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「独学大全」は、不安定な時代における地図であり羅針盤でもある1冊

「独学大全」という本があります。

私が購入した経緯や、少し読んだ際の感想は以下に書きました。あまりに熱い内容の本だったので、私の感想も熱いですね。

この本を購入したのは昨年の11月半ばですが、今月に入ってようやく読了しました。著者である読書猿さんが「通読するのが目的の本では無くて、辞書代わりに使って欲しい本」と言っていたので、そのアドバイスに従いつつも、気が向いたときに読む、というスタンスでゆったりと読んでいたら、読了までに2ヶ月もかかってしまいました。

ちなみに、読書猿さんとは誰?という方は以下のブログを参照ください。直近の内容は、独学大全のプロモーションが多いですが、それ以外のエントリはとにかく「博覧強記」という言葉がよく似合う内容で、思考の深さにビックリします。

さて、この本の良いところは、なんと言っても「章ごとに簡単な寓話が挟まれている所」ですね。簡単な小話を読む事で、これから読む事の本質の一部を理解できるようになっているのが非常に素晴らしいです。

寓話を読むことで、頭の中に補助線が引かれ、その後の内容が頭に入って来やすくなるので、この構造自体が凄いアイデアだな、と感じました。そういえば、この著者は「アイデア大全」の著者でもありましたね。

また、著者自身も言っていますが、この寓話の部分だけ読む、という読み方も本当に有りだと思います。

あとは、本全体の構成が「なぜ学ぶべきか」「何を学ぶべきか」「どのように学ぶべきか」という順番に書いてあるのが非常に親切ですね。独学の動機の部分が弱いと、そもそも学び始めることも出来ないし、学びを継続することが出来ません。

また、学ぼうと思っても、「じゃあ、何から学べば良いんだ!」という疑問と「どうやったら効率的に学べるんだ」という疑問はワンセットになると思います。

この、独学者が陥るであろう陥穽に、あらかじめセイフティネットを張り巡らせ、「この本を掴んだ以上は、独学からは逃れられないぞ!」という作者の執念(というか怨念(笑))というようなものを感じます。非常に隙が無い構造だな、と思います。

特に、冒頭の第一章が「志を立てる」の部分が白眉ですね。この章を読むだけでもこの本を読む価値があると言っても良いと思います。冒頭にこういう熱い内容を持ってくる構造を考えたのも凄いな、と思います。

また、本の最後の部分に「では、この本をどのように使うのか」という例示が3つしてあり、それが「国語・英語・数学」の3種類となっており、独学者の入り口としてもわかりやすいですし、その例示を読む事で「独学大全」の、どの部分を使えば効果的な学習ができるのか、がものすごく良く分かり、非常に至れり尽くせりの内容となっています。

おまけに、巻末に「独学困りごと索引」が付いており、例えば「怠け心が生まれたら」とか「やる気が出なかったら」という項目があり、その際に自分が読むべきページに飛ぶことが出来、様々な困った状況に陥った時の道しるべとなります。

ともあれ、「良くもまぁ、ここまで隙が無い本を作ったもんだ」と、感心しきりの1冊ですね。これだけ分厚くかつ濃厚な内容なのに3千円ちょっとで購入できるというのも、恐ろしいと感じました。コストパフォーマンスが高すぎ、というか。

これからの時代は変化の時代であり、学びつつけるのが求められる時代でもあります。そんな不安定な時代の荒波を乗り越えるための地図であり羅針盤でもある本かな、と感じました。

文字通りの「座右の書」として、今後も活用していきたいと思っています。


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