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マンガ分類学(2020/02/11大幅加筆修正)

漫画作品それぞれを分類して、マンガが進化していく中でのその作品の位置づけを知りたいと思いませんか。私は思います。私は大学で生物学を専攻していて、「分類する」というと生物分類になじみがあります。これは日ごろ使っている単に物事を分けてまとめる事とは違います。それとは異なる生物分類における「分類する」とは、自然界の生物を「分類する」とその結果はただ一つになるという自然の真理を表すことです。この理論、かっこよくないですか。漫画作品それぞれを分類して、マンガが進化していく中でのその作品の位置づけを知りたいと思いませんか。私は思います。

このたったひとつしかない分類を自然分類(natural classification)と呼ぶ.なぜたったひとつしかないのか,それは真実はたった一つしかないからである.(馬渡峻輔(1994)『動物分類学の論理 多様性を認識する方法』東京大学出版会 6ページ より引用)

かっこいいんですよ。分類学(taxonomy)は西洋から発した科学なので、神様が創ったものを解明したい、と、イデア論とかが分類学の成立にかかわっているので、神様の創造物である自然の理はたった一つという考えが大前提にあります。

さて、ひるがえってたくさんあるマンガ作品を作ったのはたくさんいる人間個人なので、世界中すべての作品を貫く真理があるかは置いておいて、それでも「生物分類」のような「マンガ分類」出来ると思います。
私自身のかんがえでは、少女漫画、少年漫画、青年漫画などと呼ばれるタクソン (taxon)は、掲載雑誌(編集部が想定している読者層(それは付録や特集記事など、作品の内容だけではないものから読み取れる)がある)のちがいによって分け方がすでに確立されています。これらは主に掲載された雑誌で区別されますが、羽海野チカのヤングアニマルという青年誌に掲載された三月のライオンなどは、時に少女漫画とよばれます。しかしこれは恣意的な分類ではないか。青年漫画からの簒奪ではないかと私は考えています。よく、少女漫画雑誌で掲載された骨太な作品を「この作品はもはや少女漫画の枠を超えたものだ」と評価することと同じで、いや、少女漫画の広がっている部分を勝手に無視するなよと、思います。ここから進めて、マンガ作品を最小単位とした分類体系を言葉で表すことが私のライフワークです。

参考文献
動物分類学の論理―多様性を認識する方法 (Natural History) https://www.amazon.co.jp/dp/4130601571/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_cYXoEbY8FEF9K

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