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ところかまわずナスかじり

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ギャグの宝庫!理不尽の宝庫!何がなんだか・・・の宝庫!
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2021年5月の記事一覧

― 「ところかまわずナスかじり」第244話 ホワイトボードに浮かび出た文字 ―

 私は教師である。
 
 ある日のことであった。
 私は一人、教室で授業の準備をしている最中であったが、ふと奇妙な気配を背後に感じ、振り返った。
 教室には私しかいなく、当然、振り返ってもホワイトボードがあるだけだった。

 私は講師であると同時にオカルティストでもある。
 こういった気配を感じた時には当然霊の存在が疑われた。

 私はその霊が邪悪なものではないことを祈りながらしばらくじっとしてい

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― 「ところかまわずナスかじり」第243話 遺書 ―

<お母さんへ>
 
 お母さん。娘の先立つ不孝を何卒お許しください。
 そして、この遺書は決して、決して、武彦さんには見せないでくださいね。
 きっと、きっと、見せないでね。

 私は武彦さんの浮気なんて責めたりしないし、相手のあの女のことを恨んでなんかないわ。
 だって、あの女が一方的に武彦さんを誘ったんだし、やさしい武彦さんがあの女の卑怯な手にかかってしまったのはしょうがないことだわ。

 あ

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― 「ところかまわずナスかじり」第242話 東京の決め台詞 ―

都知事「え~、東京に純粋な東京人はいないのであります。皆、他の道府県から来たよそ者でございます。昨今よく言われております、でぃばーしてー。日本語でいう、多様性のことですな。このでぃばーしてーの精神をこの東京にも取り・・・・・・入れるかぁっ!よそ者は今すぐ出てけぇっ!それでなくてもこんなクソ狭いとこに一千万人もいやがって!お前らぁっ!カス共がぁっ!田舎に帰って肥溜めでも汲んでろっ!なにが『スカイツリ

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― 「ところかまわずナスかじり」第241話 添付するランプ ―

妹「おにいちゃん!私、いいこと考えちゃった!」

兄「なんだい、ユウコ?お前はいつもいいこと考えるよな!」

妹「ふふっ!あのね、このメールにランプを添付するの!」

兄「すっごいや、ユウコ!そんなこと一人で考えたのかい?!」

妹「当たり前じゃないっ!ふふっ!」

兄「じゃあさ、そのメール、俺のスマホに送ってよ!」

妹「いいわよ。はいっ。送ったわ!」

兄「おっ!きたきた!開けるよっ!」

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― 「ところかまわずナスかじり」第240話 電動タコス ―

 この装置、
 僕が、
 あのタコスの聖地、
 米国で、
 この前手に入れたものだ。

 当時の値段で150ドル。約1万5000円。安くはない。

 縦30センチ、横10センチ、深さ5センチの直方体した黄色の筆箱を想像してもらっていい。

 さて、
 ではその黄筆箱を机に横たえようか。
 大きな面を下に、
 小さな面を手前にしてね。

 すると、右側の細長い面のちょうど真ん中辺りにオシャレなボタン

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― 「ところかまわずナスかじり」第239話 死んだ河童の裏側 ―

 ひどい話である。
 死んだ河童の内側にはコカインがたっぷりと詰められていた、ということだ。

 なんてもったいないことを・・・

― 「ところかまわずナスかじり」第238話 手取りす ―

 一世を風靡した『テトリス』。
 このゲームの醍醐味はやはり、ハマるところにハマるものをピタリとハメていく、という所でしょう。

 そこで翻って、あなたの給料です。
 何ですか、だらしない!
 そんな給料でテトリスになろうだなんて!
 
 あなたの給料では、『ぷよぷよ』止まりです。
 まぁ、可愛くていいんじゃないですかぁ~

― 「ところかまわずナスかじり」第237話 ラーメンの『かやく』は爆発するか? ―

 当然、爆発します。
 当たり前です。
 『かやく』ですよ?

 核爆弾ほどではありませんが、爆発します。
 爆発したらどうなるか?

 お腹が痛くなります。

― 「ところかまわずナスかじり」第236話 すごろくアントニオ ―

す・・・すごいわ!まるで、馬なみね♡

ご・・・ケタちがいよ!人じゃないわ!あなたはゴリラよ!

ろ・・・そうよ!ろくでもないゴリラよ!

く・・・でも、・・・ふふふ。苦労を知ってるゴリラってわけね。

― 「ところかまわずナスかじり」第235話 浮き沈み ―

 ひいっく!
 うい~・・・

 あのよぉ、どんなヤツにもよぉ、‟良い時”もありゃ‟悪い時”もあるっていうじゃんかよぉ。
 
 俺、産まれた瞬間に捨てられてよぉ~。
 山に。
 ひいっく!
 親切なヤギに育てられたんだがよぉ。
 そのヤギがクマに殺されてからは一人ぽっちでよぉ~。
 ひいっく!
 で、人間に発見されたのが一昨年前でよぉ~。
 俺が大切に持ってた綺麗な石とか金色の石とかをよぉ~。
 

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― 「ところかまわずナスかじり」第234話 『や』のつく職業 ―

 この前、私、とても恐ろしい目に遭いました。そうです。あの『や』のつくご商売をなさっておられる方です。

 私、ただ道を歩行しておっただけなんですが、その『や』のつくご商売の方が、そりゃあもう、暴走といってもいいほどのスピードで私の側を通り抜けて行ったではありませんか。

 私は争いごとを好みません。
 当然、暴走していった方に何か言葉をかけるわけがございません。
 ところが、その『や』のつくご商

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― 「ところかまわずナスかじり」第233話 丸い人形 ―

 私の家には丸い人形があった。
 コロコロ、コロコロ、よく転がる人形である。
 
 この前、その丸い人形が下り坂を転がっていってどっか行ってしまった。
 最初からああすればよかったのである。
 あんな丸いだけの人形・・・

― 「ところかまわずナスかじり」第231話 ずっと鳴らない電話とずっと鳴ってる電話 ―

 ふっ・・・
 街の喧騒から2時間も離れた、この海のそばのテラスで君からの電話を待ってるんだけどさ。
 約束はあと30分後の15:00。
 
 ふぅ~
 ドキドキしてたんだ。
 さっきまで・・・。
 なぜって?
 さっき、この携帯が壊れてて、ベルが鳴らないことに気づいたんだ。
 で、
 何回か叩いたら、今度はずっと鳴ってるんだ・・・・

― 「ところかまわずナスかじり」第230話 いたいけにもほどがある ―

 メグちゃん!お誕生日、おめでとう!
 はいっ、これはパパからですよ!
 メグちゃん、3才だからね、ほら、メグちゃんの好きなドラえもんのお人形が3つ・・・、ああっ、メグちゃん!ど、どうしてお人形を捨てるんだい?!
 ああっ、メグちゃん、や、やめなさい!ケーキを投げるんじゃありません!
 メ、メグちゃん、ちょっと落ち着いて!

 あああっ、メグちゃん、ちょ、ちょっと!
 ああっ、メ、メグちゃん!そ、

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