ディナー
高いディナーに連れて行ってくれる。
気の済むまでお酒を飲ませてくれる。
行きたいお店、食べたいもの、
リクエストし放題。
全て私の好きなようにしていいよ、って。
気に入らないと私の機嫌が悪くなる?
私を満足させたいの?
優しさ。自由さ。
私はそれに感謝しなくちゃいけない。
だけどたまに、そんな自由が嫌になる。
そんな事をさせている私が嫌になる。
あなたは何がしたいの?
何が食べたいの?
なぜ勝手に我慢しているの?
って、自分本位にぶつけてみたくなる。
機嫌とりなんかやめてしまって、
自分のやりたいようにやっていいよ、
そう言って彼が自由になると、
きっと私は、
私を自由にさせてくれていた彼を恋しく思う。
そう考えながら、今日のデート。
行きたいお店のURLをラインで送る。
予約しといてね、と言わんばかりに。
メニューなんてあまり見ていない。
今はまだ彼の包容力に負けている。
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