Noita - Version 1.0 @ 2020-10-17


以下蛇足

私は基本的に、難しいゲームというものが大の苦手だ。


そもそも私は基本的に昔はゲームなど大して好きではなかったのだ。理由は簡単、黎明期のゲームは難しいゲームしか存在しなかった。チュートリアルなどという文化は概念すら存在せず、あらゆる謎はノーヒント、操作性は理不尽で被弾即死亡が当たり前。当時としては比較的にバランスが取れていた良作だと思われる初代マリオブラザーズも自力でクリアしたことはなく、2は触れたことすら無く、3も土管で8面まで行ったは良いが何回チャレンジしても飛行船マップだか戦車マップをクリアできず友人に変わりにクリアしてもらう始末、ロックマンに至っては冗談でもなんでも無く本当に1ステージも自力でクリアした記憶がない。当時噂に聞いたところによると、ロックマンはいろいろな武器を付け替えて攻撃できるらしかったのだが、1ステージもクリアできなかった私はロックバスター以外の装備を本当に見ることがなかったので、ロックバスターだけでクリアするゲームなのだと心の底から信じ込んでいたぐらいだ。

そんな具合だったので、それ以来とにかく横スクロールプラットフォームアクションがアレルギーのように嫌いになった。今では多少は和らいだがそれでも基本的には大嫌いで、よほどの例外でなければプレイしない。

そのよほどの例外というのが、Noitaなわけだ。

私が難しいゲームを敬遠する大きな理由に、自分のゲームの実力以外に問題を解決する手段がなくなってしまう点が挙げられる。反射神経だとか、ひと目見ただけで相手の手の内を覚える短期的な記憶だとか、とっさの状況判断だとか、そういう能力だ。誠に残念ながら、私にはそれら全てが絶望的に無い。しかし、幸いにして私は痴呆症患者ではないため、長期記憶を持つことは出来る。すなわち、経験というやつだ。この経験に頼ってクリアすることが出来るゲームは、なんとかかろうじてクリアすることが出来る。

Noitaは当然プラットフォーマー型のアクションゲームであるため、反射神経やとっさの判断がかなりのウェイトを占める。しかしながら一方で、どのPerkを取るべきかだとか、どのマップのどのような場所にライフUPアイテムが落ちているかだとか、どのような杖にどのようなスペルを組み合わせれば強いかといった、経験要素もかなり大きな要素を締めている。究極的には、あらゆる敵の攻撃をPerkで無効化しながら、ワンクリックで画面全体を埋め尽くすような超強力な魔法の杖を作り上げてしまえば、単に脳死しながらポチポチマウスのボタンを押しているだけで画面全体がキラキラと光って敵が次々に金貨へと変わっていくというわけだ。この状態まで持っていくことができれば、私でもクリアできるだろう。実際、Early Accessリリース直後ではクリアできた。実績もきちんと開放している。


そう、これまではそれで良かったのだ。


しかし今日一日、朝から晩までNoita漬けになった私は気づいてしまった。

このゲーム、バージョン1.0で異常に難しくなってるじゃねえか、と。


異常に難易度が上がった点としては4点ある。

ひとつ。隠し要素の変化だ。Early Access版では少なくともマップ上に3箇所ぐらいは確実に固定で置いてあって誰でも回収できるライフUPアイテムが存在したのだが、正式リリース版ではその中で今でも通用するのが1つしか無い。もう1つ、特定の装備があれば簡単に回収できるライフUPアイテムが今でも存在するが、そちらへ向かうための道の途中にクソみたいに強い新しい中ボスが配置されていて並大抵の装備では突破できない。おかげでライフの確保がとにかく辛い。

ふたつ。敵のHPが全体的に上がっている。特に噂によればラスボスの強化が顕著らしく、まだ自力でお目にかかってはいないのだが、ラスボス手前の段階でもどいつもこいつも以前の体感2倍ぐらいはライフがあるように思われる。

みっつ。敵のHPだけではなく、攻撃パターンまで大きく強化されている。ラスボスの1つ~2つ手前のマップ辺りはもはやEarly Accessのころとは比べ物にならないほどの修羅場と化しており、ライフ満タンだろうがPerkが揃っていようが僅かでも誤れば一瞬で死を迎えることになる。代表的なのがまずポリモーフ弾を撃ってくる魔法使い、ポリモーフを食らうとHPが5ぐらいしかない羊にされてしまうためそのまま被弾すると即死だ。次に攻撃を当てると強制的にこちらと敵の位置を入れ替えてくる魔法使い、誤って流れ弾が当たってしまったが最後、敵のど真ん中に強制的にテレポートさせられてパニックに陥っている間に瞬殺されてしまう。そして最後にこちらの杖を全て使用不可能にしてくるチート臭い魔法使い。しかもDisable時間が15秒と永遠にも等しい長さで、食らってしまったが最後、後ろに安全地帯がないなら死亡確定である。もはや画面外から安全に殺しまくることができるような杖を作る以外に勝ちの手はないように思える、相手と正面から撃ち合うリスクを犯すようではとてもではないが命が足りない。

最後によっつ。その頼りの綱の凶悪な魔法の杖を作るための難易度が劇的に上昇している。最も影響が大きいのが消費マナが激増している点で、Early Accessのころはマナの要素なんかほぼ無視してよく、キャストタイムとリセット時間が十分に短い杖であればだいたいどれでも凶悪な杖に仕立て上げられたのだが、正式リリース版ではその点が改められておりとにかくマナの消費が厳しい。ビルドによってはマナ回復1500毎秒の杖でも全くマナが足りなくなったりする。代わりにマナ回復手段として各種PerkやModifierスペルが追加されているのだが、逆に言えばそれらを集めなければならず以前よりも難易度が大幅に上がっているといえる。

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例えば定番のルミナスドリルに攻撃力UPModifierを載せるライトセイバー装備だが、これは発射時にマナ回復するModifierがなければとてもじゃないがサステインできずマトモに使い物にならない。そもそもこの程度の装備が通用するのは雪山のHisii Base前後ぐらいまでなもので、Underground Jungleを過ぎたあたりぐらいからはバリアを張って殴りかかってくるやつをバリア越しに切り捨てるときぐらいにしか使いみちがない。遥か大昔はこれ一本あればある程度なんとかなったのだが・・・

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ランダム無しの12スロット杖が手に入ったので作ってみた花火だが、見た目は派手だが威力はいまいち。そもそも見てのとおり自爆している。話にならん。ちなみにここに至るまでにランダムなしの12スロット杖なんて贅沢品、2時間かけてプレイしても1本しか見つかっていない。運次第とはいえこれでは困る。

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今の所最もクリアに近そうな装備がこれ、Infestationと呼ばれるSpellに攻撃力増強Modifierを載せているだけだ。あとはこれにHomingでも載せて、Trigger経由で相手のど真ん中で発射してやれば遠くから安全に敵をまるごと殲滅できる。そもそも爆発物ですら無いので自爆判定もない。バリア持ち相手でもこの量の弾幕であれば飽和攻撃でバリアを突破できる。今の所、他に簡単に勝てそうな道筋が見つかっておらず、クリアできるかどうかはこのInfestationを引けるかどうかにかかっているようだ。他にも昔の知恵が使えるのであればMist系にトリガーを組み合わせると強かった記憶があるのだが(Mistは細かい粒一つ一つ全てが発射・命中・消滅判定があったため凄まじい数のトリガーが起動する)、あのウルテクはもう使えなくなってしまっているだろうか。まだ試せていないのでそちらも希望だが・・・

ちなみに残念ながら上記のランは最後の最後にポリモーフ弾を食らって即死した。キレそう。