マガジンのカバー画像

ゲストハウスオーナーの悲喜交々

101
長野市の小さなゲストハウス・1166バックパッカーズの飯室がゲストハウス経営の悲喜交々を綴ります。現場の話からスタッフ育成、宿をこれからどう育ててゆくか大きな声で言えない葛藤なん…
運営しているクリエイター

記事一覧

居場所作りに興味のある人、将来自分で場所を作りたい人、旅人とローカルを繋ぐ仕事がしたい人、町の入り口に興味のある人

居場所作りに興味のある人、将来自分で場所を作りたい人、旅人とローカルを繋ぐ仕事がしたい人、町の入り口に興味のある人

 2~3ヶ月スタッフ募集をしている。切迫しているわけではないんだけれど、それでも週末なんかは「あぁ、もう一人いないとちょっときついよなぁ…」と。なんとかマンパワーで凌げているが、時間の問題かもしれない。

求人の仕方

 今のところ、自社メディアでしか求人を出していない。1166バックパッカーズに興味を持っている人に働いてほしいから。公式サイトにはけっこう細かくこちらの姿勢やマッチングしやすいタイ

もっとみる
一年で1番、くたくたになる日

一年で1番、くたくたになる日

 小2の我が子が楽しみにしている夏のイベント、昨年に引き続き徒歩圏内、チャリ圏内のご近所さん親子6組での貸切営業でした。ちなみにそれぞれ親になる前から顔見知りの面々ということで、大人同士もいろいろ話したい。

 集合して、ビンゴして、ボードゲームして、枝豆・冷やしきゅうり・たこ焼き・焼きそば・焼きおにぎり・フランクフルトなどお祭り的なご飯食べて、クイズ大会やって、花火やって、誰がどのベッドで寝るか

もっとみる
25才以下ひとり旅支援を始めた理由

25才以下ひとり旅支援を始めた理由

 1166バックパッカーズという小さなゲストハウスを開業して14年になる。始めたころ30歳だった私も、44歳になった。ゲストハウスに泊まるひとというと、若者のイメージが強いかもしれない。大学生のような。でも実際のところ、我が宿に宿泊するマジョリティは30歳前後が一番多い。そして40代のひとり旅や家族旅行も一定数いる。50代の男性ひとり旅というのも結構多い。

30歳前後のゲストが多い理由(推察)

もっとみる
25歳以下のひとり旅、500円割引がいよいよスタートです

25歳以下のひとり旅、500円割引がいよいよスタートです

 25歳以下の皆さん、こんにちは。長野県長野市にある小さなゲストハウス・1166バックパッカーズです。
 1166バックパッカーズでは、国内外から「若者のひとり旅を応援したい!」という旅好きの方々の支援を取りまとめ、新しいプロジェクトとして25歳以下のひとり旅の方に向けた割引を始めました。

割引を受けられる人

割引を受けられる人は、以下のすべてを満たす人となります

チェックイン日が25歳以下

もっとみる
500円で25歳以下のひとり旅を支援してくれるひと募集します

500円で25歳以下のひとり旅を支援してくれるひと募集します

 ゲストハウスに興味のある人は「うんうん」と頷いてくださると思うが、旅は出会いの宝庫であり、夜中を通して旅を体感できるゲストハウスは、自分が知らない世界を知る入り口にもなると思っている。
 にもかかわらず、 コロナ前と比べて、明らかに日本人大学生の利用が減っった。もし他のゲストハウスが「そんなことないよ」とおっしゃるのであれば、ただ単に1166bpが若者に訴求できていないだけなんだけれど、でもやっ

もっとみる
チェックイン時間をどう定めるか

チェックイン時間をどう定めるか

 これから宿を始めようとする皆さん。チェックイン時間について、どのようにお考えでしょう。まだそこまで考えていない…という人も多いかもしれませんね。私は14年の営業のなかで1度だけ時間を変更しています。その経緯、理由を書いてみます。

さて、皆さんならどうしますか?

1166bpは現在、チェックインは21時までとアナウンスしています。それでも「22:20頃には到着します」という連絡が当日に入ってき

もっとみる
交流宿だが触れない流儀もある

交流宿だが触れない流儀もある

 遠方の他業種の方とZoomで打ち合わせ中、宿で起こるアレコレをなんとなく話したところ、「えー、そんなことが起こるですか〜!!めっちゃおもろいやないですか〜」というようなコメントをいただいた。確かに宿をやっていると、日々いろんなドラマティックなことが起こる。ある種ネタの宝庫だ。

宿で起こるアレコレ、パターン①

 例えば宿で出会った2人が結婚したり、地球のあっちとこっちに住む友だち同士が数十年ぶ

もっとみる
その旅人を信じていいのか?

