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愛犬

「フク」という名前の、
ラブラドール・レトリーバー犬が
家族だったことがあります。

家の横の道を通る
近所の人達に、
庭木の隙間から顔をだして
尻尾を振るフクは、
人気者でした。

家族でよく散歩をしました。
大事な話しは、夜中のフクとの
散歩のなかでした。
フクとの散歩は、
お互いを素直にさせて
くれたような気がします。

フクがいなくなった事があります。
あたりは暗闇のままの
2月の朝のことでした。
いなくなってしまったフクを、
突っ掛け草履のまま
探し廻りました。
走り廻りました、歩き廻りました。
会社を休んで、女房と二人で
車に乗って探し廻りもしました。

もっと優しくできたんじゃないか。
もっと散歩したほうが
良かったのではないか。
もっと・・・
いろんな後悔が頭をよぎります。

ヘリコプターのように尻尾を
回しながら、
毎日、いってらっしゃい、おかえり
をしてくれました。
一緒に川遊びをしたことがあります。
一緒にに山に登ったこともあります。
一緒に・・・
いろんな楽しい想い出が甦ります。

無口になった車の中・・・ ・

あたりが暗くなった頃に、
電話がありました。
「フクちゃんがいるよ!」
二人で猛ダッシュです。
電信柱を抜いたような穴に
立ったままスッポリ
はまっていました。
気づいて
あげられませんでした。

自宅に連れ帰ったフクは、
もりもりとドッグフードを
食べてくれました。
少し痛そうにしている脚を
何度もさすりました。
次の日からは、
いつもの元気なフクに
戻ってくれて
本当に嬉しかった事を憶えています。

それから半年後の
昨年夏に逝きました。

火葬するとソフトボールぐらいの
大きな腫瘍と思われる塊が、
燃えきらずに残りました。
これも気づいて
あげられませんでした・・・ ・

#ラブラドール
#愛犬
#昔


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