳は、色々調べて手配して、滞在中のホテルはみな日本円で1泊10000円程度で超高級ホテルが手配出来たのだった。お正月明けてからの出発と言うのも理由の一つだろう。普通この値段ではありえないらしい。

そして、その日がやってきた。

暖かなお正月。氏神様にお参りを済ませて、妻に横浜駅へ送ってもらう。成田エクスプレスで快適な移動。窓から眺める地元の夕暮れの景色に気分はちょっとセンチメンタルになった。
乗車中に妻からカンタス航空からのメールの転送が来た。出発便が2時間半遅れると。
空港に着くと出発案内板には沢山の便があるのに遅れが出ているのは自分の発つ便のみ。出発が早まっているのも1便あるくらい全てが順調なのに。
でもこれはアンラッキーではなかった。現地ブリスベンに到着するのは現地時間の早朝4時30分。息子に再会するのは10時なので、眠い目を擦りながら時間つぶしが必要だったのだ。妻は言う。ラッキーだねと。
成田空港第二ターミナルを4時間半かけて探索する。出発の前にあまりお金を使いたくないので、セブンイレブンで芋焼酎のワンカップと水を買い、交互に口にして楽しんだり、ポケモンショップで成田空港限定のピカチュウを買ったり、免税店では現地で飲む空港限定の芋焼酎を3本買った。

黑白波で旅の景気付け
お世話になるカンタス航空
成田空港の免税店でしか買えない芋焼酎


カンタス航空62便は遅れた時間通り離陸し、寒い日本から真夏のブリスベンへと向かった。
機内食は寿司、チキン、パスタの三択。寿司をチョイスしたが、これはまあ贅沢は言ってられない。冷蔵庫で冷やし過ぎた寿司の味ってやつだ。シャリも硬い。赤ワインを2本もらい、「ラ・ラ・ランド」を観る。まぁまぁ楽しい映画だが、アカデミー賞総ナメだったのは理解し難い。ここで少し眠る。
そろそろかな?と窓のシェードを開ける。ちょうどそこには夜明けがやってきた。朝日が拝めるとワクワクした。初日の出を逃しているだけにここはしっかりと見たい。だが中々上がって来ない。そして翼が邪魔だ。シェードを大きく開けると他の乗客には迷惑な話だ。まだかまだかと何回か開閉を繰り返すうちにやっとオレンジの輝きを拝められた。

機内から見る朝日

2回目の機内食は軽食だ。パンにフルーツ。映画だけでは退屈な機内、Wi-Fiは有料のようで、事前に登録しておかないと使えないようだ。

ブリスベン空港

なんとか時間つぶしをして、ブリスベン国際空港に到着。海外旅行の出入国は20年前と比べると、成田でもここでも出国や入国は味気ないものだ。事前に申請したビザ。世界共通のパスポートの電子化。何も質問されずだし、入国のスタンプさえ押されない。
早速市内への交通手段を考える。電車移動が一番楽なのでインフォメーションデスクへ。3日間使い放題のパスが絶対にオトクだと言うカード「go seeQ」。空港からシティセントラル駅までが19ドル。ゴールドコーストまでは片道40ドルくらいって言ったかな?それが80ドルだと言うので購入。セントラル駅まではフリーWi-Fiも使えるので車内で妻へ無事到着の報告をする。

ブリスベン市内

セントラル駅に到着。そこから徒歩10分程度のマリオットホテルに到着。ロビーで息子と待ち合わせだったが30分遅れると連絡がくる。

マリオットホテルブリスベン

1時間半、ホテルに荷物を預け周辺をぶらぶら。ここシティは蛇行した川沿いの街で美しい。

美しい川沿い

飲み物を買ったりしてホテルに戻る。息子と9ヶ月ぶりの再会を果たす。

昼食へ。近くのショッピングモールのレストラン街で息子が私に勧めたのはなんとタイ料理。日本にいた時には考えられない彼のチョイス。好き嫌いがものすごくあった息子は、ホームステイ先のホストマザーの食事が口に合わず、我慢してなんでも食べないと死ぬと言う事を悟ったと。自分はトムヤムヌードル、息子はパッタイ。タイ風チャーハンとでも言うのか、こちらも美味だった。

トムヤムヌードル
パッタイ

再びセントラル駅から旅立つ。ゴールドコーストへ電車で1時間。そしてトロリーバスに乗り換えて30分。ゴールドコーストのサーファーズパラダイスに到着した。

ゴールドコースト

青い海に青い空。海沿いには多数のリゾートホテルやおしゃれなお店が並ぶ。まず目指すのはビーチ。はしゃぐ私の気持ちとは裏腹に、息子は何度も来てるので冷静。しばし砂浜を楽しみ、お土産屋さんやゲームセンターを見て回った。タトゥーを入れるお店が街の美容室のような感じで堂々と営業しているのを見ると、自分の価値観が間違っているのかとさえ思えてくる。小腹が減ったのでマクドナルドへ。トマトチリソースのかかったここ限定とやらのハンバーガーを注文する。まぁまぁだな。マクドナルドのクオリティは世界共通だと認識。

そうそう。ブリスベンのセブンイレブンで買ったアイスコーヒーは9対1のほとんどミルクのカフェオレ。ここマクドナルドのアイスコーヒーは氷なしのコーヒーが大きなカップで出てくる。私の口には合わず、半分しか飲めなかった。
息子は言う。コーラはコンビニで冷してあるのは3ドル。冷えてないのは2ドル、大好きなスラーピーのコーラは1ドル。喉が乾いたらコレだと。
ゴールドコーストに2時間くらい滞在してブリスベンへ戻る。部屋に着き、息子は外に出て食べたいものがないと。持参してあげたカップ麺が食べたいと言うので相談したら、こちらでよく頼むウーバーイーツで日本食を取ろうと私に勧めた。テーブルにiPadを載せ、映画を観ながら食べようと彼が提案。楽しいのが観たいと言うのでオーストラリアならではの「クロコダイル・ダンディ」をチョイス。仲良く観ながら、芋焼酎をお湯割りで楽しみながら。

ホテルでの晩餐

ホテルに併設されているプールに行ってみる。青の照明がキレイな小さなプールだ。お酒の入っている私は泳がなかったが、久しぶりに泳ぐ息子の姿が見られて嬉しかった。

ホテルのプール

窓から見上げる月は、右(東)から上(北)、そして左(西)へと動く。そして向きも違う。
残念ながら星は横浜よりも少なく、南十字星はこの季節、この時間には見えないらしい。確かに日本も夏より冬の空のほうがキレイで、こちらの冬の星空は凄いらしい。シンクや風呂に溜めた水を流す時の渦の方向も北半球とは逆にだ。
こうして1日目の夜はふけていった。

ブリスベンの月の形を再現

2日目へ続く


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