その旅人を信じていいのか?

 少し前のこと。

「旅中に財布を無くした。知り合いが以前1166バックパッカーズに宿泊し、親切な宿だったと言っていたので、助けてくれるのではないかと思い来た。2~3日、仕事を手伝うので泊めてくれないか」

 玄関に現れたその男性は、要約するとそんなことを頼んできた(私は不在のタイミングだったので、スタッフがどう対応していいかわからずに電話をかけてきた)。さぁ、あなたなら、どうする?

 これが日

もっとみる
1166バックパッカーズの採用基準とは

1166バックパッカーズの採用基準とは

「どうして私を採用してくれたか、わからないです」

 働いているスタッフからそんなことを言われた。つまり、偶然なのか必然なのか、今じぶんはここで働いているけれど、採用の基準はどこにあるのか、と。
 面談をしている自分のなかではしっかりと理由があるんだけれど、それはあくまでも飯室個人のなかに存在している理由で、採用基準、つまり「属人的・感情的な評価によって合否に悪影響が出るのを防ぐのに有効な基準」と

もっとみる
ゲストハウス ひとりでやるのか、人を雇うのか

ゲストハウス ひとりでやるのか、人を雇うのか

 私のところに開業の相談に来るひとの多くが、「人を雇わずに自分ひとりで始めようと思う」と言う。私も始めた時、そう思っていた。それでも妊娠、子育てのタイミングでアルバイトスタッフ雇用を前提とした運営に変化した。
結局のところは、正解はなく、その都度判断してゆくだけのことなのかもしれない。ただ、自分の場合を振り返ってどんな壁があり、どうそれを乗り越えたか書いてみる。

ひとり営業のメリット

コンセン

もっとみる
父子旅・母子旅、お待ちしています。

父子旅・母子旅、お待ちしています。

 先日、3歳の女の子を連れてお父さんが泊まりにきてくれた。聞くと、初めての父娘旅だそう。私の場合は「母娘旅」ではあるが、父子旅・母子旅を力強く推進しているので、その理由を下に書いてみる。

親視点のメリット

 「あー、今日も父ちゃんは仕事行っちゃったし、何しようかな〜…家にいたら子供と二人きりで、なかなか時間も過ぎないのよね…」
 子供は大好きだし子育ても楽しんでいた。加えて父ちゃんもめっちゃ育

もっとみる
ゲストハウスのヘルパー制度について考える

ゲストハウスのヘルパー制度について考える

ゲストハウスにおけるヘルパー制度とは

 ヘルパーはフリアコ(フリーアコモデーション)と同義。館内に無料で寝泊まりしていい変わりに仕事を数時間手伝ってもらうシステム。江戸や明治時代から「丁稚奉公」システムはあったと思うが、元々はそれと似たような物だと思う。
 1166bpの場合は住居に加えてお米など一部の食材が無料になり、その見返りで週15〜20時間ほどの掃除手伝いをしてもらっている。

事業計画

もっとみる
レビューの最初の読者は誰か

レビューの最初の読者は誰か

 突然ですが「レビュー」を参考にされたことはありますか? 私自身、食事に出かけるとき、物を買うとき、病院にかかるときなど、グーグルマップのレビューを参考にすることは多々あります。

 余談ですが、店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディア・『口コミラボ』によると、20代など年齢層が低いほど口コミを見るが口コミを投稿せず、50代など年齢層が高いほど口コミを見ないが

もっとみる
ゲストハウスの場所の決め方

ゲストハウスの場所の決め方

 第二回のゲストハウス開業相談会を終えた。各地から繋いでくださった3名に私を足して合計4名でおしゃべり。今回は、「(市町村は決まっているけれど、そのなかでも)どこでやるか」について聞かれたので、考えてみた。

場所はどう決めたらよいか

 今回の参加者のなかには地元である某村で開業を考えられている人もいた(ただ、村と言っても日本昔ばなしに出てくるような村ではなく、二つの主要都市に挟まれている町場間

もっとみる