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マシュマロ×ジュース=???

食べ物は、料理をすることでよりおいしく、より安全に安心して食べられるものに変化させることができます。そして料理中には、見た目や味、香り、食感などに様々な変化が起きています。例えば、野菜を茹でるとやわらかくなったり、生では食べられないお米に水と熱を加えるとふっくらつやつやのご飯が炊けたり、小麦粉や卵で作った生地を焼くとふわふわのスポンジケーキができたり、お肉を焼くと香ばしい匂いが立ち上ったり…。このような料理中に起きている変化は身近なものばかりで日常の中では特に気に留めることがないかもしれません。しかし、ひとつひとつの変化に注目してみると、そこには全て科学が存在しているのです。おいしさを生み出す料理と科学の深い関係を知ると食材の意外な一面を発見することや、新たなおいしさとの出会いにもつながります。

マシュマロが変身したのはなぜ?

 今回ご紹介したマシュマロとジュースを使ったまるで実験のようなレシピにも科学が関係しています。マシュマロの原料には卵白を泡立てて作ったメレンゲが使われています。温めると溶けてどろどろの状態になりますが、冷やすとまた固まります。固まるのは、マシュマロにゼラチンが使われているためです。温めるときに加えるジュースの量が少ないと温めた後にメレンゲの泡が残りやすく、これが冷やし固めるとムースのような状態を作り出すことになります。ジュースが多くなるほどメレンゲの泡がジュースの中に溶けて消えやすいため、冷やし固めるとグミやゼリーのようにぷるぷるとした食感に変化します。このようにメレンゲとゼラチンの性質を利用することでマシュマロを様々な状態に変化させて新しいお菓子を作ることができました。どの割合が正解、ということはありません。色々な割合で試して違いをよく観察して比べながらお気に入りのオリジナルレシピを見つけてみるのもいいですね。

五感を使って感じる力を育む

 料理と科学の切っても切れない関係をより実感するにはよく観察したり、匂いの変化に気づいたり、よく味わうといったことを自分自身の感覚を使って経験することが非常に大切です。料理を作る過程で起こる様々な変化を自分の目や耳、鼻などあらゆる感覚を使って感じるという経験をすると、より食べ物への親近感が湧き、食べることへの関心や楽しみが増すことが期待されます。加えて、十分に自分の感覚を使った上で科学的な知識が加わると、経験から得た知識としてより定着していきます。ぜひご家庭で一人一人異なるそれぞれの感じ方についてたくさんお話しながら、料理の中に潜む科学に触れ「おいしい」が生まれる秘密に迫ってみてはいかがでしょうか。

筆者:東洋大学食環境科学部食環境科学科 准教授 露久保 美夏

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