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オーストラリア紀行 Day 3 ケアンズからポートダグラス

前日に確認していたが、シャングリ・ラの宿泊には朝食は含まれていなかった。手違いか勘違いなのかだが、これが幸いした。息子はこちらでの夏休み中、完全な夜型人間になっている。朝は食べずに寝て、午後に起き、夕方と深夜に何か食べて再び朝を迎えると。私もちょっとお酒も残っていたのか食欲はない。しかもこれから船に乗るのなら絶対に船酔いするから食べない方が良い。

ワゴンでお迎えに

小雨降る中、迎えのワゴンが来る。ポートダグラスまで1時間の移動だ。色んなホテルでお客さんをピックアップしてポートダグラスに向かう。私達の次に乗ってきた夫婦に挨拶。彼らはイタリアからだと言う。曇り空の中、もう既に車酔いしている私。大丈夫なのかと自問自答する。

ポートダグラスの桟橋

沢山のクルーザーが待機する港に到着すると直ぐに乗船する。外は土砂降りだ。フレンドリーで陽気なクルーと乗客の船旅が始まる。目的地はアウターグレートバリアリーフ。グレートバリアリーフの中でも最もキレイな場所だ。ここから2時間かかるという船内で、2割くらいしか理解出来ない書類にサインしたり、健康状態の確認、もしもの時のあなたに対して責任は持たないなんて書いてあるのだろう。こんな書類の記入に困っていると、向かいに座った南アフリカ出身のご夫婦が少し手助けしてくれた。でもまだ記入に困っていると、クルーは日本語で書かれた書類を持ってきた。内心「最初からコレ持ってこいよ!」と思ったが、そこはスマイルスマイル。そしてオリエンテーション。揺れる船内でコレをしたものだから船酔いしてしまった。何とか目を閉じたり、遠くを見たりしてやり過ごす。

ダイビングに行くの大型クルーザー

あと10分で到着と言う時にウエットスーツに着替えさせられた。これがまた着にくい。うつむく作業が私に追い打ちをかけた。たまらずトイレへ。でも何も出ない。と言うか摂取したのはワゴン内で飲んだ水だけ。でも少し楽になった。
クルーが声をかけてくれた「大丈夫か?」
「大丈夫。さっきよりマシさ」
「海に潜るときっとよくなるよ」と。

目的地に到着。そこでは雨はあがり少し日差しもある。ゴーグルに曇り止めして、身体に重りを付ける。酸素ボンベを装着し重い身体、フラフラな身体で船べりへ腰かける。足ひれを装着し準備万端。

「3,2,1,ゴー」

インストラクター1人に対し4人のダイバー。みんなで少しずつ潜水を開始する。が、上手く耳抜き出来ない。それよりもゴーグルの締め付けが緩かったせいで水が入ってくる。私だけ浮上。再調整して潜水開始。耳抜きは何とか出来ながら、少しずつ少しずつ一面水色の中を降りていく。
以前体験したハワイでの体験ダイビングと比較するのは違うが、あの時は潜ったら、インストラクターが付いてこい。と縦一列になって泳いだものだ。しかし今回は5人で一組の隊形は絶対に崩さなかった。片方の腕に二人ずつ、絶対に手を離すなと。
息を呑む色のサンゴ、色とりどりな魚たち。カクレクマノミ「ニモ」の棲むイソギンチャクをバックに記念写真を撮る。あっと言う間に感じる体験ダイビング1回目を済ませた。
船に上がると寒い。が、すぐさまウエットスーツを脱ぐと身体は直ぐに乾き寒さから開放される。キャビンには簡単なブッフェが用意されていたが、あまり食欲はなく、イマイチな味のパスタだけ少し食べた。
しばらくすると2つ目のポイントへ移動。ここで2回目のダイビングがあると。2回目は料金に含まれてないから1人50ドル追加だと言う。ここまで来るのに大変な出費をしているのでちょっと躊躇した。2回目も入っているとシャングリ・ラのツアーデスクで聞いていたようだったからだ。しかしここで言った言わないの議論は無意味だ。息子も2回目を体験したがっている。ヨシ!お願いしますと。
2回目は手持ちのカメラ、レンタルのカメラが使用出来ると。愛用の360度カメラTHETA。こんな日が来るとは思わずに購入していた専用の防水ケースを試す時が来た。早速カメラをケースにセットして船べりへ向かう。

