ソクたびlarge

行き先が分からなくても、人は旅行を買うことが分かりました

私たちOrange株式会社では、旅行サービス「ソクたび」を共同運営しています。
ソクたびが一風変わっているのは、「行き先が分からないのに、3万円以上の旅行商品が売れている」というところです。
どうしてこのサービスが使われるのか、これまでやってきて分かったことを時代背景と共にまとめてみました。
旅をより良くしたいという想いを持つ同志にこのnoteを読んでいただき、人類の旅がまたアップグレードされる材料の1つになれば嬉しいです。

ざっくり言うと

「ソクたび」を買っていただける理由は、この2つと思っています。

・世の中に旅行情報が溢れ過ぎていること
・加えて、消費者がプリンセス化していること

社会実験中のため、まだ未知の部分もありながらのレポートということをご理解ください。
より詳しく説明させていただきます。

そもそも「ソクたび」とは?

ソクたびは、3万円さえあれば即旅に出られる旅行サービス(最短で翌日出発)です。

 「ソクたび」https://sokutabi.com/
予算・出発地・出発日を選び、クレカ決済をするだけで、旅の申込みが完了します。
また、「旅カルテ」を記入していただくことで、旅行者に喜んでいただけそうな旅先を、一生懸命選ばせていただきます。
行き先は出発前日に発表され、おすすめスポットやモデルプラン、チケット情報などが詰まった「旅のしおり」を参考に、旅行を楽しむことができます。

なぜ「ソクたび」をやってみようと思ったか?

なぜ買っていただけるか?をご説明する前に、どうしてこのサービスを始めようと思ったか? を説明したほうが理解が早いと思いますので、一旦経緯をお話しさせてください。

私は旅が大好きなのですが、あるとき旅行欲求は大きく2つに大別されることに気がつきました。

①ここに行きたい!(例:屋久杉を見に、屋久島に行きたい!)
②どこかに行きたい!(例:とりあえず、日常から抜け出したい!)

そして、①のときはすぐに行く準備ができるのですが、②のときは一旦思考が停止して、そのまま旅に出られないことがよくあります。
加えて②の発生頻度は、仕事などで日常が忙しくなればなるほど多くなります。
そんなとき、パッケージツアーを選ぶことすらめんどくさくなっていて、「もう誰か、いい感じの旅行を用意してくれないかな」とよく思っていました。
これが「ソクたび」が生まれた発端です。

なぜ、②どこかに行きたい!と思うときは、旅立ち辛いのか?

いつの間にか、私たちはネットを使って世界中の旅行情報を得ることができ、世界中の宿や交通などを、すぐに予約決済できるようになりました。
旅の選択肢は、30年前の数十倍、数百倍に増えているのではないでしょうか。
一方で、それがスマートな旅行か?と言われると、素直には頷けません。
どこに行こうか? どうやって行こうか? どこに泊まろうか? なにをしようか? と検索している間に、時計の針はどんどん進み、旅に行きたい気持ちが、風船が萎むように小さくなっていたような経験はないでしょうか。

いまや、旅行情報はヒトの許容量を超えてしまっています。
そこで「ソクたび」は、ストレスなく旅に出られるように「探す」「選ぶ」「決める」行為を、最大限無くしています。
これが、ソクたびを使っていただいている理由の1つだと分析しています。

消費者のプリンセス化

加えて最近の私たちは、旅行行動に限らず、プリンセス(プリンス)化が進んでいると感じています。
プリンセス化とは私の造語なのですが、文字通りお姫様のことで、彼女らは概してワガママです。
例えば、タピオカミルクティーが飲みたいと思ったら、その飲みたいと思った瞬間に飲めると嬉しいし、飲めなければご機嫌ナナメです。
かつてそんな無茶な話が通るのは、王族のプリンセスのような一部の限られた人だけでした。
しかし現代に生きる私たちは、近くのコンビニに行けば、すぐにタピオカミルクティーを飲むことができます。
最早、かつてのプリンセスを超えた快適な生活に慣れてしまっています。

旅行も、そんなプリンセスに悦んでいただけるような設計であるべきだと思っておりまして、「どこかでゆっくりしたいなー」や「知らない土地に行ってみたいなー」と思ったときに、すぐにその欲求に応えられるサービスがあっていいように思います。
今はGoogleで探したり(なんというキーワードで探せばいいか考えることがめんどくさい)、Instagramで探したり(「#旅行」は広すぎる検索結果になることは目に見えている)、知人にどこかオススメの旅先を聞いてまわる以外に、良い方法がありません。
「ソクたび」は、旅に行きたい気持ちのまま、ほぼ一瞬でその欲求に応えることができます。
これが、ソクたびを使っていただけるポイントの2つめではないかと考えています。


このnoteでは、このような旅に関する考察や検証結果を、失敗も含めてまとめていきたいと思っています。
ソクたびの最初のチャレンジは、「行き先が分からなくても人は旅行を買うのか?」でした。
いろんな方にソクたびを使っていただいていますが、今のところ概ね満足していただいているように感じています。

人類の旅がより良くなるよう、商品設計のときなどに参考にしていただければ嬉しいです。

消費者のプリンセス化に対応した新しいサービスは、続々登場しており、これからも増えると思っています。
・売りたいと思ったときにすぐ売れる
 「CASH」や「メルカリ」など
・乗りたいと思ったときにすぐ乗れる
 「タイムズカーシェア
・働こうと思ったときにすぐ働ける(そもそもプリンセスは働きませんが・・・)
 「Uber Eats」や「タイミー」など
その他広義には、映画見たいと思ったときにすぐ見れる「ネットフリックス」や、酔いたいと思ったときにすぐ酔える「ストロングゼロ」も当てはまるかも知れません。

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