【MTF】ホルモン療法を行う時期について【FTM】
☆当事者が希望するホルモン療法開始年齢☆
性同一性障害当事者181名(FTM117名,MTF64名)の二次性徴の自覚に関する調査では,FTM当事者の初経,乳房増大の自覚は平均12歳頃,MTF当事者のひげは平均15歳頃,変声は13歳頃からでした。
中学生以前に性別違和感の生じた当事者に限って,ホルモン療法開始を希望する年齢を検討すると,FTM当事者は二次性徴の発現後でもよいと考える比率が高く,平均すると15歳頃(中学校~高校)を希望していました。
一方,FTM当事者の多くは二次性徴の発現前を希望しており,平均すると12歳頃(小学校高学年~中学校)となり,より早い時期を希望していました。
FTM当事者では,二次性徴の発現後でも,アンドロゲン製剤投与により,月経は停止し,ひげが生え,声も低くなります。
しかし,MTF当事者では,声変わりをして,ひげが生え,男性的な体型になってからエストロゲン製剤を投与しても変化は少なく,その後のQOLに影響します。
このためFTM当事者では必ずしも二次性徴以前の開始を希望していませんでした が,MTF当事者の多くは二次性徴が進む前に開始することを希望していると考えられました。
では,そのために,いつ頃には「性同一性障害」という状態があることを知っておきたかったと思っていたでしょうか?
FTM当事者では,性同一性障害について説明してほしかった年齢は平均すると12歳頃 (小学校高学年~中学校)でしたが,これに比較して MTF当事者では平均すると10歳頃(小学校高学年)であり,より早い時期を希望していました。小学生や中学生への保健教育や性教育の中で伝えることが必要 になります。
出典:岡山大学病院ジェンダークリニック 中塚幹也
小児保健セミナー 性同一性障害と思春期(2015)
私は変声が14歳、髭は16歳~17歳頃だったと思います。それから体毛が凄いことになりました。
抵抗しましたが、もうどうしようもないと諦めました。
現行のガイドラインでは15歳からホルモン療法は可能ですが、「2 名の意見書作成者が、医療チームに所属して継続的に性同一性障害の診療を実施し、複数の身体治療に関する意見書を作成したものに限定する。意見書作成者のうち 1 名は GID 学会認定医を含むこと」としている。
さらに、「2年以上ジェンダークリニックで経過を観察し特に必要を認めたものに限定する」とのことから、13歳までにジェンダークリニックに通い始めたほうが良いとされる。
今後、改定により、「14歳以上」に引き下げられる可能性もあり、今後も動向を確認していくつもりである。ちなみに成人以降のホルモン治療に対しては以下の見解が参考になります。
思春期発来後の長期間、内因性の性ホルモンの暴露を受けた身体は、一般に、骨格、体型をはじめ性別特異的な特徴が顕著となり、後に異なる性ホル
モンを投与しても、その特徴を根本的に変化させることは困難である。
特に内因性男性ホルモンの暴露を長期に受けた MTF では、本人の望む性別に類似した身体的特徴を備えるに至ることは,きわめて困難となる.したがって、思春期以前から、何らかの方法により第二次性徴の発現をコントロールできれば、より望ましい結果の得られる場合があると考えられる。
出典:生殖・内分泌 クリニカルカンファレンス
GID(性同一性障害)と産婦人科医
3)性同一性障害とホルモン療法:思春期の GnRHa 療法を考える
岡山大学病院ジェンダークリニック 中塚幹也
埼玉医科大学総合医療センター 石原理
私は30歳を超えてからのホルモン治療でした。
変化としては、肌感がそれまでのゴツさがなくなり女性らしくキメが細かくなりました。あの時の感動は今でも忘れません。
自分が押し殺していたことが、ようやく自己実現に向けて動き始めることができた喜びに感動しました。
大きな変化は期待できないとわかってはいたので、それ以外の変化は脂肪がたくさんついた~とか、うつが~とかそんな感じのものでした。初期は本当に力が入らなくなって困りました。
結果的に、副作用が辛くて1年半でストップし、精神的混乱状態になりました。またこうして社会的活動ができるようになるまで3ヶ月以上かかりましたが、これからまた頑張っていきたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
では、次の記事でお会いしましょう!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?