360度カメラTHETAを持って

「3,2,1,ゴー」

まずは1枚撮影してみる。ウン。上手くいっている。どんな景色が撮れるか楽しみだ。

結局撮れたのはこの一枚のみ

ん?あれ?ケースの上部から泡が出てるぞ!って事はケースが破損している?確かに入水時、足ひれを付ける際にぶつけてしまったからなのか?それとも使用方法をまちがえているのか?
これはヤバい!と船にカメラを残して海底へと向かった。
この決断は間違いではなかった。後に船に戻った際、やはり中のカメラは濡れていて、その場では拭き取る事しか対処は出来なかったが、ホテルに戻りビニール袋に乾燥剤を入れ3日間放置した。帰国した際に開けてみてちゃんと作動した。良かった。でもダイビング中は「やってしまった!」と悲しんでいた。

外は相変わらず土砂降りだが、1回目よりもキレイな景色、海の色。2倍に感じたくらいに長い時間のダイビング。大満足な経験となった。カメラの事など忘れてしまうくらいだった。
船に戻るともう私は疲労困憊。息子も同様のようだ。カメラを壊してしまったと思う落胆もあった。
帰りのポートダグラスまでは再び2時間。今回のクルージングで少し会話をしたイタリアと南アフリカの二組のご夫婦が仲良くなっており、その隣の席に私達を招いてくれた。が、会話を楽しみたいが、語彙不足と船酔いのため寝ることにした。どうやら船内で記念写真も販売しているようだが、そんな余裕もなく、息子もいらないと言うので海の底の景色を持ち替える事は出来なかった。

港に到着

港に戻り、親切にしてくれたクルーたちと南アフリカ人夫婦に別れを告げ、再びワゴンに乗りケアンズへ戻る。ワゴンを待つ間にイタリア人夫婦に伝えた。シシリアが舞台の大好き映画があると。でも肝心なタイトルが思い出せない。ど忘れしている。息子のスマホからのテザリングでインターネットで調べる。あっ!見つけた!「ニュー・シネマ・パラダイス」だ!
彼らにスマホを見せる。奥さんは知らない映画のようだったが、ご主人は大好きな映画だと。二人思わず握手をしていた。先日、大きなスクリーンで観る機会があったんだよ。大好きなんだよと。彼も涙が出るよと。大好きだよと。
自分の日本での愛車、トヨタアクア。こちらで見つけると何だか嬉しい。私のは前期型といって現行の後期型とはフロントグリルが主に違うが、日本の後期型と比べてもフロントマスクはスタイリッシュだ。と思ったのは思い出話。よく見るとヴィッツだったかな?と。

来る時には見る余裕もなかった車窓からのポートダグラスの町並み、そして豪邸の数々、リゾートホテル。小雨の後の虹も見られた。

ケアンズに戻りホテルへ。
「身体がまだ揺れてるよ」と息子。私も同様だ。全身海に浸かったままの身体をシャワーで洗い流し、暖めると乗り物酔いも少しスッキリした。そして再び少しベッドで寝た。
8時になり、夕食へ繰り出す事に。息子の選んだ店はいわゆるオーストリア料理の店。鶏肉のフライとチップス。息子の好みではなかったコールスローサラダと私のノーマルなサラダを交換する。今日は違う意味で散々酔っ払ったので、お酒はオーストリアのビンビールを1本だけとした。

ビールとチキン&チップス

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