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再び、春

春が通り過ぎようとしている。

家から最寄り駅までの途中に公園があって、地面にはぱらぱらと桜の花びらが散っていた。
毎朝イヤホンをしてぼーっと通り過ぎてしまうから、とても身近なはずなのに気がつかなかった。

お花見、出来なかったな。

春は気温も天気めちゃくちゃになるし、その影響で体も心もぐらぐらするし、
花粉きついし、
好きだけど、あわあわしている間に終わってしまう。

スマホのフォルダにある今年の桜は、渋谷でビラ配りした帰りにハチ公前で撮ったものだけ。

そんな〜〜〜〜〜〜!
体感出来る春は有限なのに!
今年の春は一度しかないのに


小学生の頃、校庭にあった大きな桜の木が切られたことを思い出した。
なんで切られたんだっけ。
記念品として、切られた幹を再利用したコースター?か何かが配られたことはぼんやり覚えている。
そんなもの要らなかったよ、桜が見たかった。桜の花びらでプーって笛を吹くのが好きだった。
現にもう、記念の品というやつはどこにあるか分からないし、捨ててしまったかも。

何年か前、演劇仲間の友人とお花見したことも思い出した。
その子はお酒がとても好きで、私も顔を真っ赤にしながら一緒に飲んだ。
ここ数年会えていない。
SNSは繋がっているからなんとなくの動きは知っているけれど、それ以上でも以下でもない。
少しでも元気に過ごせていたらいいな。


春、というだけで、
桜、というだけで、
普段思い出しもしない何年も前のことが、急に蘇ってくる。
不思議なものです、恐ろしいものです、日本人の心には桜が深く根ざし過ぎているのかも知れない。
無意識に感じとってしまう美しさ、には抗えない。
きっと来年も再来年も同じことを思うのだろう。
桜の木に比べたら人間なんてちっぽけであり続ける。


最後に、“桜”で思い出す私の一番好きな作品を紹介して終わります。

野田秀樹作
「贋作・桜の森の満開の下」

夢と現実の狭間のような高揚感と、狂気と、美しさに、魅せられる。
何度観ても、何度でも心奪われる。
奪われたい。
死ぬまでそう願い続けてしまう作品です。


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2024年7月12日(金)@下北沢ADRIFT
THE ORGANICS 2nd Oneman Live
"Synergy"
Open18:30 / Start 19:30
ライブ物販・手売りにてチケット販売中

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