曲が好きとはどういうことか Lv.1
「曲が好きとはどういうことか」というテーマで文章を書いてほしい、と、奇特な友人から依頼を受けた。
正確に言うと、奇特な友人の後輩から、奇特な友人を通して依頼を受けた。
この友人は実に奇特で、どのくらい奇特かというと、僕が会ったこともない彼の後輩に僕のことを話し、「リクエストしたら書いてくれる」などと述べ、テーマを引っ張り出してくるくらい奇特である。
どうかしていると言えるくらいには無礼である。しかも、この無礼さを売りにしているから質が悪い。
しかも、この難解なテーマを、「背景に学問的な裏打ちがあるといい」などと言って投げてくる。
学問から逃げ出した身分だと言っている僕に対して、何たるものの言いようだろうか。実に許しがたい。
奇特で質の悪い友人の話はこれくらいにして、今回も、何の知識もない今の段階で、ひとまず「曲が好きとはどういうことか」について考えてみることにした。
ということで、「曲が好きとはどういうことか Lv.1」である。
世界各地に、数えきれないほどの文化があるが、古今東西、あらゆる文化に、少なからず「音楽」が絡んでいる。
音楽は、私たちの感情を喚起したり、あるいは伝達に利用されたり、求愛に用いられたりと様々な側面がある。
…などという書き出しは、もっともっと高いレベルでやればいいことであって、今回は「Lv.1」ということを盾に、もっともっとくだらないことを書いていけばいいだろう。
好きな曲。
たしかにある。
好きでない曲もあるし、なんとも思わない曲もある。
だいたいがアーティスト(作曲家というよりも、歌手としての)で決まっているな、と思う。
だが待てよ。それは「誰が歌っているのか」「誰がつくったのか」という、曲の情報が先にあるから「好き」に分類されるだけであって、本当に「曲が好き」と言えるのだろうか。
100%そうかと言うと、そんなことはないだろう(2021年くらいから、「こそあど言葉」削減運動をしようと思っている)。
ただ、好きなアーティストの曲でも大して好きでないことはあるし、大して好きでないアーティストの曲でも好きなものがあったりもする。
どこかでたまたま聞こえてきたBGMのメロディが気に入ったとすれば、全く知らない出自の曲でも、自然と体が乗ってしまうようなこともある。
(正直に言うと、これは嘘である。どんなに気に入っても、乗っていて恥ずかしい場で乗らないくらいの分別はついている)
耳に入ってくる旋律だけで決まる「好き」と、それ以外の情報があって決まる「好き」。
「曲が好き」を考えるとき、まずはそこを分けて考えなくてはならないのではないだろうか。
Lv.1なのに、なかなかそれっぽいところに行き着いてしまって、戸惑いを感じている。
逆に、これをLv.1にしてしまうと、Lv.2に手を出すのにえらく時間がかかってしまいそうだ。
ということで、これは実はLv.8ということにしようと思う。
裏Lv.8。
と、こんなことを書いて文章を締めることで、Lv.1なりのクオリティにきっちり落とすのであった。
前回の「万物は波動である」にしろ、今回のテーマにしろ、Lv.2がちゃんと仕上がるのか、そしてそのクオリティの上がり幅がいかほどになるのか。
それは、奇特で質の悪い友人がいかに僕のモチベーションと知識水準をアップさせられるかにかかっている。
奇特なので、それなりにこの件に関してアクションを起こす可能性は高そうだが、質が悪いのでろくなアクションを起こさない可能性も高そうである。
大変に困ったものであるが、奇特で質の悪い友人は、空港まで送迎してくれたりもする。
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