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Vol.18 いたずらは子どもの成長にとって大切な体験

いたずらは子どもの成長にとって大切な体験

とある日の我が家の出来事。1歳の長男がどこにいるのか分からないくらい静かでした。「どこかな?」と思って台所に目をやると、「ひゃぁ!」と思わずびっくり!小麦粉の袋を手に持ち、頭から足先まで粉まみれで真っ白になった長男がそこにいました。
本人も白いけど、それ以上に台所の床はあたり一面真っ白に。小麦粉と格闘していた本人はとても満足気でしたが…。

そんな彼は数年後、小学校高学年のころには、小麦粉、砂糖、卵などの材料があれば、レシピや人の助けがなくとも自分で考えて、一人でパンケーキをつくるようになりました。まさしく「いたずらは成長体験」なのです。
料理に限ったことではありませんが、なぜだか子どもが静かに何かをしている時、親の目の届かないところで子どもが自発的に何かやっている時、それは未来の何かにつながっているかもしれません。
だとしたら、大人は「粉まみれ」などという惨事にもたじろぐことなく、「もぉ!」の言葉も瞬時に飲み込み、ただただ掃除とお片付け。
忍の一字なのです(涙)。

思いのほか子どもにうける「すいとん」

私が子どものころ、「これ、戦後の食べ物やで~」といいながら母がすいとんをつくってくれました。おもちとは違う、小麦粉を水で練っただけの団子のすいとん。
これが思いのほか美味しい!わが家でたまにつくるととても喜ばれます。主宰する親子料理教室でも大うけです。見た目は地味だけど、出汁のうまみやしょうゆなどの調味料のおかげで滋味深いうまさに助けられ、子どもたちがつくったすいとん団子や野菜が美味しくいただけます。
子どもにとっては、つくるプロセスもとても楽しい。ねんど遊びや砂遊びを通して、こねこねと「こねる」、ころころと「丸める」などが得意な子どもたちは、いつもの遊び感覚ですいとん団子を軽々とつくっていきます。手に生地がついてしまう場合は、水で濡らしてから作業をすればやりやすくなります。

味見で仕上げておいしいお味に!

お汁を少し小皿に入れて味をみる。ほんの少し塩を入れると味ががらりと変わる。
おいしい料理に「味見」は欠かせません。子どもたちが味見をしながらお料理の味を決めると、思いの外おいしく仕上がることが多く、子どもに「もうちょっと塩を入れた方がいい?もう入れないでいい?」と尋ねてみると、「もうちょっと塩入れて!」とか、「しょうゆ入れるといい!」など確信をもって言う姿がみられます。

親子の料理タイムがつくる笑顔の食卓

料理が出来上がると、満面の笑みで食卓についた子どもは言います。
「わたしがつくったんだよ。美味しいからいっぱい食べてね。」
子どもは大好きなお父さんやお母さんに喜んでほしくてつくりました。親子でわいわい楽しくつくれて、心も体も温まるすいとん汁をぜひお試しあれ。

こどもキッチン 主宰・講師 石井由紀子

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